新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・西日本 尾道編上 果てしなく続く階段。あちこちに日向ぼっこの猫や、文学者が過ごした旧宅が。

2021-06-29 | 階段紀行・西日本 

 広島県尾道市は坂の街だ。瀬戸内海に面した風光明媚な街は、一方で至る所に坂があり、したがってどこに行くにも階段のお世話になるという街でもある。日帰りの日程で尾道を訪れたため、手っ取り早く高台から街を一望しようと千光寺山に向かった。

 駅から少し歩くと,JR千光寺踏切から階段が伸びている。ここは一直線に山の中腹へと向かう階段だ。

 そのさらに上の階段は見事にカーブしている。

 上り始めると、いつまでもいつまでも階段。

 早くも息が上がり始めたころ、階段でうずくまる猫を発見。人が近づいても一向に気にせず。階段の端っこで悠々と日向ぼっこ中。尾道はネコの街と聞いていたが、その通りのようだ。

 段の幅があり、レンガで出来ているところもあった。脇の石垣にも色が塗られていてファンタスティック。

 文学の径と名付けられたあたり。この上には志賀直哉の旧宅がある。

 歩けども歩けども、ゴールが見えない。果てしなく続く階段。

 ようやく林美智子の旧宅に着いた。林美智子ゆかりの展示物を見ながら、また窓越しに見える風景を楽しむ。

 

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階段紀行・西日本 京都編③ 金戒光明寺の桜の階段、”涙の粒”に似た形やPR階段も

2021-06-26 | 階段紀行・西日本 

 京都市左京区にある金戒光明寺は、幕末には京都守護職として京都に赴任した会津藩松平容保の本陣となった寺。

 高い階段を昇った所に山門がそびえている。春はこの階段の周囲の桜が咲き誇ると、まるで桜のトンネルに包み込まれるかのような雰囲気を味わえる。京都にはあちこちに桜の名所が存在するが、こんな桜の階段も見逃せないポイントだ。

 京都駅ビルのすぐ前にある雑居ビル階段は個性的だ。見上げると、親指と人差し指をくっつけたような形が出現する。あるいは涙の粒にも見えて来る。

 階段を昇って見下ろした時は、朱色が強いアクセントになって印象的だ。

 さらに遠くまで吸い込まれそうな感覚にとらわれる。

 光の届きにくい角度の時は、暗さと光線との具合も面白い。

 角度を変えて眺めると、ちょっと幾何学的な構図にもなる。色々と違った発見を楽しめる階段だ。

 京都市の地下鉄構内階段にはいろいろなメッセージが書き込まれている。当初は市民の健康増進のために階段を使うことによるエネルギー消費効果をPRしていたという。また環境にやさしい公共交通機関の利用促進、それによる赤字解消も狙いの1つとされていた。

 さらに階段利用によるエスカレーターの混雑緩和もねらいだが、私が見ていた時間帯は、ほとんどがエスカレーター利用派の人たちだった。

 

 

 

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階段紀行・西日本 京都編②  15000個のLEDライトで京都の四季を映し出す駅ビルの大階段。

2021-06-22 | 階段紀行・西日本 

 

 新幹線で京都に到着して最初に遭遇するのは、駅ビルに設置されたイルミネーション付き大階段だ。駅ビル開業15周年を記念して2012年からスタートしたもので、段数は171段もある大規模なものだ。そのうち125段にLEDが仕込まれており、その数は15000個にもなるという。

 最初に見た時はただの階段。で、聞いてみるとイルミネーションが始まるのは夕方からだとのこと。それで、改めて夕方に出直した。

 まだ日没前で、上の方から陽の光が差し込む状態だったので、階段のイルミネーションは思ったほど鮮明ではなかったが、何十秒か毎にその内容が変化した。

 春の時期だったため、桜を中心にしたイルミが多かった。これは嵐山の桜。

 こちらは円山公園。

 時々こんなイラストも映し出される。季節によって京都の四季の風景が展開されるようだ。

 視線を横に向けると、脇にあるビジョンが着物姿の女性をアップしていた。こちらは光の邪魔もなく鮮やか。

 同じ駅ビル内にはこんな階段もあった。京都劇場への正面階段。劇団四季のミュージカルなどを上演する劇場で、駅ビル東側ゾーンの2~6階を占めている。ちょっと落ち着いた感じのたたずまいを見せていた。

 

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階段紀行・西日本 京都編① 龍がうねりながら上下する永観堂の階段。苔むした味わい石段も。

2021-06-19 | 階段紀行・西日本 

 京都市左京区にある寺・永観堂には臥竜廊と呼ばれる廊下階段がある。

 敷地の中の急な斜面に沿って建てられた建築をつなぐ廊下だ。地形に合わせた形で造られているので、この廊下は直線ではなく、曲がりながら上昇し、高台にある開山堂に通じている。

 その曲線の具合が、まるで龍が体をうねりねじりながら蠢いているように見えることから、名前が付けられたという。

 16世紀初めに造られたもので、昭和時代に改修されているが、木材を斜面、勾配に沿って微妙に曲げたうえ、1本の釘も使わない組細工で完成させた優れものだ。

 臥竜廊の入口には、反対の阿弥陀堂への上り口もあった。

ただし、こちらへの階段は直線で出来ていた。

 開山堂へは臥竜廊を通らなくとも、外の石段で直行できる。カップルがその石段を歩いていた。なだらかな弧を描いて上昇する石段もなかなか。

 その他にもいくつか外の館に繋がる石段が見られた。こちらは長い長い階段。見事な直線が2つ繋がってすっきりと春の光に映えていた。

 廊下越しに見つけたもう1つの階段は少し苔むしていて、ひっそりとたたずむ具合が味わい深かった。

 これらの階段を見ても、永観堂が相当な斜面に建てられた寺であることがよくわかった。

 

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階段紀行・西日本 大阪編④ ウエディング用、イベント観戦用、非常用… 階段にもいろんな使い道が。

2021-06-15 | 階段紀行・西日本 

 阪急梅田駅のビル内を歩いていて偶然見つけた階段。ウェディング関係の店で、正面階段が大きな螺旋を描いていた。

 階段中央に光の装飾があしらわれており、室内の照明を受けてキラキラとまぶしいほど。

 高さはそれほどでもなく、螺旋はぐるりと一周しているだけだが、金属製の質感のせいもあって、なかなか派手な造りになっていた。新婚カップルがこんな場所で記念写真を撮るんだろうなあ。

 阪急梅田本店9階には、イベントスペースの祝祭広場がある。様々な特売やイベントの開催に使われているが、その一角に大階段が設けられている。

 中央の広場でイベントがあれば階段は観客スペースとなって、腰を掛けてイベントを見物できる仕組みで、ギリシャローマ時代の野外劇場を思わせる造りだ。

 私が訪れた時は、買い物客たちが思い思いに階段に座って、飲み物を飲んだり友人たちと話し合ったりしている最中だった。

緩い勾配で、段はゆったりとした広さに なっており、くつろげる場所として市民にも受け入れられている様子がうかがわれた。

 その後で訪れたのが大阪市中央公会堂。1918年完成のルネサンス様式を基調とした洋風建築。大阪城と共に大阪のランドマークにもなっている。2002年に改修工事が行われて現在の姿になった。ここは地下部分を少し見ただけだったので、ほんののさわりだけ。

 重厚な階段を垣間見ることは出来た。

 手すりのデザインが変わっていて面白い。ここは改めて何時かじっくりと観察してみたいと思っている。

 帰り道に見かけた中之島の川端に立つビル。最上階まで続く非常階段が半端ない。いくら非常時でもこんなに長い階段を駆け下りることなんか、私にはできそうにもない・・・。

 

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