忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

フロイトの性心理発達段階(3)

2017-02-28 13:18:04 | 心理
潜伏期(5~12歳ごろ)
小学校に入ると子どもの関心は、父親・母親の愛情を得ることから家庭の外へと向かい、友達とのつながりや、社会における規律・規範を身につけること、勉強などに移る。
性的な成熟は、この後の思春期へと持ち越される。
超自我が確立し、性的なことへのタブーも身につける。
しかし、潜伏期の間も子どもは性への関心を持ち続けるし、セックスについての知識を獲得するのもこのころである。
だが、セックスについては、タブーで“悪いこと”であるかのような印象を持つ。


性器期(12歳ごろ以降)
思春期に入ると、これまでの発達段階において重要だった口唇快感、肛門快感は二次的なものになり、快感獲得の主要な器官である性器を中心とする性活動が主になる。
この段階に至って、性活動は生殖機能という目的へ統合される。
この時期に性衝動は急激に強くなる。
それはすなわち、性器的衝動に加え、口唇期と肛門期の衝動も強くなるということであり、それまでの発達段階における性衝動の不充足(傷つき)が表面化する。
口唇期的、肛門期的衝動が高まって、寂しさが強くなったり、要求がましくなったり、頑固になったり、攻撃的になったりすることが頻繁に見られる。
性器期において、多くの人が男女交際および結婚という課題に取り組む。
交際と結婚において人は、自分自身を確立し、他人と心身ともに親密で調和した関係を育てる、という課題をクリアしなければならない。
これは大変なことで、性器期までの発達段階に大きなこころの傷つきがあるほど、困難が多くなる。
たとえば、相手が理想的な親であるかのように交際相手に過剰に求めたり、親に対して感じた怒りを相手にぶつけたり、それらのことをして相手を傷つけたり自分自身が傷ついたりするのが怖いために、こころを開くことができなくなったりする。
そのため、交際も結婚も不安が大きすぎてできない人もいる。
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フロイトの性心理発達段階(2)

2017-02-27 09:33:58 | 心理
肛門期(おおよそ生後8ヶ月~3,4歳ごろ)
括約筋をコントロールする神経が完成し、大小便の排泄が調節できるようになると、便のしつけが始まる。
口唇期において赤ちゃんがお母さんを信頼していれば、しつけに従って排泄しようとする。
トイレでちゃんと排便できればお母さんが喜んでくれるので、子どもは期待に応えようとして排便の習慣ができる。
それをお母さんが誉めてくれるので、子どもに誇りの精神が生まれる。
ところが、お母さんへの信頼感が不足していると、子どもは素直に排便のしつけに従うことができず、反抗する。
トイレの外で排便して部屋や家のものを汚すのは、反抗の一例であり、それは自立を求める主張でもある。
「与えるか、与えないか」を自分でコントロールできるようになった肛門期の子どもにとって、自立をめぐる葛藤が主な課題になる。
この時期の傷つきと怒りが高い程度に残るほど、人は頑固で意固地な性格になったり、反対に自己主張ができなくなったりする。
また、とてもケチになったり、反対にお金に“しまりのない”性格になったりする、と精神分析理論では考えられている。
ちなみに“しまりのない”という表現は、肛門の活動を連想させる。


男根期(おおよそ3、4~6、7歳ごろ)
肛門期の中盤から終わりごろ、子どもは性差があることに気づく。
この時期の子どもは男性器の存在を知るが、フロイトは、この時期の女の子は自分とお母さんに男性器がないことを知って劣等感を感じる、と信じた。
子どもは両親の愛を強烈に求めるので、兄弟姉妹に対して、親の愛情をめぐって争うライバル心が芽生える。
大人になって仲の悪い兄弟姉妹は、本当は、幼いころの親の愛情を求めて争った憎しみを抱えており、それが不仲の原因であることが多い。
子どもは男根期において、さらにその時期の重要な発達課題に直面する。
それは、両親に対するエディプス・コンプレックスと呼ばれる感情の葛藤だ。


(つづく)
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フロイトの性心理発達段階(1)

2017-02-26 13:15:37 | 心理
精神分析理論のなかでも性心理発達段階の部分は、カウンセリング実践にどう関係あるのかが見えづらい。
しかしその理論は、クライエントの苦しみに共感するためにとても重要だ。
その理論を簡潔にまとめる。

性心理発達段階は、口唇期、肛門期、男根期、潜伏期。性器期の5期に分けられる。
それらの区別は、子どもが本能的欲求を満たし快感を得る主な身体的部位の違いによってなされる。
ただし、それらの段階は徐々に遷移するのであって、一つの段階と次の段階が明確な境界によって分けられるものではない。

口唇期(生後すぐ~1歳半ごろ)
赤ちゃんは、乳首を口に含み母乳を飲むことを通して、お母さんと深い情緒的つながりを作る。
赤ちゃんはお腹がいっぱいになっても乳首を口に含み続けることがある。
そのことから、赤ちゃんは乳首を口に含むことによって、栄養補給だけでなく身体的・心理的快感も得ていることがわかる。
乳幼児が親の愛情を求める衝動には、こころもからだも親密な触れ合いを求める側面がある。
それは広い意味で性的な衝動といえ、その衝動が後ほどの性的発達の基礎になる。
深く激しいこころの苦しみで辛い思いをして生きている人のなかには、口唇期から続く慢性的な愛情飢餓感に苦しんでいる人も多い。


(つづく)

出典:共感的傾聴術
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イスラーム世界の興隆

2017-02-24 17:09:07 | 読書
世界史を通観してみると
(1)農業革命:約1万年前
(2)都市革命-河川文明の誕生:約5000年前
(3)世界帝国の形成:2500年から2000年前
(4)ユーラシア規模の帝国の形成-ユーラシアの一体化:8世紀から14世紀
第1次-イスラーム(アッバース)帝国
第2次-モンゴル帝国
(5)大航海時代-オーシャンの時代の開始、大西洋世界で資本主義の誕生
(6)産業革命・ネットワーク(交通)革命-国民国家体制への移行
(7)情報革命・ハイテク革命-グローバリゼーションの進行
という流れだ。

ユーラシアの一体化は、アジア、アフリカ、ヨーロッパの三大陸にまたがる帝国の建設を基盤とするユーラシア規模の大商圏の形成というかたちで8世紀に始まった。
最初のユーラシア規模の大商圏は、アッバース朝期のイスラーム帝国に出現する。
次いで一層明確なかたちでユーラシア規模の巨大帝国として大商圏を再編したのがモンゴル帝国である。

世界史誕生の基盤は、巨大帝国のネットワークを奪取する砂漠の周辺や草原からの遊牧民の大移動だった。
世界史上の三大征服というと、①アレクサンドロス大王の東征、②イスラームの大征服運動、③チンギス・ハーンの征西があげられるが、そのうちのふたつが「遊牧民の爆発の時代」、つまり7世紀と13世紀に起こっている。
歴史家トインビーが言うところの「遊牧民の爆発」である。

7世紀から8世紀にかけて展開されたイスラーム教団の「大征服運動」は奇跡的ともいえる成功を収め、ビザンツ帝国(ローマ帝国)の財政を支えてきたシリア、エジプトとかつてのペルシア帝国の全領域がイスラーム帝国として再編された。
モンゴル帝国は、規模の点ではイスラーム・ネットワークを凌ぐ壮大な道路、水路、海路網をつくりあげた。
しかしモンゴル帝国には、イスラーム帝国のイスラーム教にあたるようなシステムの中核をなす宗教、イデオロギーがなく、各地の伝統システムを利用して道路、水路を緩やかに統合した。
そのためもあり、モンゴル人は次第に各地の伝統文化の影響を受け、自らのアイデンティティを喪失した。
14世紀になり、分裂、内乱、都市生活による惰弱化などによってモンゴル人の軍事力が弱まると、帝国のシステムは各地の中核都市を中心に分裂していった。

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感情に飲み込まれるな

2017-02-13 09:43:27 | 心理
ロジャーズはインタビューでこう答えている。

「わたしも相手のことをすごく感ずるが、クライエントと同一化しているわけではない。
安定した気持ちでいる。
わたしは、セラピストはクライエントの問題を取り込まないで、安定した気持ちでいることが重要だと考えている。

それを一人称を使って記述するとこうなる。
わたしは自分が誰なのかを分かっている。
だから、わたしは目の前にいる他者の世界に、自分を入り込ませていくことができる―どんなに恐怖を感じるような、狂ったような、奇妙な世界だったとしても―なぜなら、自分の世界へ、自分自身へ、戻ってこれると知っているからである。
自分自身が安定していないと、他者の世界に絡め取られて、誰が誰だか分からなくなる。
それはとても苦しい状況である」
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