さてさて、ヴェネツィアのお魚市場です。
レストランも一般家庭も、お魚はここで仕入れるのだそうです。
高級レストランに行かない分、材料だけでもよく見ておこう。
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魚市場は野菜売り場より階段数段分高くなっています。屋根がついていて壁はなく、日よけの幕がおりています。 |
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切り身やらまる魚やらいろいろ。種類豊富です。 |
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白身魚や鮭など・・・。 |
さてそれぞれのお魚にずずずいっと寄って見ましょう。
なお、『ヴェネツィア料理大全』(アルヴィーゼ・ゾルジほか著、中山悦子訳 JICC出版局)に載っていた代表的な料理法を簡単に書いてみました。味を想像してみて下さいね。
■さかな |
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■Sogliole 北大西洋産生シタビラメ 19.80ユーロ/kg
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■Sogliola Nostrana アドリア海産シタビラメ 26.00ユーロ/kg
大西洋産より6ユーロ強高くなっていますね。 <白ワイン風味>ワタを抜き頭とひれを全て切り落とす。尾の方に包丁を入れ皮の端を持ち上げ、ふきんでつかんで一気に皮をむく(両側とも)。 3枚におろし、切り身を水とレモン汁で洗う。水気を拭いてから小麦粉をまぶす。フライパンにバターを溶かし片面ずつキツネ色に焼く。焼きあがる直前白ワインとレモン汁を注いで香り付けする。 塩胡椒を少量ふってできあがり。
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■Trote Salmonate イタリア産淡水鱒かな? 4.50ユーロ/kg マスをはじめとした淡水魚は15世紀後半贅沢品として禁止されたそうです。淡水のないヴェネツィアでは、本土側から輸送してくるしかなく、昔はさぞ高価だったのでしょうね。今は養殖ものもあるし4.5ユーロとずいぶん安いですが。
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■Branzino Mare。 アドリア海産スズキ 22.00ユーロ/kg <ゆで魚>うろこえらわたを綺麗にしておく。レモン半個、ローリエ、粒胡椒、セロリを入れた1%の塩水で、水から強火にかけ、沸騰しない程度の温度で大きさに応じた時間ゆでる。ゆだったら身をはずしオリーブ油塩コショウレモン汁少々で食べる。各種ソースでも。 |
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■Pescatrice Nostrana(これって魚の名前ではないのでは?) 地中海産あんこう 15.00ユーロ/kg
ここでは丸ごとですが、頭をとって皮を剥いで、氷下魚みたいな形にされていることが多いです。この作業は開店前の早朝にやっています。
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■Code di Rospo 地中海シシリア産の、あんこうをさばいたものです。 20.00ユーロ/kg |
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■Mormore di Mare。 地中海産、鯛かしらん。 9.80ユーロ/kg |
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■Scorfano Sicilia 地中海産カサゴ 16.00ユーロ/kg ブイヤベースのような魚スープに使ったりするそうです。白身でとてもおいしそう。 |
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■Tonno da Cru Filett 地中海産マグロサク。 26.00ユーロ/kg おしょうゆも持って行ったし買って帰ってホテルで食べたかったです。朝だったこととまぐろは日本でも食べられるのでぐっとこらえました。 |
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■Palombo さめではないかな? 11.80ユーロ/kg うちの近所のスーパーにも売っていますが一度も買ったことありません。どうやって食べるのかしら。さめっておいしいですか? |
■イカ・タコ |
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■Calamari 北大西洋産ヤリイカ 8.80ユーロ/kg
奥にあるのは ■Canestrelli sgusciati 地中海産二枚貝むきみ 11.00ユーロ/kg ホタテの半分ほどの大きさの貝です。 <フライ>流水でよく洗い砂をおとしてから小麦粉をまぶす。熱くした油で揚げて塩をふって出来上がり。レモンを添えて。 |
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■Calamari 大西洋産イカ 13.00ユーロ/kg
8.8ユーロのイカとの違いは何? |
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■たこ 値段不明
その右は頭をとったえびです。1日古くなってしまったりしたえびの頭を取って売っているのかと思ったら違いました。別に古いわけではないみたい。 頭のミソもおいしいしいいダシも出るのにもったいないですね。 |
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■Latti di Seppia 北大西洋産コウイカの卵巣 26.00ユーロ/kg
日本でゆでたのを食べたことあります。もちもちしていておいしいのです。でも大量に食べると気持ち悪くなります。 |
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■Moscardino 地中海産小たこ(イイダコ) 14.00ユーロ/kg <おつまみ>塩、粒胡椒、ローリエ、レモン半個を入れた熱湯にこのタコを1匹ずつ足からそっと入れ(綺麗にくるりとさせるため)、15分ゆでる。ざるにあげしばらく冷まし、塩コショウレモン汁オリーブ油パセリで和えてできあがり。 |
■エビ・カニ・貝 |
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■クモガニ 9.80ユーロ/kg 秋、10~12月はメスが内子(イタリア語でcorallo珊瑚)をもって特においしいとか。 <和え物>熱湯にレモン半個、塩、粒胡椒をいれ20分茹で湯の中で冷まし、そのあと身をほじり出して塩コショウレモン汁オリーブ油であえる。前菜に。
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■Granchi 北大西洋産オオガニ 9.80ユーロ/kg <和え物>クモガニ同様、お湯に入れて7~8分茹で、ゆで湯の中で冷ます。身をほじり出し、オリーブ油塩コショウパセリで和える。出来立ての柔らかい白ポレンタを添えて。 |
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左は上のオオガニと同じにも見えますがもしかしてGranciporriという種類かも。どちらも甲羅にミートパイみたなひだひだがありますね。 右はクモガニ。 奥にはあさりやはまぐりのような貝も見えます。 |
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■カナダ産オマールエビ? 1キロか1匹で25.80ユーロ |
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■Canoce アドリア海産シャコ 16.00ユーロ/kg 旬はメスが内子を持つ秋。スカンピ手長えびより庶民的な存在でえびと同様色々な料理に使える。 <マリネ>粒胡椒とレモン半個を入れ沸騰させた湯に入れて3分茹で、湯に入れたまま冷ます。 殻つきのまま食卓に出したり、丁寧にする場合は殻を外し塩コショウレモン汁オリーブ油パセリで和える。 |
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■Moeche Granchi Teneri 地中海産脱皮したてガニ 64.00ユーロ/kg 今回写真撮った中で一番高価! <フライ>カニをよく洗い溶き卵の中に浸し軽く混ぜ布巾をかぶせて2時間ほどおく。その頃にはカニが卵を飲み込んで溺れている。取り出して足先を切り落とし小麦粉をまぶす。熱くした油で数匹ずつこんがり揚げ塩をふって出来上がり。白又は黄色の出来立てポレンタを添えて。 卵に漬けないとよりあっさり仕上がる。このフライを細かく切ってパルメザンと一緒に溶き卵と混ぜオムレツにすることもある。 |
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■小かたつむり 値段不明 食事時以外のおつまみにするようです。ぎょっとしますが煮てしまうとつぶ貝とかと同じなのかな。 <マリネ>よく洗い、ぬるま湯に投入、沸騰後10分ゆでて水を切り冷ます。刻んだにんにく、オリーブ油、塩コショウを混ぜてカタツムリをあえ数時間おいて味をなじませてできあがり。冷たくして供するようです。 |
写真にはありませんが、干タラ(Baccala)、ウナギ(Anguilla)、ハゼ(Ghiozzi)、淡水ハゼ(Scazzoni)、ボラ(Cefali)、カエル(Rane)なども伝統的に食べられていたようです。
ウナギは見かけたような気がしますが写真忘れてしまいました。
実は自分で魚さばいたりできないので大きなことはいえないのですが、例えばカニの茹で方は、茹で湯の中で冷ます、というのは日本と違いませんか?日本ではアツアツのまま鍋から取り出してしまいますよね。軟水・硬水という水質の違いとかもあるのかしら。お湯に浸けておいて旨みが逃げてしまわないのかな。
あと、スズキを茹でるのに水から、というところもびっくり。皮付きの大きなままだからこれでいいのかしら。煮汁を煮立ててから、が鉄則かと思っていました。
ところで、お魚の加工に関しては、私、偏見に満ちた国粋主義者に変身してしまいます。日本の大概の魚屋や料理屋では魚臭い、ということはないし(ヴェネツィアの市場も臭くなかったですが)、包丁も研いであるし、世界的にもレベルが高いのではないかと思うのです。
外国の料理番組のお魚編を見ていると、プロのコックさんでも、「うーん、日本の板前さんの技を少し見習ったらどうかなー」と(自分は出来ないのだけど)思ってしまうことがあります。
おいしいお魚が食べられる国でよかった(実はヴェネツィアで食べ足りなかった負け惜しみ。今年の冬はカニ食べちゃうもん)。
●2007イタリア旅程へ
Coda di Rospo=アンコウの尻尾で間違いないです。
>8.8ユーロのイカとの違いは何?
decongelatoは冷凍していない、と言う意味なので、高い方は冷凍されていないからですね。
>Latti di Seppia
北大西洋産コウイカの卵巣
初めて見ました。 魚卵好きなので食べてみたいです!
イイダコ食べたいです。 特にモスカルディーノの独特なスモーキーさがとってもおいしい! あーん(涙)。
島国なのに魚をあまり食べない変な国に住んでいるので、こういうお写真見ると日本人の血が騒ぎます(爆)。
(実は詳しい方がかき込んで下さるの、期待してたのでした~)
市場では舞い上がってしまってラベルなどよく見られないのでやっぱり写真は大事だな、と思いました。
モスカルディーノ、スモーキーな風味なのですね。くーっ、食べてみたかった(全部だけど)。
実はヴェニス最終日魚を買ってペルージャのキッチン付き宿に移動したらどうかと考えた位でした。でも丸一日かかるし荷物も重いしイタリアの電車はどうなるか分からないのであきらめたのでした。
イギリスでおいしいお魚を食べるには・・・、海釣りする友人を持つとか・・・・。
生マグロやカサゴも美味しそう!
コウイカの卵も甘いお醤油味で煮て食べてみたいです。
料理法も書いてくださってありがとう。
想像したらおなかがグー
マコ大好きさんはお魚料理とても上手ですから、まさに腕が鳴る!でしょうね。私の場合鳴るのはお腹だけでしたが。
カニをオリーブオイルでさっと和えるの、この冬やってみたいなと思います。でもお醤油数滴だけで十分おいしいですよね。
日本よりいろんな種類がありますね。
シャコもたべるんですね。
うちの方の海は東京湾のシャコが有名なんですよ。
漁港では昔は生きたシャコが網袋に入れられて売ってました。今は昔ほど獲れないようで生のシャコはあまり見られないです。シャコって生でないと茹でても身が小さくなってしまうみたいです。
カタツムリはエスカルゴとは違うのですね。あの普通のカタツムリを食べるのかしら。ちょっとゾッとします。
シャコはうちのそばではまず見かけません。ゆでたてを山盛り食べてみたいなあ。
カタツムリはとても小型でした。エスカルゴの若いものか、それとも別な種類か? 小さい分茹ってしまうとあまり気持ち悪くないかも・・。日本でも海の貝の小さいやつ食べますよね。
外国の調理法って、びっくりすることがありますね。タコや蟹は別ですが、そもそも魚を水で茹でるっていうのは日本には少ないですよね。ちなみにタコを茹でるときは、私もお湯がさめるまでそのままにしています。シャコとかもその方がいいのかな。今度見かけたら実験してみようかしらん。
ドイツとかオーストリアあたりに在住の方がフランスやスペインに行くと、魚の種類の豊富さにびっくりするそうですが、そんな話を聞いたり、こうした写真を拝見したりすると、やはり、地中海沿岸部は住みやすそうかも?と思ってしまいます。
ところで、カタツムリには驚きました。パリやフランスの地方の市場(って地方は10箇所も知らないですけど)では見たことがありません。生カタツムリはけっこう処理が大変と本で読んだことがありますが、プロも来る市場だから生で売っているのか、普通のイタリア人も生カタツムリの処理に慣れているのかどちらなんでしょうね?
自分で茹でたタコ、おいしそうですね!私もイタリア式日本式どっちでもいいからお魚料理覚えたいです。
昨年末ズワイガニを実家で蒸したのですが、ほの温かい状態で食べるのも抜群に美味しかったです。冷え冷えの時より甘みを強く感じる気がしました。シャコも冷めるまで待てないわ~、きっと~。もし実験したら教えて下さいね!
カタツムリ、しばらくレタスとハーブを餌にやって更にしばらく絶食させたりとかするのですよね。多分そういう処理はしてあるのではないかしら・・・。レストランだってそんな飼育はしている暇なさそうです。でも「よく洗う」のだけでもドキドキです。見た目はまあ貝だけど触感はナメ○○ですよねきっと。
以前つぶ貝さばきにに初挑戦したときはたった1個でもう涙目でした。うにょって動くのですもの(でもおいしかったし次は多分平気)。