ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

78年前

2023-03-10 08:02:45 | 日記
3月10日。
78年前、東京大空襲で10万人もの人が殺されました。
兵士ではない民間人の大人も乳飲み子まで殺されました。
東京の亀戸天神近くに住んでいた長姉は、軽傷ではありましたが全身に火傷を負って避難してきました。
その時の状況をあまり語らない姉でした。
多分、地獄を見たのでしょう。

その年の8月15日、日本は太平洋戦争に敗戦。
敗戦国ですから「訴えること」などできませんが、都市への空爆は広島・長崎への原爆投下同様、人道に対する犯罪であったと私は今も思っています。
私の住む地方都市も4月に空爆を受け、多数の犠牲者を出しています。
私も怖い目に遭いました。

日本も、敗戦国とはいえ大陸で南の島々で爆弾を落としています。
住民も殺戮。
戦争とは、敵であれ味方であれ「非道且つ残虐」な行為です。
たとえ、「正義のため」という修飾語が付いたとしても。

『ぼうさまになったからす』
       (松谷みよ子 文・司修 絵)
すこしむかし、からすがたくさんいる村があった。
山にも、たんぼにも、りんごえんにも、そりゃぁいっぱいからすがいた。
ある年、戦争がおこった。
戦争は何年もつづき、村の男たちは戦いに出ていった。
出ていった男たちは、つぎつぎと死んでいった。
海のむこうの大陸で、南の島で。

ある日、村のひとが、ふと気がついたら あれほどいた からすがいない。
りんごえんにも たんぼにも一羽もいない。
どこへいっちまっただ からすは―――。
すると、ひとりのばあさまがいうた。
おらぁしってるだ。からすは おとむらいにいっただよ、海をこえてなあ。

え、おとむらいに?
ああよ。からすは ぼうさまになって、おとむらいにいっただよ。
おらのむすこのところへ、たしかにいっただよ。
おまえのていしゅのところへも。
おまえのあにさのところへも―――。
むすこが死んでも、なみだぁだせねえ、ていしゅが死んでも、なみだぁだせねえ、おらたちのかわりに、からすは いってくれただよ。
ひとつひとつのおはかに、おきょうをあげてくれただよ。

いま、その村のりんごえんに、たんぼに、からすはむかしのように、むれている。
せんそうが、おわったから―――。

からすよ、二度と、海をこえるな。

松谷みよ子さんは、信州上田へ民話採訪に行った際、上田の図書館長さんから この話を聞いて、絵本にまとめたそうです。
松谷みよ子さんの多くの著書から、私は、ものがたりでしか語れない「真実」について、たくさん教えられました。

   

今日は、ゴミ収集日なので朝から、カラスの声がしています。
カラスに海を越えさせてはいけない。
自国、他国を問わず、ふるさとを戦場にしてはいけない。
たとえ、「頭がお花畑」と言われようが、国際紛争を武力で解決しないという憲法を守って行きたいというのが私の願いです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【いっぱいの春】に寄せて、 | トップ | お願いです。再稼働はさせな... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事