映画を観ようか・・・
それとも寝ておくべきか・・・
なんたって荷造りがヘタゆえか、夕べは2時間しか寝ていないんだ
迷いながら一応映画のラインナップを調べました。
(マツコのバラエティ番組とかもやっていて、オットは珍しく隣で大笑いで観ています)
実写版の『シンデレラ』
ジョニー・デップの『チャーリー・モルデカイ』
日本映画からは『神様はバリにいる』
など・・・
そんな中「あれ?これ聞いたことがあるタイトルだなぁ。」と思ったのが、
『国際市場で逢いましょう』
どんな映画だっけ?とあらすじ(キャスト)を見て思い出した!
韓国通の23ちゃんが新宿で観て、大絶賛していた映画だわ。
韓国歴代2位の興行収益(観客動員?)になった映画なんだったね。
彼女のブログを読んだ時、
「私も観たいなぁ。でもわざわざ映画館には行けないかなぁ。ビデオになる頃には忘れちゃうしなぁ。」
と思ったの。
ここで会えたのも何かの縁
主役が純朴青年を演じたら右に出るものなし(と私は思う)のファン・ジョンミンだもの!
観ます、観ましょう、はいスタート!
朝鮮戦争の真っ只中、一家は北朝鮮に暮らします。
軍を進めていた米軍は中共軍に包囲されたため進軍をやめ、拠点としていた興南(フンナム)という場所から撤収することになりました。
アメリカの大きな戦艦が何艘も港に着き、それにあわせてそこに住む北朝鮮民が「私も連れて行って」とばかりに港に押しかけます。
船に積むのはアメリカの大切な武器・戦車・・・
人間は置き去りのはずでしたが、説得に応じた司令官は「武器を捨てて人を乗せよう」と決断します。
大きな鉄のドアが開き、戦車が出てきた隙間から人間が船の中になだれ込みます。
どの船に乗ろう?
家族の手を離さぬように走るお父さん。
転んで泣く子供。
起こし上げてくれる親切な他人はそこにはいません。
23ちゃんの「全編号泣」の言葉が既に脳裏にある私は、この壮大な引きの映像からもう涙でした。
難民とはこうして生き延びるのか。
北アフリカの難民船の転覆がニュースになっても、想像力に乏しい私にはリアル感がなかったけれど、
こうして、人は争いながら我先にと船を目指す・・・
この映像が恐くて恐くて苦しかった。
鉄のドアがダメなら渡し舟で船の側面から乗ればいい!
今度は小さな船に人が押しかけ、ドクスの家族もその船に乗ります。
「ドクスや!妹の手を離すんじゃないぞ!」
父の言いつけを必死に守り、末の妹をおぶいその手を押さえ、船の横から縄のはしごで乗船を目指す・・・
あと数段・・・もう少しで船のへりに着くとき、すごい勢いでその下からはしごを上ってきた男の手で妹の腕ははがされ、ドクスの肩はふっと軽くなるのです。
海に落ちたのか、小船に落ちたのか・・・
船のへりから末娘の名前を叫ぶ家族。
ドクスの父が「これからはお前が家長だ。家族をしっかり守れ。わしもあとから必ず行くから」と言葉を残し、船を降りて娘を探しに行きます。
船は無情にも出港し、家族が住んでいた村は爆撃で赤く燃え・・・
「父さーん!」と叫ぶ家族・・・
物語はその後のドクスの生涯を描きます。
避難民となった家族は、釜山のおば(父の妹)の家に世話になり、国際市場で暮らします。
ドクスは家長としてお金を稼ぐために頑張ります。
片時も忘れたことのない父、そして末の妹・・・
南北戦争が一時停戦の日を迎えても、そこからは南北分断が始まるのです。
戦争が終わっても家に帰ることができない理不尽は何故なのか・・・
それは今も続く離散家族の実態をまざまざと現していました。
金になると聞けば西ドイツまで炭鉱夫として働きに出、歯まで真っ黒にして仕送りを続ける青年ドクス。
危険と背中合わせの作業場で、自分の夢も捨て弟や妹の学費、家族のために働きます。
夢も希望もないような生活の中で出会った女性、ヨンジャ。
人はどんな絶望の中でも愛を知るとこんなにも気持ちが浮き立つものなのかしらと、恋するドクスに涙が止まりません。
契約が切れて釜山に戻ると、今度はベトナム戦争へ技術者として志願します。
いくら家族を守るためといっても、自分の子供はどうなるの?
私はどうなるの?
「あなたの人生なのに、そこにあなたがいないじゃない」との妻ヨンジャの言葉に泣きました。
同じ女だからか、この言葉がしみました・・・
それでもドクスは一家の家長として「大丈夫、大丈夫」と笑いながらそれが自分に与えられた使命と出稼ぎに行くのです。
期せずしてこのベトナム行きのの中でベトナム戦争のシーンを観ることになりました。
一服の清涼剤であり、ヒーローとして描かれている兵隊ユンホ(東方神起)。
軽快で素敵だった~(笑)
映画の中でファン・ジョンミン(ドクス)は「カムオーン」というベトナム語を使いましたね。
(=「ありがとう」私がこの旅に備えて覚えておいた2つの内の一つです。もう一つは「こんにちは」という意味の「シンチャオ」。
この2つだけでこの先のベトナム旅行を切り抜けようとしています!)
このあと、物語はここで書いてはもったいないような出来事が起こります。
昔の日本にも同じような出来事がよくあったよね。
桂小金治を思い出したのは私だけではないはず。
月日がたち、白髪になったドクスはたくさんの子供や孫に囲まれながら暮らしています。
「わしは本当は船長になりたかった」
ヨンジャにそう語るドクス。
彼の人生に彼はいたのか。
胸が苦しくて私はどんどん泣きました・・・
飛行機のゴーッの音が私の嗚咽をかき消してくれるけれど、
隣でマツコを観ている夫が驚いて覗き込むほど機内食のナプキンを手にヒックヒックと泣きました(笑)
(おかげでコンタクトのドライアイが一気に解消!)
父との待ち合わせ場所だった国際市場の「コップンの店」ももう手離してもいいよ。
今度こそ売りに出そう。
わしがこんな年なら、親父ももう生きてはいまい・・・
コップンの店にはそんな意味があったんだ。
父さん。
僕の人生もなかなかだったろう?
僕は必死に頑張ったよ。
でもね、父さん・・・
本当はとても辛かったんだ・・・
あの日、船の上で、父がドクスの身体にかけた父の上着(着物)を抱きしめて泣くドクス・・・
(今でも書きながら涙がツツー)
《 国際市場で逢いましょう 》
やばい映画です。
家族の人生を支えきった素敵な男の物語。
切なく、そして心が温かいそんなお話でした。
それとも寝ておくべきか・・・
なんたって荷造りがヘタゆえか、夕べは2時間しか寝ていないんだ
迷いながら一応映画のラインナップを調べました。
(マツコのバラエティ番組とかもやっていて、オットは珍しく隣で大笑いで観ています)
実写版の『シンデレラ』
ジョニー・デップの『チャーリー・モルデカイ』
日本映画からは『神様はバリにいる』
など・・・
そんな中「あれ?これ聞いたことがあるタイトルだなぁ。」と思ったのが、
『国際市場で逢いましょう』
どんな映画だっけ?とあらすじ(キャスト)を見て思い出した!
韓国通の23ちゃんが新宿で観て、大絶賛していた映画だわ。
韓国歴代2位の興行収益(観客動員?)になった映画なんだったね。
彼女のブログを読んだ時、
「私も観たいなぁ。でもわざわざ映画館には行けないかなぁ。ビデオになる頃には忘れちゃうしなぁ。」
と思ったの。
ここで会えたのも何かの縁
主役が純朴青年を演じたら右に出るものなし(と私は思う)のファン・ジョンミンだもの!
観ます、観ましょう、はいスタート!
朝鮮戦争の真っ只中、一家は北朝鮮に暮らします。
軍を進めていた米軍は中共軍に包囲されたため進軍をやめ、拠点としていた興南(フンナム)という場所から撤収することになりました。
アメリカの大きな戦艦が何艘も港に着き、それにあわせてそこに住む北朝鮮民が「私も連れて行って」とばかりに港に押しかけます。
船に積むのはアメリカの大切な武器・戦車・・・
人間は置き去りのはずでしたが、説得に応じた司令官は「武器を捨てて人を乗せよう」と決断します。
大きな鉄のドアが開き、戦車が出てきた隙間から人間が船の中になだれ込みます。
どの船に乗ろう?
家族の手を離さぬように走るお父さん。
転んで泣く子供。
起こし上げてくれる親切な他人はそこにはいません。
23ちゃんの「全編号泣」の言葉が既に脳裏にある私は、この壮大な引きの映像からもう涙でした。
難民とはこうして生き延びるのか。
北アフリカの難民船の転覆がニュースになっても、想像力に乏しい私にはリアル感がなかったけれど、
こうして、人は争いながら我先にと船を目指す・・・
この映像が恐くて恐くて苦しかった。
鉄のドアがダメなら渡し舟で船の側面から乗ればいい!
今度は小さな船に人が押しかけ、ドクスの家族もその船に乗ります。
「ドクスや!妹の手を離すんじゃないぞ!」
父の言いつけを必死に守り、末の妹をおぶいその手を押さえ、船の横から縄のはしごで乗船を目指す・・・
あと数段・・・もう少しで船のへりに着くとき、すごい勢いでその下からはしごを上ってきた男の手で妹の腕ははがされ、ドクスの肩はふっと軽くなるのです。
海に落ちたのか、小船に落ちたのか・・・
船のへりから末娘の名前を叫ぶ家族。
ドクスの父が「これからはお前が家長だ。家族をしっかり守れ。わしもあとから必ず行くから」と言葉を残し、船を降りて娘を探しに行きます。
船は無情にも出港し、家族が住んでいた村は爆撃で赤く燃え・・・
「父さーん!」と叫ぶ家族・・・
物語はその後のドクスの生涯を描きます。
避難民となった家族は、釜山のおば(父の妹)の家に世話になり、国際市場で暮らします。
ドクスは家長としてお金を稼ぐために頑張ります。
片時も忘れたことのない父、そして末の妹・・・
南北戦争が一時停戦の日を迎えても、そこからは南北分断が始まるのです。
戦争が終わっても家に帰ることができない理不尽は何故なのか・・・
それは今も続く離散家族の実態をまざまざと現していました。
金になると聞けば西ドイツまで炭鉱夫として働きに出、歯まで真っ黒にして仕送りを続ける青年ドクス。
危険と背中合わせの作業場で、自分の夢も捨て弟や妹の学費、家族のために働きます。
夢も希望もないような生活の中で出会った女性、ヨンジャ。
人はどんな絶望の中でも愛を知るとこんなにも気持ちが浮き立つものなのかしらと、恋するドクスに涙が止まりません。
契約が切れて釜山に戻ると、今度はベトナム戦争へ技術者として志願します。
いくら家族を守るためといっても、自分の子供はどうなるの?
私はどうなるの?
「あなたの人生なのに、そこにあなたがいないじゃない」との妻ヨンジャの言葉に泣きました。
同じ女だからか、この言葉がしみました・・・
それでもドクスは一家の家長として「大丈夫、大丈夫」と笑いながらそれが自分に与えられた使命と出稼ぎに行くのです。
期せずしてこのベトナム行きのの中でベトナム戦争のシーンを観ることになりました。
一服の清涼剤であり、ヒーローとして描かれている兵隊ユンホ(東方神起)。
軽快で素敵だった~(笑)
映画の中でファン・ジョンミン(ドクス)は「カムオーン」というベトナム語を使いましたね。
(=「ありがとう」私がこの旅に備えて覚えておいた2つの内の一つです。もう一つは「こんにちは」という意味の「シンチャオ」。
この2つだけでこの先のベトナム旅行を切り抜けようとしています!)
このあと、物語はここで書いてはもったいないような出来事が起こります。
昔の日本にも同じような出来事がよくあったよね。
桂小金治を思い出したのは私だけではないはず。
月日がたち、白髪になったドクスはたくさんの子供や孫に囲まれながら暮らしています。
「わしは本当は船長になりたかった」
ヨンジャにそう語るドクス。
彼の人生に彼はいたのか。
胸が苦しくて私はどんどん泣きました・・・
飛行機のゴーッの音が私の嗚咽をかき消してくれるけれど、
隣でマツコを観ている夫が驚いて覗き込むほど機内食のナプキンを手にヒックヒックと泣きました(笑)
(おかげでコンタクトのドライアイが一気に解消!)
父との待ち合わせ場所だった国際市場の「コップンの店」ももう手離してもいいよ。
今度こそ売りに出そう。
わしがこんな年なら、親父ももう生きてはいまい・・・
コップンの店にはそんな意味があったんだ。
父さん。
僕の人生もなかなかだったろう?
僕は必死に頑張ったよ。
でもね、父さん・・・
本当はとても辛かったんだ・・・
あの日、船の上で、父がドクスの身体にかけた父の上着(着物)を抱きしめて泣くドクス・・・
(今でも書きながら涙がツツー)
《 国際市場で逢いましょう 》
やばい映画です。
家族の人生を支えきった素敵な男の物語。
切なく、そして心が温かいそんなお話でした。