忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

語り部の演出力(7)

2016-11-30 10:09:38 | Library
たとえ話は、一般的には「たとえば、こうこうこういうことです」「これはどういうことかといいますと~」などのように話す。
難しい事柄であったりするときは効果的である。
たとえ話をつくるときのポイントは次の4つだ。

①たとえるものと、たとえられるものとに、本質的な共通点を持っていること

②たとえるものは、聞き手が知っているものや理解しているものであること

③たとえ話の主題(言いたいこと、訴えたいこと)が明確であること

④何のために、たとえ話を用いるのかとい目的が明確になっていること

(つづく)

語り部の演出力(6)

2016-11-29 16:33:59 | Library
比喩やたとえ話を使った話は、わかりやすく、身近に感じることができる。
しかしその比喩やたとえ話は、話そうとする事柄の本質がわかっていないと、適切なものにならないから、十分吟味して使わねばならない。
次のように整理しておこう。

①聞き手にはっきりわからせる
(137億年の宇宙の歴史を1年にたとえると、宇宙の誕生が1月1日として、地球の誕生が8月31日、人類の誕生が12月31日20時48分)

②伝えたいことを強調するため
相手がすでに知っていることでも、伝えたいことを強く感じてもらいたいときに使う

ここぞという時には「意識した比喩」を使う。

①使い古され、手あかがついたものではなく、新鮮な比喩にする

②そのために、自分で考えた比喩を使う

③相手にわかってもらえ、共感してもらえる比喩とする

(つづく)

語り部の演出力(5)

2016-11-28 10:27:47 | Library
聞き手が容易にイメージを描けるような話を心がける。
そのために次の「話の映像化4原則」を身につけよう。

①自分がしたこと、見たことをありのままに話す

②自分が言ったこと、人から聞いたこと、書物などを読んだことをありのままに話す

③その時、思ったこと、感じたことを素直に話す

④そのことについての今の素直な感想や意見を話す

(つづく)

語り部の演出力(4)

2016-11-27 10:26:58 | Library
話のなかに「デフォルメ」もある程度必要だ。
誇張や省略で言いたいことをクローズアップさせるのだ。
話のデフォルメの典型は落語である。
通常の話では事実・実例が基本になるので、落語のような大げさなデフォルメはできないが、多少は必要だ。
なぜならば強弱をつけずに平板に話していては、かえって言いたいことが明確に伝わらないうえに、相手の興味を失わせかねないからだ。

話のデフォルメの勘所は3つある。

①一番強調したいことを具体的に話す

②①以外は思い切った省略を行い、一番強調したいことに集中させる

③若干の誇張をする。
たとえば「昨日、きれいな人に会った」というフレーズは、「昨日、モデルのようなとてもきれいな人に会った」というようにする

(つづく)

語り部の演出力(3)

2016-11-26 11:14:39 | Library
話の切り出しも大事だが、話の結び方も重要である。
この結びとは、結論と結びついて最後に話す部分である。
切り出しで相手を引きつけ、結びで聞いてよかった、感動した、また聞きたいなどと、次も期待を持たせるように、相手に好印象を与えて。話を終えられれば最高だ。
具体的には、次のような結び方を状況に応じて、使い分ける。

①全体を要約する

②決意や誓いの言葉を言う

③助力や協力を求める

④余韻を残して結ぶ

(つづく)