今年最後の定期演奏会。コロナ感染者増加の中どうなるかと思っていましたが、舞台から見た客席はほぼ埋まっており、盛況のうちに終えることができました。ご来場下さいました皆様、ありがとうございました!
何と言ってもオピッツ氏の演奏は素晴らしく、どうしたらこんなに力みのないベートーヴェンを演奏できるのか、不思議でたまりません。決して力強さを欠くことなく、同時に優しく、あたたかい。あの肖像画や運命のモチーフから、どうしても「闘う人」のイメージが強いベートーヴェンですが、多くの苦しみや哀しみを抱えてきたからこそ、人の気持ちに寄り添える音楽をかけたのだと、改めて教えられました。コロナ禍に苦しんだ今年がメモリアルイヤーだったのも、偶然ではなかったような気がした演奏会でした。