忘備録の泉

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ユングの考えた普遍的無意識

2020-08-05 14:26:26 | 心理
フロイトの無意識理論に対して、まったく新しい無意識の考えを提唱したのは、スイスの心理学者ユングである。
ユングは無意識のなかには、人類共通のイメージが存在し、それが一人ひとりの無意識のなかに生まれつき備わっていると考えた。
この人類共通の無意識の領域を「普遍的無意識」と呼び、フロイトの考えた無意識を「個人的無意識」として区別した。
「普遍的無意識」は、ユングが元型と呼んだ概念によって構成されている。
その元型とは、私たちが祖先から遺伝的に引き継いできた生活体験によって、私たちの心の奥底に深く刻み込まれているものだ。
たとえば、出産、母親、結婚、別れ、死など、普遍的な生活体験に関する元型は理論的には無限に存在することになる。
そのなかで、特にユングが注目した元型としては、私たちの人格を形づくっている「ペルソナ」「影」「アニマ」「アニムス」などをあげている。
「ペルソナ」は、社会に適応するためにもっている、世間に向けた仮面ともいえるものである。
そして、他人とうまく協調するために、人格の認めがたい側面や劣等感などペルソナの奥に潜ませているものが「影(シャドー)」である。
また、男性が無意識の世界にもっている永遠の女性像のイメージが「アニマ」であり、女性がもっている永遠の男性像が「アニムス」だ。
これらの元型は、普遍的無意識を構成する細胞のようなもので、深層心理を理解するための仮設のようなものである。


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