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日本遺族通信 平成23年3月15日号 遺書と九段短歌

2011年03月24日 00時59分53秒 | 日本遺族通信

 
                平成23年3月 靖国神社社頭に掲示された遺書
                 神奈川県出身 海軍少佐 高野 興三郎 様 (39歳)
                     昭和20年3月17日 硫黄島にて戦死 合掌

この度、初めて家族ではなく上官に宛てたお手紙でした。
この 「硫黄島からの近況報告」 が最後となりましたお方の一部を転載してご紹介させて頂きます。
拝啓、無事ご帰還の事と遙察致して居ります。
新聞で既に御覧の通り、司令が退隊されて3日後の大挙空襲に際し、味方指揮官がBー24に体当たりを敢行、見事1機撃墜致しました。
思はずあの指揮所から万歳を絶叫しました。
司令退任前、是非一度お見せしたかったと語り合って居ります。
       (中  略)
先夜は又、第二照射空隊が見事照射捕捉して司令官より色紙を賜る等、各部共次第に技量の向上を認められ、之全く和智司令の御教訓を旨とし精進したる賜物と、只々感謝致して居ります。
北○○島にも近くMG増勢の予定にて、最早出発準備完了致して居ります。
先ずは、近況御報告迄で。
  11月3日                                  高野興三郎
  和智大佐殿
        机下
最後の手紙となりました「近況報告」を綴りながら複雑な思いが致します。
悲惨な戦場と化した硫黄島での過酷な戦い、戦争は残酷です。
高野様のご冥福をお祈り申し上げます。
この度の 「洋上慰霊」 に於きまして硫黄島及び小笠原諸島近海に眠るご英霊の追悼式を行い、御霊安かれとお祈り申し上げました。
私の先生が詠まれた歌です。
    硫黄島右舷に見つつ湧く涙 潜水艦に影の似てゐて

 
             船上の慰霊祭斎場                         海に白菊を捧げて

今号にも全国から鎮魂の歌が寄せられておりますのでご紹介させていただきます。
ご一読頂ければ幸に存じます。
    亡き父に必ず会へると言ひ残し母は次の日永き旅路に       さいたま市 女性遺児
    有難く今年も年賀出されしはみたまのおかげ二人分生く           米子市 女性遺児
    父戦死母早世を報らす雨二人の妹と強く生き抜く             加古川市 男性遺児
    木洩れ日を踏みつつ訪へる夫の墓そっと散る葉のわが肩を撫づ        横手市 妻
    在りし日の好物と聞けば戦死せし父に供へるバレンタインチョコ       青森県 女性遺児
    夢に見し父の広ごる大きな手セピア色と化す写し絵にまみえむ        大阪市 女性遺児
    日の丸の小旗振りての見送りが永久の別れになるや悲しき             丹後市 男性遺児
    比島より帰らぬ父を今も待つ母も妹も逝きて淋しき          名古屋市 女性遺児
    國の為兄は立派に戦死とげ國を離れて早七十年             京都市 男性遺族
    手をあはせ父に感謝を平和にと自衛隊機が空高く飛ぶ         名古屋市 女性遺児
    孫が問う散華し父との幼き日語りつ祈る永久なる平和          尾道市 男性遺児
    年の瀬に洋上慰霊の「参加許可」届きぬその文字確かめ見つむ      千葉市 私

コメント (8)
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