忘備録の泉

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労働協約(3)

2017-06-14 09:11:41 | Library
様々な労働協約
古くからある労働組合では、使用者との間で、包括的な労働契約を締結しているところが少なくない。
これは、就業規則と同様にすべての労働条件について取り決めたり、組合員の範囲や組合活動のルールなどを全般的に取り決めたものである。
大きな組合では、これを一冊の小冊子にして、組合員に配布しているところもある。

しかし、個々の問題についての取り決めも、それが書面化されていれば、立派な労働協約だ。
例えば、毎年春闘で決められる賃上げ率や、一時金の支給水準についての合意もそうである。

労働条件についての労働協約
労働条件を定めた労働協約には、規範的効力が生ずる。
賃金・退職金・労働時間・休憩・休日・人事・懲戒・解雇・労働安全衛生・災害補償・福利厚生などは、いずれも労働条件に関するものとして、労働協約の対象となる。

組合員を解雇したり、配転等の人事異動をする場合に、事前に労働組合と協議したり、労働組合の同意を得たうえでこれを実施することを定めた労働協約を結ぶことがある。
また、事業場の閉鎖や合併、事業譲渡などの企業再編に際して、事前に労働組合との協議、同意を経ることを定めた労働協約も結ばれることがある。
これらの労働協約は、使用者の恣意的な人事権の行使を抑制したり、組合員の雇用、労働条件を維持するうえで、極めて重要だ。
このような労働協約が結ばれている場合、労働組合との協議を経ずに行われた解雇などは、そのことのみを理由として無効と判断される。
「東京金属ほか1社事件」(水戸地下妻支決平15.6.16)

(つづく)

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