天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画2024】「あまろっく」@24作目

2024年05月02日 | 映画感想
「あまろっく」

兵庫県尼崎市を舞台に繰り広げられる人情劇。所謂「ご当地映画」というジャンルですね。出演役者さんも関西出身者で固めたそうです。
タイトルの「あまろっく」は「尼崎閘門(あまがさきこうもん)」のニックネームで(閘門の事を英語でLockGateと呼ぶ事から)、更に閘門というのは運河よりも海の水位の方が高い場合、海水が運河に逆流しないように2つの門を設けて水位調整をしながら船などを通すようにする為の門で、コレがある事で台風などで更に海水位が上がったりした場合に水害等から守ってくれるという重要な機能があります。

あらすじ
39歳の近松優子(江口のりこ)は仕事に情熱を注いで生きてきたが、理不尽なリストラで失業して以来、実家でニートのように暮らしている。一方、優子の父で町工場を営む竜太郎(笑福亭鶴瓶)は、「人生に起こることは何でも楽しまな」を口癖に近所の住民たちと面白おかしく毎日を過ごしていた。ある日、竜太郎が再婚すると言って20歳の早希(中条あやみ)を優子に紹介する。優子は19歳年下の義母を受け入れられないまま、3人での共同生活を送り始める。(Yahoo!検索情報から丸パク)

正直、大して期待もしてなくて(ヲイ)たまたまヒマで丁度いい時間で観られる映画が本作だった、というだけで鑑賞したんですが。
江口のりこさんのやさぐれキャラが最高ですよね!イラ付いていて不機嫌でちょっと顔を背け気味にして悪態ついてるんだけど、ちょっとだけ泣きそうな表情なのが絶妙過ぎて…本作の優子というキャラにハマり過ぎていてだんだん愛おしくなって来るんですよ。いや明らかに段々愛おしく見えるように演技しているんですよね天才だなぁ!
更に優子と丁々発止する嫁の早希を演じる中条あやみちゃんのキャラも良かったわ。優子に初手からガツンと意地悪言われるんだけどメソメソしながら鶴瓶師匠にクネクネすり寄るのかと思いきや、胸張ってガッツリ言い返してて優子タジタジって感じでスカッとするw

ところで本作の予告編は何度か観ていたので大体のあらすじは分かっていたんですが、予告編を観ても映画ポスターを観ても笑福亭鶴瓶師匠が本作の主人公で、気難しい独身年増の娘と明るいだけが取り柄みたいな20歳プリプリ女子の嫁の間を上手く漂って笑いと涙で引っ掻き回すどたばたコメディ人情劇なんだね、と思い込んで観始めて…結構序盤で全く想像外のトンデモ展開になったので「はあぁぁぁ!?」ってなったわ(滝汗

話はココからが本番、って感じ。
自分が思ってたんと全然違う展開だったけど、それが良かった。まるで水と油のように見えた優子と早希だけど、なんだかんだでお互い心配し合ってジリジリと心の距離が詰まって行く感じが凄く観ていて気持ちがいい。お互いが思いやり合うからこその気持ちのすれ違いもあるんだけど、そういうエピソードすら愛おしい。
それから脇を固めるキャラも皆んないい感じだったなー。おでん屋台の兄ちゃんを駿河太郎さんが演じられていて(直接絡みはないけど作品内親子共演ですな♪)ずっと優子に寄り添って励ましていて、あーコレはお見合い相手とすったもんだの末に結局一番傍にいたおでん屋の兄ちゃんの愛に気付いて大団円のパターンなんやね♪って思いながら生温~い気持ちで観てたら全然結末が違っててある意味肩透かし感エグかったわw

劇中で何度も「俺はこの家の尼ロックなんや」というセリフが出て来たり、いつも何もしないでニヤニヤしながら街の中を歩き回ってるだけに見えた父・竜太郎の過去のトラウマ(阪神大震災ネタ)等、思いっきり尼崎に寄り添っている…嫌な言い方すれば「ちょっとあざとい」んですが、コレは演者さん達のお人柄の良さに救われていると思いますね。見え透いてると思いつつもしんみりしたりホッコリしたり、結局どっぷりこの世界観に浸かってる自分がいる、という感じでw

「ご当地映画」ってカテゴライズしちゃうとその地方に縁のない方が「あー、自分関係ないしなー」って避けちゃう傾向があると思うんだけど、本作確かにご当地モノではあるものの普通に人情モノ映画として誰が観てもいい気持ちにさせて貰えるステキな作りの作品ですので、好き嫌いしないでたまにはこういう作品観て疲れた心を癒されちゃって欲しいですね😊

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