新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

彫刻の森美術館⑪ なかなか出会えない絶景の富士山に遭遇できた

2020-05-26 | 箱根・彫刻の森美術館

 美術館を出た後、富士山をしっかり見るために大涌谷に行くことにした。

 やっと再開したロープウエイに乗って谷を越える。

 大涌谷の全景。荒涼とした風景だ。

 谷底付近では煙が湧き出ている。

 近づいてのぞいてみると、煙もうもう。周辺は硫黄のせいか黄色く変色している。

 さて、本題の富士山。全体を手前の駐車場越しに眺めてみる。晴天で風も強かったので、見事な円錐形がそっくりそのまま鮮やかに眺められる。

 ズームを使って少し引き寄せてみた。山頂を雪が覆って素晴らしい光景だ。

 裾野の部分は青く映り、白とブルーとのコントラストも凄い。

 さらにアップしてみた。左側のくぼみは1707年の宝永噴火によってできた宝永火口だ。

 到着した時は山頂付近に雲がかかっていたが間もなく消えてくれた。まさに季節、天気などがマッチして最高に美しい富士山の一風景に出会えて思い出深い一日になった。

 

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彫刻の森美術館⑩ 最後はブールデルとブランクーシ。快い疲労感と充実感

2020-05-23 | 箱根・彫刻の森美術館

 「抱擁」。ブロンズの2つの体が光を浴びて輝いている。サンティアゴ・エルナンデス作。

 長身の二人が伸びやかに抱きあう姿は、精神の解放にピッタリの気分だ。

 野外彫刻巡りも終わりに近づいた来た。ブールデルの4体の巨大な像が見えてきた。

 左から力、勝利、自由、雄弁と並ぶ。アルゼンチン共和国建国の父アルヴェアル将軍の理想と業績をシンボル化して表現したものという。

 「力」は張り詰めたようなその肉体が、力を発散させているし、

 「自由」は大きく輪を描く髪型が、奔放さを示しているように見える。

 最後はブランクーシの「接吻」。このバージョンは今年改装オープンした東京のアーティゾン美術館にもあったはず。3月に予約したが、新型コロナの影響で行けないままになっている。

 一巡して結構な距離を歩くことになったが、とても快い疲労感と充実感に満たされた数時間だった。

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彫刻の森美術館⑨ たくましさに満ちた群像から、永遠の女性像ベアトリーチェへ

2020-05-19 | 箱根・彫刻の森美術館

  一瞬相撲取りの群像かと思ったら、タイトルは「海辺の人びと」。確かに作者(フランシスコ・ズニガ)は外国人だし、よく見るとそのたくましさは海という大自然と堂々と立ち向かう雄々しさに満ちている。

 わき道にそれ、吊り橋を渡る。

 眼下に浮かぶオブジェ2つは題名もそのまま「浮かぶ彫刻」。マルタ・バレの作品。

崖下のような茂みにあったのは、踊る女「ベアトリーチェ」フランシスコ・メッシーナ作。

この名前で思い出すのは、ダンテの「神曲」だ。ダンテは数回しか会わなかった初恋の相手ベアトリーチェを理想化し、「神曲」の中にも永遠の淑女して登場させている。もちろんイタリアには普通にある名前なのでダンテとは無関係なのだろうが、この奔放に手足を伸ばした姿は女性の理想化と結びつくものを感じてしまう。

 そして、アップしたシルエットは、「永遠の女性」的な気高さにさえ結びつくような透明感が漂っていた。

 隣には「アルバ」と名付けられた作品も並んでいた。

 

 

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彫刻の森美術館⑧ 喜びなのか、絶望なのか。愉快そうにも、恐ろしそうにも。千変万化の作品群

2020-05-16 | 箱根・彫刻の森美術館

 少し歩くと、悠然と立つ男の像がある。これは「山野を歩くゴッホ」。オシップ・ザッキンの作品だ。確か、ゴッホの最期の地となったフランスのオーヴェル・シュル・オワーズの町にもこの彫像が立っていた記憶がある。

 作者のザッキンに関しては、隅田川に架かる中央大橋に彼の作品「メッセンジャー」が立っている。隅田川とセーヌ川との友好を記念してパリ市から寄贈されたものだ。

 その先には木で造られたネットの森がある。

 入口に設置されているのは、ジョアン・ミロの「人物」。彼独特のユーモラスな表現だ。

 これは「断絶」と題された造形。伊本淳作。複雑に組み合わされたもろもろが一塊になった時、ある一定方向を指し示したような形。その方向は喜びなのか絶望なのか、、、。

 ちょっと息苦しくなってきそうなので、「天への道」(マイスカイホール)に足を進めよう。長い階段を上って行くと、その先に大きな球体が浮かんでいる。

 大きさは人と比較すればよく分かるが、かなりの大きさだ。私的には、あの球体に乗って大空へ飛び立てればなあ、と思ってしまう。

 木陰には石でできた顔面が置いてあった。「白い仮面をつけた頭像」。ライナー・クリスターの作品。愉快そうにも、恐ろしそうにも、見る人の感性によって大きく分かれそうな造形だ。

 

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彫刻の森美術館⑦ 北村西望、佐藤忠良、舟越保武・・・日本人作家がその成果を競う

2020-05-12 | 箱根・彫刻の森美術館

日本人作家の作品が多く並ぶエリアにやってきた。

 愛くるしい少年の、ちょっとぽかんとした表情。

 長崎平和公園の「平和祈念像」を手掛けた北村西望がこんな作品も製作していた。タイトルは「将軍の孫」。

 隣は高田博厚の「海」。

さらに隣は佐藤忠良作「マント」。洗練された女性のすらりと立ち上がった凛々しき姿。

 同じ忠良作品に、もっと迫力を備えた「若い女」というものもあった。思い切りひねった体からは、緊張感と共にはちきれんばかりの若さが発散される。好きな作品だ。

 本郷新の「鶏を抱く女」は、私にはちょっと近づきがたい雰囲気。

 朝倉響子作「女」。自らの感情をすべて内面に閉じ込めてそっぽを向いたような姿。こちらの方が、もっと近づきがたいかな・・・。

 ならば、自らの意志を持ち何者にもその志を邪魔されまいと、すっくと立つ女性像の方に魅かれてしまう。舟越保武の「道東の春」だ。

 これだけズラリと日本人作家の力作が一堂に会した場所はそうそうないだろう。

 

 

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