忘備録の泉

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世界全史(14)

2017-01-08 10:20:59 | Library
131、ヨーロッパ諸国はアフリカを「無主の地」と決めつけ、「先占権」を分割の原則とした。それが極めて短期間でアフリカが分割されつくした理由であり、アフリカが政治的に不安定な理由でもある。

132、第1次世界大戦の戦後処理がまずかったために起こされた第2次世界大戦は、第1次大戦とひとつながりの戦争だ。これらの大戦争が19世紀の「ヨーロッパの時代」を終わらせることにつながる。

133、第1次世界大戦が「ヨーロッパの没落」の契機となり、戦後処理の失敗が誘発した第2次世界大戦で時代の転換が決定的になった。

134、大局的な視点に欠け、情緒に訴えるナショナリズムと領土紛争は対処が難しい問題である。力で現状を変えようとする行動は、時に悲惨な大戦争を引き起こす。

135、森林地帯の帝国ロマノフ朝は食糧難を解決できずに倒壊し、共産党による独裁政権がそれに代わったが、共産党政権は最終的にスターリンの独裁に至る。イデオロギーをスローガンのレベルにとどまらせるのではなく、その中味と方法の具体的吟味が大切だ。

136、アメリカが参戦することで、第1次世界大戦はヨーロッパ内部の戦争ではなくなり、経済的、政治的覇権がアメリカに移っていく。世界史の舞台が大きく転換したのである。

137、ヴェルサイユ体制は、基本的に英・仏がドイツを犠牲にして自らを復興させようとする体制だった。ドイツがアメリカの金を借りて莫大な賠償金の支払いを行い、英・仏は賠償金によりアメリカへの戦時債務の返却に当てるというお金の循環が起こり、皮肉なことにアメリカへの経済覇権が確立されていった。

138、第2次世界大戦後の4回に及ぶ中東戦争は、イギリスがバルフォア宣言に基づいてユダヤ人のパレスチナへの大量移住を受け入れたことが、そもそもの原因になっている。

139、非暴力・不服従でイギリスからの独立をめざしたインドの民族運動と、列強と結びついた国内各地の軍閥を軍事力で倒そうとした中国の民族運動は、極めて対照的な民族運動だった。

140、バブルの崩壊は資本主義経済では繰り返し起こるが、世界の経済に圧倒的な影響力を持つアメリカでのバブル崩壊の処理が極めて不適切であったため、恐慌はヨーロッパとアジアの経済の底を抜いてしまい、悲惨な世界恐慌となった。経済への理解は、政治家の基礎教養と言える。

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