この夏読んだ一冊です。このタイトルと表紙のイラストを見てオヤと思った方は多いでしょう。私も小学生の頃愛読したコロボックルシリーズと作者の佐藤さとるさんに敬意を表し、作家の有川浩氏が書いた続編というか、番外編のようなものです。
原作が好きで映画化されたものなどを見ると、自分の思い描いていた世界観の違いにガッカリすることがあります。今回のような場合もそうなるのではないかという、一抹の不安がありましたが、全くの杞憂でした。原作の世界が生き生きと現代に舞い戻ったようで、久々に一気読みしました。
物語の中で印象に残った台詞をひとつ。「ニンゲンハ、ジブンガ ミタイモノシカ ミナイ。」
コロボックル(小人です)がマスコミのカメラなどに見つかってしまうのではないかと心配した主人公に向かって、そんなことは起きないと、コロボックルのハリーが言った言葉です。すごく真実を突いた言葉だと思います。
ちょっと話は違いますが、演奏をしていても、このパートの動きを聞かなくてはとそこだけに集中すると、その他のパートに耳がいかないことがあります。そういうことが起きないよう、広い視野ならぬ聴野(?)を育みたいものです。