駅前不動産屋今日も回りは敵だらけ

株式会社 ハウスショップ 東京都町田市

時代が変わったと諦めましょう

2016年10月11日 | お客色々
今の時代では信じられない事ですが 
 
私が若い頃はお客様の家に車で商談に行って 
 
話しがまとまればビールを出される 
 
そんな事がよくありました。 
 
今にすれば飲酒運転ですが 
 
ビールの2~3杯は検問でもOKだったのです。 
 
実際私は駅前の居酒屋でお客様と打ち合わせをして 
 
ビールを1本だけ飲んで帰る途中 
 
取り締まりにひっかかり 
 
風船を膨らまされ検査された事がありますが 
 
セーフでした。 
 
それから時代は変わり 
 
今は運転手に酒を勧める人もいなければ 
 
飲む人もほとんどいません。 
 
当社で言えば飲酒運転をすれば即刻解雇 
 
社員にはそう言っています。 
 
そんな感じで 
 
今の世の中は飲酒運転は犯罪 
 
そんな意識が浸透していますが 
 
30年前は今とは違い随分緩かった訳です。 
 
この話しは酒だけの話しではありません。 
 
法律やマナー全般に当時と比べると全く別世界になっています。 
 
当時は飛行機でも新幹線でも喫煙OKなんて時代でした。 
 
しかし法律やマナーは時代と共に厳しくなっても 
 
それに従えば良いだけの話しですが 
 
私達の仕事ではやっかいな事があります。 
 
それは建築に関する法規制 
 
これも時代と共に厳しくなる一方です。 
 
そして 
 
不動産はやっかいな事に 
 
長期にわたって存在しますから 
 
時代が変わっても建物は残るって事です。 
 
って事は 
 
当時はしっかり建築確認をとって合法的に作られた建物でも 
 
今の時代ではアウト 
 
そんなケースがたくさんあります。 
 
例えば玉石の擁壁ですね。 
 
昔は目視で問題なければ擁壁として認めらた訳ですが 
 
今はすべてやり直しです。 
 
って事は 
 
所有者に取っては 
 
購入した時には全く予期しなかった出費が発生する訳です。 
 
また法的には問題がなくても 
 
顧客の意識が変化し 
 
元の価値より大きく評価が下がる 
 
こんな不動産も増えてきました。 
 
例えば専用通路を共同で利用してるとか 
 
あるいは他人の敷地を通って水道管が敷設されてるとか 
 
昔であればお互い様で済んでた話しが 
 
今は悉くアウトです。 
 
ですから 
 
その時代の変化を知らないお客様は 
 
不動産を売ろうとすると 
 
どこの不動産屋も厳しい話しばかりするので 
 
嫌気が差す 
 
そんな人も多いのだろうと思います。 
 
気の毒ですが 
 
時代の変化は負担が重くなる 
 
こう割り切って諦めてもらうしかありませんね。 
 
しかしこの変化 
 
どこまで行くんでしょうね 
 
分かりませんが 
 
すでに私の若い頃には夢想だにしなかった事が起ってますよね。 
 
それは不動産の価値が減るどころかマイナス 
 
こんな事が現実に起る訳です。 
 
例えば豊洲の移転問題の根本原因の土壌汚染 
 
昔は土壌汚染なんて言葉も無かったのですが 
 
今はガソリンスタンドの跡地だとか 
 
あるいは工場跡地 
 
地価が元々安い地域では 
 
この処理費用が価格を上回る 
 
なんて事が起ってる訳です。  
 
場所によっては土地の価格より 
 
整地費用の方が高い 
 
なんて所も出てきています。 
 
つまり 
 
不動産を手放すにはお金がかかるって訳です。 
 
そんな事を考えると 
 
不動産その物の意味も 
 
私達が若い頃とは随分変わった事が分かります。 
 
私がこの世界に入った頃は 
 
列島改造ブームの余韻がまだ残っていました。 
 
お客様がよく 
 
千葉にも土地を買って持ってるんだけど 
 
なんて自慢してました。 
 
この投資目的で買った遠隔地 
 
悉く裏目に出ましたね。 
 
今でも売ってくれないか? 
 
なんて相談に来られる方がいますが 
 
残念ながらお力になれません。 
 
不動産は報酬が決まってますから 
 
例えば100万円の土地を売っても5万円の仲介料となります。 
 
売るためには往復1万円の交通費をかけて何度も行く事になりますので 
 
すぐに赤字となります。 
 
ですから体よくお断りする訳ですが 
 
しかし実際には断るまでもなく相手が激怒 
 
なんて事もあります。 
 
まぁ激怒する気持ちも分かりますね。 
 
1500万で買った土地が100万なんて言われては・・・ 
 
ですから 
 
私達は最初から相場が分からないので 
 
地元の不動産屋に任せるようにお願いする訳です。 
 
そしたらそれでも怒った方がいましたね。 
 
交通費がいくらかかると思ってるんだ? 
 
って 
 
ご自分の交通費が気になるのであれば 
 
私達の交通費にも思いを巡らして欲しかった 
 
なんて心で思いましたが 
 
深々と頭を下げてお詫びしました 
 
なんせ大変な損害ですからね 
 
湧いてくるのは怒りより同情心の方が勝る訳です。 
 
 
コメント
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