死んだら談志2024

水仙花死んだら談志完成す
回文俳句&吾郎関連の諸事雑事
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回文は行く その二百四十五

2006年08月06日 19時36分58秒 | Weblog

逆手に干ばつ満つ晩夏にて傘

旅はおもしろい。
が、期間限定のため、やはり過剰な行動をしてしまう。
食べることもしかり。大阪、食い倒れ。
ハンバーグフライ定食ご飯お替わり自由、
ヘルシーモーニングバイキング、
ビフカツカレー、浪速うどん、鯖寿司‥‥
一泊二日で結局これだけしか喰えなかった。

新幹線の時間に追われ、じゃんじゃん横丁で
タイムアップ寸前に入った立ち食いうどん屋。
客は、もり蕎麦を喰うヤセメガネ、カレーうどんに向かうヤンキーの二人。
‥‥蕎麦とは珍しいな、やっぱり浪速はうどんやろ、
そやけどカレーは熱すぎるし‥‥ということで。
「昆布うどんください、あ、天ぷらもいれて」
怪訝そうな顔をしたおばちゃん、「一緒にいれてええの?」
「はい」‥‥まずい、頼み方をしくじったか‥‥。
しかし、おばちゃんは、茹でたうどんに小袋に分けたとろろ昆布をいれて、
さっさか薄い天ぷらを載せる。
「はい、おまちどう。280円」
「安!」‥‥‥ほ、よかった。
と、蕎麦を喰い終わりかけたメガネが
「こっちも天ぷらうどん・・」
おばちゃん、やっぱりという顔で、
「ほら言うたやろ、蕎麦だけやと足りんて。熱いのにする?」
無言でうなずくメガネ。
細い外見に似合わず食の太い大阪人。さすがである。
隣ではカレーを汁まで飲み干した兄ちゃんが
一瞬天ぷらうどんに視線をやりながらも
「ごっつぉさん」と出て行った。

そのころ、280円也の丼の小宇宙では、
出汁を全身に染ませふやけ始めた天ぷらと
異常に膨らんだ昆布と、
うねる白いうどんが、
渾然一体としたゲル状態に向かっていたことを
私は知る由もない。


冷凍トイレ
懐炉エロいか
コメント
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