五月晴れ。
見事、としか言いようもない「晴れ」の日でした。
お天気屋の私は、こんな晴れの日ですと、誰にでも、
「こんにちは いい日ですね」
と言いたくなるのです。
耳目に入って来るニュースも、明るい文字、クリアな映像が目に留まって。
本日、私の心が晴れやかなのは、昨日、お彼岸に行けなかった墓参を済ませ、心
が穏やかになっているせいなのです。
「穏やか」と言うより「鎮まって」いると表現した方がいいかもしれません。
福島県立博物館館長だった赤坂憲雄先生から伺った話を思い出します。
以前、このブログにもアップしたことがありますが、その一部を再掲いたします。
【鎮まる】。
いい言葉です。やさしいことばです。
真夏の陽気でしたが、若葉の緑がまだ柔らかいので、まだ、春が居残っていま
した。
見上げる梢の奥に広がっている空は、海です。
波の音も聞こえます。
サックスの音色も。
3年前、福島県立博物館の赤坂憲雄館長から伺った話しを思い出しました。
館長は、「東日本大震災復興構想会議」の委員に就かれていらっしゃっていて、
南相馬市方面を視察した時の状況を、動画を見せていただきながら、お聞きし
たことです。
『高台に、被害を受けずに残っている神社などが、
車窓を通して瓦礫の向こうに見え隠れしていました。
貝塚も被災しませんでした。
津波は、あの高さまでは押し寄せなかったのです。
そこは、縄文からの知恵が息づいていたのでしょう。
明治になって、干拓や埋め立てをした場所は津波被害に遭ったようです。
自然現象を、自らのスパンで制圧しょうという私たちの思い上がりに、
少なからず反省させられました。』
と、穏やかな口調で話されたのです。
そして、『再生』のためには、
〈死んだ者の魂を鎮めること〉
〈その死に対して、生き残ったものは、きっちりと向かい合うこと〉
が大切とも語られたのです。
私は深く共鳴したのでした。
死者の魂を鎮めることは、生きている者の魂をも鎮めることになるのでしょう。
【鎮まる】
いい言葉です。やさしいことばです。
手持ちの知識では納得のいかないことが多くとも、 まずは、生きているもの
が鎮まらなければいけないのでしょう。
死んだ者たちの、声にならない思いに、耳を傾けてみなければいけないのでし
ょう。
【鎮める】
生と死を一線で区切ってしまうことなどできません。
今、生きているものだけを、それだけが存在のすべてのように捉えてはいけな
いのです。
「五月晴れ」は明る過ぎるせいか、心が、過ぎ去って時へ向かいがちです。
見せて頂いた『海辺の慰霊祭』の映像に、胸がいっぱいになったことも思い出
しました。
沢山のいのちが津波に飲み込まれた海辺での慰霊祭でした。
あの時、坂田明氏のサックス、「ふるさと・浜辺の歌」が、空と海とに、溶け
こんで行ったのです
波にさらわれた数多くの方々へも届いたはずです。
【鎮める・鎮まる】
若葉の奥に広がる海から、「ふるさと・浜辺の歌」が聞こえました。
私の心が「鎮まった」のでしょうか。
見事、としか言いようもない「晴れ」の日でした。
お天気屋の私は、こんな晴れの日ですと、誰にでも、
「こんにちは いい日ですね」
と言いたくなるのです。
耳目に入って来るニュースも、明るい文字、クリアな映像が目に留まって。
本日、私の心が晴れやかなのは、昨日、お彼岸に行けなかった墓参を済ませ、心
が穏やかになっているせいなのです。
「穏やか」と言うより「鎮まって」いると表現した方がいいかもしれません。
福島県立博物館館長だった赤坂憲雄先生から伺った話を思い出します。
以前、このブログにもアップしたことがありますが、その一部を再掲いたします。
【鎮まる】。
いい言葉です。やさしいことばです。
真夏の陽気でしたが、若葉の緑がまだ柔らかいので、まだ、春が居残っていま
した。
見上げる梢の奥に広がっている空は、海です。
波の音も聞こえます。
サックスの音色も。
3年前、福島県立博物館の赤坂憲雄館長から伺った話しを思い出しました。
館長は、「東日本大震災復興構想会議」の委員に就かれていらっしゃっていて、
南相馬市方面を視察した時の状況を、動画を見せていただきながら、お聞きし
たことです。
『高台に、被害を受けずに残っている神社などが、
車窓を通して瓦礫の向こうに見え隠れしていました。
貝塚も被災しませんでした。
津波は、あの高さまでは押し寄せなかったのです。
そこは、縄文からの知恵が息づいていたのでしょう。
明治になって、干拓や埋め立てをした場所は津波被害に遭ったようです。
自然現象を、自らのスパンで制圧しょうという私たちの思い上がりに、
少なからず反省させられました。』
と、穏やかな口調で話されたのです。
そして、『再生』のためには、
〈死んだ者の魂を鎮めること〉
〈その死に対して、生き残ったものは、きっちりと向かい合うこと〉
が大切とも語られたのです。
私は深く共鳴したのでした。
死者の魂を鎮めることは、生きている者の魂をも鎮めることになるのでしょう。
【鎮まる】
いい言葉です。やさしいことばです。
手持ちの知識では納得のいかないことが多くとも、 まずは、生きているもの
が鎮まらなければいけないのでしょう。
死んだ者たちの、声にならない思いに、耳を傾けてみなければいけないのでし
ょう。
【鎮める】
生と死を一線で区切ってしまうことなどできません。
今、生きているものだけを、それだけが存在のすべてのように捉えてはいけな
いのです。
「五月晴れ」は明る過ぎるせいか、心が、過ぎ去って時へ向かいがちです。
見せて頂いた『海辺の慰霊祭』の映像に、胸がいっぱいになったことも思い出
しました。
沢山のいのちが津波に飲み込まれた海辺での慰霊祭でした。
あの時、坂田明氏のサックス、「ふるさと・浜辺の歌」が、空と海とに、溶け
こんで行ったのです
波にさらわれた数多くの方々へも届いたはずです。
【鎮める・鎮まる】
若葉の奥に広がる海から、「ふるさと・浜辺の歌」が聞こえました。
私の心が「鎮まった」のでしょうか。