新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

フランス・メッス⑯ 「平和」を祈るシャガールの圧倒的な大ステンドグラスは、愛にあふれていた。

2021-01-16 | フランス・メッス

 目的の礼拝堂が見えてきた。でも、特に目立った特徴もない、普通のこじんまりした礼拝堂。

 ただ、建物の窓だけがやけに大きいといった印象だ。

その大きな窓が、そっくりシャガールのステンドグラスだったことが、入ってみて初めて分かった。

 とにかく大きい。床面から天井まで高さ12mという、シャガール自身にとっても最大の作品がそこにあった。タイトルは「平和」。

 実はこの町に来る時、標準レンズをホテルに置き忘れてしまったことに、ここで気付いた。持ってきた望遠レンズではこのステンドグラス全体が1枚の写真に収まらない。上の写真が、部屋の一番後ろから撮った精一杯のものだ。

 なので、部分的に見て行こう。最上部には、多くの人達が様々な形で動いている。日常の営みなのかも。

 その中で、左側には十字架に架けられたキリストの姿がある。

 中央部は、大きな赤い花束によって囲まれている。

 花束の中心にいるのが、2人の男女。抱きあい愛を語っているかのようだ。これが「平和」の象徴なのだろう。

 花束の下部。茎の部分の緑が映えており、全体を引き締める役割を果たしている。

 その傍ら左側には、馬に乗った人の行列がある。平和の行進(!)この辺りのブルーは目の覚めるような明るさだ。

 ステンドグラスの手前にガラスのテーブルがあった。

 近づいてみると、そのテーブルに抱きあう2人がきれいに映し出されていた。

こんな形で、メッスとサルブールにシャガールを訪ねる旅は終わりを告げた。寒い冬の真っただ中だったが、シャガールのステンドグラスは人の心をほっこりとさせる温かみにあふれたものだった。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランス・メッス⑮ シャガールマジックを求めてメッスからサルブールへ

2021-01-12 | フランス・メッス

 メッスで電車に乗り、サルブールへ向かった。サルブールにはシャガールによって製作された最大のステンドグラスがある。

 電車で50分、サルブールは小さな町だ。駅から歩いてフランシスコ会礼拝堂を目指した。

この礼拝堂は12世紀に修道院として建設されたが、度重なる戦禍に遭遇してきた。このため1970年には破壊された修道院の大半はあきらめ。礼拝堂だけを修復することにした。

その際、町は礼拝堂の開口部全体にステンドグラスを施すという大胆な構想を抱き、国を通じてシャガールに制作を依頼した。

こうして完成したのが床面から天井まで高さ12mという大型ステンドグラスだった。

この地は1870年普仏戦争でドイツ領となり、第一次世界大戦ではフランス領に、さらに第二次世界大戦時にドイツに併合されたが、戦後またフランスに戻るといった攻防の地だった。

そこでシャガールは恒久の平和を願うステンドグラスとして、「平和」というタイトルの作品を完成させた。

 礼拝堂への途中、小規模のシャガール美術館があった。そこでまずここに入った。入るとすぐの空間にあったのが大きなタピストリー。これも「平和」のタイトルがついていた。

 右側部分には様々な形で平和をかみしめる人達の姿が、自由奔放に描かれている。

 彼の代表作の1つである「結婚式」のレプリカも飾られていた。

 さらにまるで漫画のようなイラストも。

曲がり角の隅の壁面にも、ちょこん、といった感じで絵が。

 ここには1枚の絵があるが、

 その左側には2つの小さな作品が添えられていて、

 さらに、右側にも2つ。沢山の楽器が合わさって奏でられる音楽のメロディが聞こえてきそうだ。こんな遊び心満点の作品展示が随所に見られて、わくわく。

 シャガールの人間味あふれる一面がこの美術館に展開されているのかも、と納得しながら館内を回った。

 通りに出ると、道路正面には壁全体に絵が描かれた家があるのも見つけた。

なんか楽しい気分にウキウキしながら大ステンドグラスのある礼拝堂へと向かった。

ただ、1つ気が付いたことがあった。肩に架けたバッグがいつもより少しだけ軽いなあ・・・。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランス・メッス⑭ 日本人建築家設計のポンピドーセンター・メッス館へ。ただ、悪天候で・・・。

2021-01-09 | フランス・メッス

 翌日、駅前通りを歩いてポンピドーセンターのメッス館に向かった。

 駅前通りは都会的なたたずまい。メッス館は、パリにあるポンピドーセンターの分館として建設された近現代の美術を展示する美術館だ。

 この日は残念ながらどんよりの曇り空で、白い屋根と空とが区別しにい色になってしまって、その美しさがわかりにくかった。

 中に入ると、こんな風に気を組み合わせたアーチが建物を覆っている。実はこの建築は日本人の坂茂の設計だ。

とても印象的だったのが、2階から見た街の景色。まるで額縁に入った一服の絵のような感じだった。

こんな影を含めた姿もgoodだ。

1階にはここで催された企画展やイベントのいろいろが。

玄関付近の屋根を見ると、柱がアーチを描いていた。

 右後方には昨日訪れた大聖堂がそびえている。

 中央の高い塔のあるのが駅舎だ。

 もう時間がない。フランス国旗のはためくセンターに名残を惜しみながらも急いで駅に走った。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランス・メッス⑬ 帰り道、クリスマスマーケットでホットワイン。飲みながら帰途を急いだ。

2021-01-05 | フランス・メッス

 帰る途中クリスマスマーケットに出会った。さすがに雨の中だけに人は少なかったが、店は開いていた。

 クリスマスグッズが沢山。

 なかには聖人像のミニチュアなども。やはりクリスチャンの国なんだ、と納得。

メリーゴーランドもあったが、雨の夜は開店休業状態だった。

各種ジュース類もズラリと並んでいたが、店員さんはひまを持て余してか、携帯で通話中。

 だけど、ホットワインの店には結構たくさんの人が集まっていて。やっぱり寒い夜はジュースよりはワインだよね。

 大きなプリッツェルも店頭にぶら下がっていた。私はホットワインと小さなプリッツェル1個を購入して、もぐもぐしながら夜道を歩いた。

 駅に通じる地下道。ここをくぐればホテルはもうすぐ。

ホテル近くにはちょっとしたイルミネーションがあって、しばし寒さを忘れさせてくれた。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランス・メッス⑫ 「光の街グランプリ」受賞の、優しくほんのりしたメッスのライトアップ

2021-01-02 | フランス・メッス

あけましておめでとうございます。散々だった一年がやっと明けました。まだまだコロナ問題は続きそうですが、春過ぎにはこれまでの生活に戻れるような状態になることを期待して毎日を過ごして行きたいと思っています。

私のブログは、さすがに海外の記録は少なくなりますが、それでも旅、散歩の徒然を綴っていきたいと思っています。変わらずよろしくお願いします。

 メッスの帰り道。街の通りにもイルミネーションが施されている。右下の横断歩道の標識が可愛らしい。

 車のライトによって、前を歩くカップルの足元が照らし出された。濡れた歩道に影が映る。

樹木のようなイルミネーション。後方に大聖堂の明かりが漏れる。

こんな変わった照明を施した店も。

 大通りでは白と青のボンボンが夜空を彩る。

メッスは2007年に国立ストリートアートアカデミーから「光の街グランプリ」を受賞しており、全く派手派手ではないけれどもライトアップに関しては先進市といえそうだ。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする