新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・フランス アミアン大聖堂の説教壇、サンポール・ド・ヴァンスの小道の階段

2023-04-18 | 階段紀行・フランス

 フランス北部のアミアンにあるアミアン大聖堂は、中世ゴシックを代表する大聖堂として名高い建築だ。

 その聖堂内にある宣教師の説教壇は見逃せない。ゆったりとカーブを描く手すりに施された装飾は、非常に丁寧な仕上げになっており、堂内の照明を受けて金色に輝く。

 下部には彫像が刻まれ、柱を囲む階段の存在を一層強調する役目を果たしている。

 この大聖堂は夏や冬にはライトアップされて美しく夜空に浮かび上がる。またプロジェクションマッピングも行われるので、機会があればぜひ訪れていただきたい。

 ニースの街からバス400番で40分ほどの高地にあるサンポール・ド・ヴァンスは、素晴らしい景観と落ち着いた街並みが魅力的な街だ。

 19世紀から画家、詩人、作家などの芸術家が多く滞在して芸術的な雰囲気が漂う。そんな村内にこんな階段がある。まるで童話の世界にでも出てくるかのようなたたずまい。

 シャガールは晩年、ここに20年も住み、墓もこの村内の墓地に建てられている。

 もちろん階段のところは車も入らないので、ゆったりとのんびりと散策するのに最適だ。

 通りにあるあちこちの店には、このような芸術的な作品が飾られていて、歩くだけで時間の過ぎるのを忘れてしまう。

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階段紀行・フランス ランス・サンレミ聖堂の階段に、ある瞬間奇跡的に華麗な光の装飾が施された!

2023-04-15 | 階段紀行・フランス

 シャンパンの主産地であるシャンパーニュ地方の都市ランス。かつてはここの大聖堂で戴冠式を行うことがフランスの王位に就く条件とされていた。ジャンヌダルクがシャルル7世を引き連れて戴冠を実現させたのも、この大聖堂が舞台だった。

 そんな都市にある、大聖堂に次いで2番目に大きな教会がサンレミ聖堂。ロマネスクとゴシックが共存した重厚な建築だ。

 中を見学しているとき、ある現象を見つけた。ちょうど夕方になるころ、日の光が斜めから堂内に差し込んでいた。その光が手前にある装飾された仕切りの模様を階段に映し込んでいる。

 それは、まるで計算されて光を照らし出しているかのように、階段の段ごとに円や直線のデザインを刻んでいた。

 そんな、一瞬でしか巡り合えないような光景に出会えるのも、フリーに時間を費やして気ままに歩く旅のスタイルが、もたらしてくれる幸運だ。

 また、大聖堂の主祭壇にも、印象的な階段があった。大理石を使った輝く階段だ。

 訪れた年、大聖堂は創建800年の記念プロジェクションマッピングが行われた。

 大聖堂壁面に写し出される豪華な「夢の教会」に、興奮がマックスになって見入ってしまった。

 800年前には実際にこうした装飾がなされていたとのこと。日本でいえば鎌倉時代にこのような豪華で巨大な建築があったことにも驚きと感動があふれる気持ちだった。

 

 

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階段紀行・フランス モンサンミシェルの階段を歩き疲れた後、改めてその光景に感動する

2023-04-11 | 階段紀行・フランス

  フランス西部、大西洋岸に城砦のような修道院がそびえる。モンサンミシェル。8世紀の司教が大天使(サンミシェル)のお告げを聴いて建立を始めたというこの修道院は、何度もの改修を経て今も孤高の存在としてそそり立っている。

 その入口には大階段が待ち受ける。

 

 総階段数90段。ここを上って初めてチケット売り場に到達する。

 入場ゲートを過ぎてもまた階段。外観のあの高々とした雄姿は、こうした高低差によって生み出されているということが実感される。

 さらに高いところに行くには、また階段が待ち受ける。

 修道院内は迷宮のように入り組んでいる。歩き回っているうちに偶然、建物と建物との間にも長い階段があるのを発見した。

 また、島に入る時には気付かなかったが、帰りがけに入口付近にある複数の階段と、入場門の上に掲げられている聖母像の姿を見つけることが出来た。

 島から陸地側に戻り、全景をとらえられる場所で改めてモンサンミシェルを眺めた。静かに暮れ行く夕景。

 ライトアップされた夜景。

 そして翌朝の荘厳なる朝日。

 ツアーなどで日帰りしてしまえば、こんな感動的な光景には巡り合えない。ぜひ、泊りがけでこの自然の神秘を目の当たりにすることをお勧めしたい。

 

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階段紀行・フランス ストラスブールでは台風の渦巻きを連想させる珍しい階段を発見!

2023-03-28 | 階段紀行・フランス

 フランス東部、ドイツとの国境の街であるストラスブールには、ゲーテが「荘厳なる神の木」と表現したノートルダム大聖堂を始めとした歴史的建造物が立ち並ぶ。

 その大聖堂に飾られていた彫刻やステンドグラスなどを収蔵、展示する大聖堂美術館で、変わった階段を見つけた。 

 これまで見たことのない独特の形状。それも、細い木によって支えられているだけなのに、意外にしっかりしている。

 中世に造られた階段。下から仰ぎ見ると台風の渦巻きを連想させるらせん状の土台が見つかる。木材を張り付けて造られているのだろうか。

 一方、正面彫階段はがっちりとした造形の中に、手すりの装飾が落ち着きをもたらす効果を出していた。

 上からの見下ろしだと、木組みの美しさが表現されており、直線の良さも味合わせてくれる様式になっている。

 そんなストラスブールへの訪問はクリスマス時期。外の商店街は建物全体がクリスマスプレゼントであるかのような華やかな装飾で飾られていた。

 もちろん大聖堂前の通りもにぎやか。クリスマスツリー発祥の地とされる街だけに、12月は全体がクリスマス一色に彩られる。

 街一番のデパート ギャラリー・ラファイエットのポスターはプレゼントを主役にした豪華な階段のデザインで構成されていた。

 

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階段紀行・フランス 毎年行われるブールジュの幻想的な「青の階段」

2023-03-25 | 階段紀行・フランス

 フランス中部の都市ブールジュでは、毎年街の主要な建物や通りをライトアップするイベントが行われる。

 通りはいくつもの坂や丘も通るので、必然的に階段も各所に設置されている。昼は特に気づくこともなかったが、夜になるとその階段に光が当てられて、昼とは違う風情を持ったものに変化した。

 オレンジの柔らかい光が、狭い路地をふんわりと包み込み、昼の喧騒が嘘のように静かになる。まあ、こんな照明はそれほど変わったものではない。

 でも、ある場所ではピンクの照明が段の端を際立たせて、ちょっと素敵な雰囲気を醸し出す。

 さらに進んでゆくと、今度は光が青に変化した。

 この色は一層幻想的な光景を漂わせ、夢の世界にも似た抒情が漂う。

 この通りを進んでゆくと、大聖堂が濃いブルーの空を背景に黄金色に輝く姿を現した。なかなか味な演出。   思わず「ほう!」とため息が出た。

 この青い照明は街並みも一段と優雅な装いに変化させていた。

 また、この大聖堂地下室には、当時この地を治めていたベリー公の墓があるが、そこに通じる階段も落ち着きのあるものだった。

 

 

 

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