地方に住む家主さんが数年ぶりに来店しました。
もう当社とお付き合いいただいて15年になります
この家主さん
今はリタイヤしていますが
サラリーマンをしながら自宅以外に2軒の貸家を購入しました。
どうしてそんな事ができたのか?
それは理由が二つあります。
結婚しなかったために生活費がかからなかった事と
徹底的に倹約したからです。
昨日も愛知県から電車でやってきましたが
着ているものは薄汚れた作業着
そしてなんと普通電車で町田までやってきたそうです。
普通
いくら財産を残しても
子供がいないのであればあまり意味がないのでは?
と考えますよね。
失礼ながら私もそう思っていました。
昨日まで・・・・
でも私の考えは間違っていました・・・・
その方が当社にやってきたのは入居者が退去したため
その後のリフォームの打ち合わせをするためです。
で私は一緒に物件まで行きました。
するとその家主
退去した後のその家をなめまわすように見はじめました。
そして
自分で
直さなければ行けない箇所を入念にチチェックしました。
傷んだ箇所を手でなでながら・・・・・
しばらく無言でその様子を観察し
私は思いました。
この人にとっては
このボロ家が子どもなんです。
愛情をそそぐ唯一の対象なんです。
つまり
自分が死んだあと相続する人がいるとかいないとか
そんな事は関係ないんです。
そしてしばらくして
その家主が
社長さん
私・・・しばらくここにいたいのですがいいですか?
と言いました。
リフォーム前のまだ汚い状態の家なのに・・・・
私は
どうぞお好きなだけいて下さい
お電話いただければお迎えに上がりますので
迎えは結構です。
何時になるか分からないし
私携帯を持っていませんから。
私はそこで頭を下げ会社に戻りました。
これから担当者社員がリフォームの打ち合わせに入ります。
そして私は
その担当社員が
その人の心情が読めず
事務的な冷たい仕事をするのでは?
と心配になります。
あの松の木はとっとと切ってしまいましょう
とかナントカ
その家主
大きくなった松の木をいっしょうけんめい撫でてましたよ。
雨に打たれながら・・・・・
きっと
何か思い出があるはずです。
読んでる?
○田・・・・・