採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ミツバチ用花粉とり器

2021-10-25 | +蜂蜜・砂糖

蜂蜜屋さんに、たまに「花粉/花粉荷/ビーポーレン」というものが売っています。

こんな感じのもの。

花粉

そのまま齧るとポリポリした食感。
ヨーグルトに混ぜておくとツブツブが溶けてしまいます。
(イタリアかどこかでは、ミルクに混ぜて飲むのをおすすめされました)
薄甘く粉っぽいような味がして結構好きなのです。
割とお値段が張るものですが、ついみかけると買ってしまいます
台湾でも、お茶の花の花粉らしきものを買ったことがありました。
(健康効果的なことが謳われることもあるようですが、そのあたりはまあ・・・)


これって、蜂が集めてきた花の花粉だと思うのですが、どうやって回収しているのかずっと謎でした。
その謎が、蜂蜜屋さんの展示品を見て、初めて解けました。

有楽町マルシェで出店されていたキルギスの蜂蜜屋さん「ジェベック・ジョル」さん。
(おいしそうな蜂蜜を沢山出品されていました。巣蜜を買ったら父に大好評で、そのあと何箱もお取り寄せもしてしまいました)

この日(実は昨年7月)、ひまだったこともあり、沢山おしゃべりさせて頂いたのですが、展示品の中にこちらが。

ミツバチ用花粉とり器

プラスチック製の穴が沢山あいたこれ。
これがなんと、花粉回収装置。
ほほーう。

この扉の小さな孔をミツバチが通過するときに、後ろ足の花粉団子が引っかかり、ぽろりと外れて下に落ちる、というしくみなのです。
下に落ちた花粉は、床にあいた穴から下に落ちて下の箱で回収できる模様。


花粉を回収しない場合は、穴あき扉を、こんな風に開放しておくことができます。

ミツバチ用花粉とり器

花粉を回収したい場合は、この装置をちゃんとはめ込むことができる巣箱の構造にしておく必要があります。
あと、数日に一度、雨の降る前とかには下の箱にたまった花粉を回収した方がいいかも?
(雨よけできる構造にはなっていますが、もし水滴が落ちたら花粉が傷んでしまいそう・・)


もし人間によって花粉を奪われてしまわない場合は、蜜蜂たちは花粉を巣に持ち込み、後ろ足の花粉団子いくつか分をまとめてひとつの大きなお団子にし、巣穴に詰めて封をします。
それがこちら。

ミツバチ用花粉とり器

はちパンとも呼んだりするものです。
(写真は、ジェベック・ジョルさんのこちらの商品からお借りしました)
保存性を高めるためか、表面が、蜜蜂の分泌するプロポリス的なものでコーティングされていて、褐色になっています。
(花粉団子のままとはまた違う雰囲気ですよね。)
蜂蜜同様、蜜蜂たちのごはんになるものだそうです。

このはちパンは、私は売っているのは見たことがありませんでした。
(少なくとも買ったことはない)
どんな味なんだろう・・・。

キルギスは養蜂先進国だそうで、こういう商品もあるところがすごいですよね。


日本の養蜂家さんで、花粉団子やはちパンを回収している人っているのかしら。
これまで見たことはありませんでした。
この花粉改修装置自体は、今ならばネットなどで買おうと思えば買えるものだとは思いますが、日本では花粉を回収しにくい理由があるのかな。
花の種類、巣箱の構造、気象条件・・・・。

ジェベック・ジョルのメンバーの一人の方は養蜂に大変詳しいとのことなので、次、機会があったらいろいろ質問してみたいと思います。

コメント (2)
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鴨脚木冬蜜 (鵝掌柴、江某、フカノキ、Schefflera octophylla)

2019-04-09 | +蜂蜜・砂糖

最近、父が蜂蜜に凝っているそう。
毎朝パンに蜂蜜を塗って食べているのだそうです。
で、台湾に行く私に、「蜂蜜をちょっと買ってきて」というリクエストが。
お安い御用です。
普段はなるべく買わないように心がけているのですが、今回は、任務ってことで、晴れて蜂蜜を買いまくれます。

とはいえ、あまり沢山も、持ち運ぶのに大変。
厳選して、次の3つを買ってきました。
(実家とうち、分け合って使う予定) 

鴨脚木冬蜜

右から
・玉荷包蜂蜜
ライチの高級品種「玉荷包」の蜂蜜です。玉荷包は、タネが小さく、果肉はとても甘く、収穫期はごく短いという稀少なものだとか。
この蜂蜜がほんとに玉荷包100%かどうかはよく分かりませんが・・・。
台南の休日ファーマーズマーケットにて購入。

・龍眼の、何かの賞を受賞した蜂蜜
龍眼(ロンガン)の蜂蜜は比較的一般的ですが、これは2017年に何かの賞を受賞したものだとか。
なのでえらく強気な値段でしたが、本当に味が違うのか知りたくて買ってみました。
龍眼蜂蜜は、母にかなり好評。どら焼きにも少々入れるだけで、風味がぐぐっとよくなるのだそうです。
うちには前の龍眼蜜がまだ少しあるので、食べ比べてみよう。(私の味覚では、違いが分からない気がする・・・)
台南の休日ファーマーズマーケットにて購入。

・鴨脚木冬蜜
初めて見る蜂蜜なので、買ってみました。
台南のカルフールに出店している「花間集」というブランドのもの。
以前買った「桜花蜜」がきめ細かい結晶蜜で、とても気に入って、また買ってもいいなあ、と見に行ったのでした。
そうしたら、桜はありませんでしたが、やはりクリーミーな結晶蜜で、柳丁(オレンジ)、そしてこの鴨脚木がありました。
「鴨脚木」なんて初耳。
オレンジ蜂蜜は、イタリア産などもあるので、買うなら珍しい方かな?

ネットにもほとんど情報はないので、折角なのでこの蜂蜜について調べてみました。

鴨脚木は、中国語の名称ですが、別名 鵝掌柴、江某。
日本語ではフカノキ。
学名はSchefflera octophylla シェフレラ・オクトフィラ。

日本語で鴨脚木と検索すると「鴨脚樹」(イチョウ)が出てきてしまいますが、銀杏とは関係ないです。
wikipediaの中国語モードにしてから検索すると、出てくるのが傘樹(日本語でブラッサイア)。
ウコギ科で、つややかな葉っぱが放射状についている掌状複葉、観葉植物としても使われる常緑樹です。
名前は初耳でしたが、観葉植物としては見覚えありました。

蜜源である鴨脚木はこのブラッサイアの一種で、8~10枚の小葉をつけることからオクトフィラとついたもの。
日本だと九州や沖縄、東南アジアや中国南部などに生育する樹木。
あたたかい地域に育つ植物のようで、どうりで欧米からの輸入蜂蜜には、この蜂蜜はないはずです。

日本名はフカノキ。沖縄のやんばる地方を代表する樹木で、沖縄名はアサグラ、アサグル。
(なぜフカ(鮫)なのか書いてあるサイトはみつからず、よく分かりませんでした)
沖縄でフカノキ蜂蜜をとっている養蜂家さんも、わずかですがいるようです。


鴨脚木冬蜜は中国の嶺南地方(五嶺/南嶺山脈より南の地域。台湾の斜め左下にあたる広いエリア)では有名な冬の蜂蜜のようです。
中央平原とは遠く離れて、険しい南嶺山脈の南にあり、台湾とほぼ同じ緯度(北回帰線がこの地域を通る)、高温多雨で、独特の植生や文化が残っていた地域のようです。

借り物写真ですが、鴨脚木の花はこんな感じ。 

鴨脚木冬蜜

9月頃から開花し、蜂の巣箱を近くにおくなどして蜜を集めてもらい、冬に蜂蜜として出来上がるので、冬蜜、というようです。

龍眼などは果樹として栽培されていますが、この鴨脚木は山に自生している樹木。
天候などにより開花の量、蜜の採れ具合などは変わってくるようで、毎年確実にとれる蜂蜜ではないようです。

いくつかの薬効があるようですが、漢方薬の考え方の薬効は純粋な薬とは違うし、それほど期待しない方がいいかも。


今回は、びっちり上まで結晶しているボトルを選んで買ってきました。
匙ですくうと、こんな感じ。 

鴨脚木冬蜜

結晶のきめはとても細かくクリーミーです。
味は、苦みがある、と書いてあるものが多いですが、しばらく時間が経って結晶した状態だからか、さほど苦みは気になりませんでした。
普通に美味しい蜂蜜として食べられる味だと思います。


一気に蜂蜜在庫が増えました。
おいしいパンを買ってこなくては☆
 





■参考情報
フカノキの花にミツバチが集まるようす

フカノキ

フカノキ蜂蜜
 とても稀少なもののようで、ネット販売をみつけるのは大変そう。
 沖縄の養蜂家さんとおつきあいのあるお店などに、わずかに出回るもののようです。
 苦みがあることから、にがあま蜜という名前になってます。
 採蜜直後のためかどうか、結晶はしておらず、琥珀色の液状。

鴨脚木冬蜜 嶺南人最愛的冬蜜(中国語)

鴨脚木蜂蜜の採蜜(中国語)(Youtube)

鴨脚木冬蜜の効果(中国語)

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天草と鹿児島の黒糖

2019-01-28 | +蜂蜜・砂糖

 天草旅行の際、天草と、フェリーで渡った鹿児島の道の駅で、黒糖をみつけて買ってみました。
調べてみると、丁度旅行に行った12月上・中旬は、丁度サトウキビ収穫と黒糖製造の最盛期のようです。
黒糖生産は、12月いっぱいまで。


(写真あとで)

この2種類の黒糖。

九州本土で、特に、熊本の天草でも黒糖を作っていたとは、初耳でした。
天草は、江戸時代から黒糖生産が盛んで、かつては多くの農家がサトウキビを生産していたとか。
それが近年は、個人が小規模に作る程度まで衰退。
そこで2014年に複数の地元農家が、「佐井津黒砂糖組合」を結成し、かつての年末の恒例行事を復活させたのだそうです。
おそらく郷土の歴史と風土を大事にして地域振興をはかる意味もあるのかなあと思いました。


同じ黒糖でも、天草と鹿児島のもの、結構違うものだったので記録しておきたいと思います。

 

黒糖

こちらが天草のもの。
厚さはまちまちで、このくら薄べったいものもありました。

 

黒糖

もう少し厚い、このくらいのものも。
この黒糖は、全体がほぼ一様な質感で、がりっと固め。
(私のような中高年だと)歯で噛み割るのはどうしようかな、と迷う固さです。
お砂糖の純度が高いのか、甘さも強く感じます。
飴玉や氷砂糖まではいきませんが、かなりしっかりした結晶かなと思います。
包丁で切れば細かく切れる程度ですが、ひとかけら口に入れたら、(噛むのではなく)舐めて溶かすくらいの感じ。

 

黒糖

こちらが鹿児島県長島町の黒糖。
購入したパッケージを見る限りでは、厚さはほぼ均一でこのくらいの分厚さ。
そして、天草のものと色が違うのが分かるでしょうか。
上部と下部は似たようなこげ茶色ですが、厚みの中央部分は、色がやや薄めです。

固さの印象は全然違い、上部と下部はしっかりしていますが、中ほどのところは、ふんわり柔らかめ。
噛んでみると、上下がややしっかりしているものの、簡単に歯で噛み砕けて、全体にホロリン、シャリシャリと柔らかな食感で、
かつて食べたファッジのよう。
軽くて口どけがとてもいいです。

黒砂糖ってそもそもどんなものが正解なのか分かりませんが、おやつにつまむならばこちらかな~、と思いました。
天草の方も勿論美味しくて、黒蜜を作るのに向いている気がしました。

何が違うとこんな違いが出るのでしょうね。
黒糖の生産工程によると、煮詰めたあとに空気を含ませるように練り上げるそうで、その練り具合の違いでしょうか。



産地によってこんなに味が違うのならば、立ち寄ったすべての道の駅でもっとじっくり探して、売っているバリエーションをすべてコンプリートするべきだったか!? と動揺しております。

鹿児島の、島嶼部の黒糖も興味あるなあ。
ダンナサマは時々鹿児島に出張に行くのですが、最近毎回黒砂糖をリクエストしているのですが、全然気配なしです。
(大昔、一度だけ買ってきてくれたことがありました。確か喜界島産) 
ネットで買っちゃおうかなあ、また。


■参考情報
天草の黒糖について
しっとり柔らかめの生黒糖(徳之島産)というものを取り寄せたこともありました
黒糖の生産工程

 

 

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2016.8台湾:桜蜂蜜、お茶の花の花粉

2016-08-31 | +蜂蜜・砂糖

蜂蜜の在庫がだいぶ減ってきたので、旅先でなら買ってもいいことにしよう、と(自分で勝手に決めて)思っていました。

3月に台湾に行った際に、ナンキンハゼの蜂蜜を買ったばかりではありますが、また見付けてしまいました。
特力屋の隣のカルフールの、特設売り場に蜂蜜屋さんが。

何種類も味見させてもらって、でもどれもサイズが大きいため立ち去ろうかとも思いましたが、
「実家にも分ければいいし、ええい、買っちゃえ!」
と。 

台湾桜蜂蜜





今回買ったのは桜蜂蜜。
各種の桜の花から採れた蜂蜜のようです。
決め手は、華やかないい香りだったこと。

台湾桜蜂蜜



そして、最近好みの、きめ細かい結晶蜂蜜だったということ。
ハワイのキアウェ蜂蜜のような、きめ細かくみっしりした結晶蜂蜜です。マスカルポーネと一緒にパンに塗ったら美味しそう! 

奈良の桜蜂蜜を頂いたことがありますが、その蜂蜜はとろりと透明なタイプでした。 

台湾桜蜂蜜



花間集養生事業有限公司という会社のものでした。
この桜蜜はHPにはないので、季節限定商品なのかも。

流動性のあるタイプの檸檬蜂蜜も味見しましたが、レモンの皮の香りがしました。レモンの花は、レモンの果実とは違う香りじゃないのかな?
レモンぽくするために何か香り付けしているのではないかしら?
機会があったら別のレモン蜂蜜も味見してみたいです。 

台湾カメリア(お茶)花粉

もうひとつ、蜂蜜関係。
こちらはお友達からプレゼントで頂いてしまいました。
(Thank you Ruby!!) 

箱のデザインが、とっても綺麗!
高級な化粧品の箱みたいです。

英語ではcamellia pollen とありますが、漢字では台湾阿里山茶花粉と。
お茶の花の花粉のようです。
阿里山は烏龍茶で有名なところですので、お茶の花が沢山咲いているのも想像がつきます。 

台湾カメリア(お茶)花粉



箱側面には鳥までいますよ。
この花粉は、ほんのり甘くて、いい香りで、とても美味しいです。
(イタリアで花粉を買ったことがありますが、また違う味でした)
今度お茶の花が咲いていたら、じっくり匂いを嗅いで、花粉を舐めてみようかと思います。


日本の蜂蜜も多々ありますが、国産の花粉はあまりないようです。
日本の花は、花粉が豊富なものが少ない、と聞いたことがありますが、ほんとかな。
 

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お砂糖専門店

2016-05-25 | +蜂蜜・砂糖

ちょっと用事があって、ダンナサマと那珂湊方面に行くことになりました。
(運転免許がらみ)
ついでに、お魚市場に行きます。
あと、もう1件、食べログで検索して出てきたお店にも行くことにしました。

大川商店というお店。
こちらはなんと、お砂糖の専門店なのだそうです。
お菓子作りをするので、お砂糖には興味があります。
(買いおきしておいても腐らないのところも便利です) 
 

那珂湊大川商店



こちらがお店。
食べログだとデリカテッセンという分類になっています。お店の半分は、油揚げの煮物やわかめごはんなど、お総菜売り場になっていました。

那珂湊大川商店



各種お砂糖の小袋。
(許可を得て写真を撮らせて頂きました)
ちまちま並んでいる姿が可愛いです。
(でも、思ったより種類は少なかったです。黒糖でも産地ごとに何種類もあるのかと思った・・。あと、産地や製法の違いなどについても、もうちょっと説明があると楽しいのだけどな・・) 

那珂湊大川商店



黒糖は一種、あと、含蜜糖というのかな、粉状の茶色いお砂糖が数種類、、和三盆、氷砂糖、ビート糖、あられ糖、という品揃えです。

それぞれ試食用のごく少量入りの袋があるので、味見して選びました。 

那珂湊大川商店


今回買ったのはこちらです。

本和香糖、②人玉糖、③亜麻、④純黒糖、⑤和三盆糖。

①と③は和田精糖というメーカーのもののよう。
薄い色の本和香糖は何にでも使えそうです。無印良品のカフェでプリンに使われている(いた?)みたいです。
 

 

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台湾2016:蜂蜜

2016-04-11 | +蜂蜜・砂糖

先日台湾に行った折り、デパ地下で蜂蜜をゲットしてきました。
我が家の蜂蜜の在庫は、十数年ぶりに品薄。
(一生もつのでは!?という状況でしたが、ここ数年、買わずにこつこつ減らしてきました)
なので「旅行先なら買ってもいい」と自分に許可を出したのです。
 

台湾の蜂蜜



今回ゲットしたのはこちら。
いろいろ混ざった百花蜜です。
最近は、クリーミーに結晶した蜂蜜に凝っています。
2種類あったうち、味見してこちらにしてみました。
バターのようなまろやかな香りとやや控えめな甘さでが気に入りました。
お店の人も、こちらがお勧め、という様子でした。
(中国語が分からないので、お互い身振り手振りで気合いでコミュニケーション)

台湾の蜂蜜


そして、嬉しい頂き物。
(陳先生、ありがとうございます!) 

台湾の蜂蜜


ひとつは百花蜜。
買ったものとは違って透明タイプで、味も違いました。
(百花蜜ってじつは色々あって面白いですね!)

もうひとつは千層(Melaleuca)。

白千層Melaleuca白千層Melaleuca


千層って何だろう?と調べてみました。
別名「白千層」(フトモモ科メラルーカ属の一種)だそうです。
ウィキペディアの写真をお借りしましたが、幹がパイ皮のように層状になっています。なるほど!
この木の葉はとてもいい香りなのだそうです。
(蜂蜜は、さほど特徴的な香りはありませんでした)

近縁種の、フトモモ科メラルーカ属のティーツリー M.alternifolia は、抗菌作用があるという精油のティーツリーオイルをとる植物です。
瓶洗いブラシのような花にも見覚えがあります。
これの赤いバージョンは、オーストラリア原産のブラシノキといって、フトモモ科ブラシノキ属。 

台湾の蜂蜜

どちらにしようか迷って買わなかった方の蜂蜜はこちら。
烏桕蜜(うきゅう Chinese Tallow Tree)。
「桕」は漢和辞典になくて、どう検索しようか迷いましたが、メーカーFUNG GUOのホームページから調べることができました。
これは、ナンキンハゼの蜂蜜だそうです。
日本では比較的マイナーな蜂蜜だと思いますが(皆さんご存知でした?)、例えば広島市の産直 で販売されていたりするようです。
きめ細かい結晶で、スッキリした甘さで美味しい蜂蜜でした。 

ナンキンハゼ


ナンキンハゼはこんな木(ウィキペディアより)。トウダイグサ科ナンキンハゼ属。
街路樹に植えられたりするものだそうです。
あ、そういえば!
うちの近所の道路にもナンキンハゼがあったはず!
絵本の挿絵のような可愛い樹形だけれど、特に何か役に立つ訳じゃないよなあ、と思っていましたが、蜂蜜の蜜源だったとは!見直しました。
(自分で採集できないのが残念)
種子の油脂の烏臼油は、石鹸蝋燭の原料になるのだそうです。

ナンキンハゼ


ちなみに、同じくロウソクの原料になって、蜂蜜もとれる植物にハゼノキがあります。
(ハゼ蜜は透明タイプが多いようです)
こちらはウルシ科ウルシ属。
ナンキンハゼとハゼノキは分類学的には全く異なります。

ハゼノキやナンキンハゼからロウを抽出する実験は、こちら
数年分の自由研究を小学6年生時点でまとめている論文のようですが、 すばらしいです。私の知りたいことが全部書いてあります。ハゼロウは、ナンキンハゼやその他のロウに比べ、すすが少なくていいロウソクになるようです。

  
■参考情報
台湾の蜂蜜いろいろ 
台東は山がちなので各種の蜂蜜がとれるようです。
こちらのお店にもいろいろあります。
苦楝センダン、山茶ツバキ科、厚皮香モッコク、桂花キンモクセイ、文旦ブンタン、荔枝ライチ、月桂(肉桂)シナモン など
このブランドではありませんが、以前桂花(キンモクセイ)の蜂蜜を以前買ったことがあります。
クリーミーな結晶で、すごく美味しかったです。
(いわゆるキンモクセイの香りはあまりない) 

蜜源・花粉源植物データベース (日本語)

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徳之島・徳南精糖の生黒糖

2016-02-02 | +蜂蜜・砂糖

かんころ餅を作るのに、黒砂糖を使います。
スーパーに行くと、あるのは大抵加工黒糖。
黒砂糖って均一な味にしにくいようですし、色々ブレンドして商品に仕立てるそうです。
加工黒糖にもいろいろあって、随分色が薄いものから、とっても黒いのまで。

それでもいいけど、純粋な黒糖が欲しいなあ。
ずっと前ダンナサマが鹿児島かどこかで買ってきてくれたレンガのような黒糖が、すごく美味しかったのです(喜界島産だった気がする)。
最初、あまりのごっつさに持て余していましたが、実は包丁でサクサク削れるし、味もよくて気に入っていました。使い切ってしまったときは寂しかった・・。
(同じのをリクエストしているのだけど、みつからないみたい)


ネットでいろいろ検索して、徳之島の黒糖を取り寄せてみることにしました。
通常商品はゴツゴツした小さなブロック状のもののようですが、冬の時期限定で、板状のものが手に入るそうなのです。
丁度冬に思い立ったし、限定だったら買わなくちゃね!


ところで徳之島ってご存知ですか?
私は知りませんでした。
沖縄から北に、小さな島を二つ(与論島、沖永良部島)挟んだところにあるやや大きな島で、県でいうと鹿児島県。徳之島の北側が、奄美大島です。
徳之島の農産物は、サトウキビ、ショウガ、ジャガイモ、果樹。
まだコートを着ているような時期に、「鹿児島産新じゃが」って売りに出されていますが、あれは徳之島の可能性もあるのか。鹿児島は暖かいとゆったって、それにしても・・と思っていました。亜熱帯ならなるほどです。
 

徳南精糖生黒糖

はるばる徳之島からやってきました。丁度寒波が九州方面に着ていた時期で、通常より時間がかかったようでした。
(3袋で送料540円はお得な感じ) 

徳南精糖生黒糖

保護用段ボールも徳南精糖さんのもの。 

徳南精糖生黒糖

なんと!指でつまむと千切れるくらいの柔らかさ!
舐めると、細かく結晶した蜂蜜のよう。
するするっと簡単に溶けていきます。
キャラメル・・・というか、ファッジみたいかな?
このままでお菓子になります。 

味は、「濃い味」と販売サイトにありました。
でも、黒蜜みたいな濃さではないです。
なんか、複雑な味わいの濃さ。
最近使っていた黒糖(加工黒糖)に比べると、抜群に草っぽい味がします。
(ていうか、普通の黒糖って草っぽさはないですよね)

ダンナサマは、インドネシアの椰子砂糖(グラ・メラ)みたいな味がする、と言っていました。
なるほどあれも濃かった(私の印象では醤油っぽい味がしました)。
ダンナサマは、草っぽさについては言及はなし。

草っぽさは、私的にはあんまりなくていいけど(体質的にアクに弱いので)、でもとっても美味しいお砂糖です。
ひとつはしばらく寝かせてみようかとも思っています。
熟成させると味が変わりそうなので、それも興味深い。



■参考情報
奄美大島特産品のお店 安田商店  今回はこちらから購入しました
徳之島の産直 百菜 (通販もあり) 
徳南精糖紹介の動画(TV番組で取材されたようです) 
徳南精糖での精糖の様子  
種子島での黒糖製造のようす(やまけんさんのブログ)
  徳之島ではないですが、おそらく似たような感じだと思います。製造過程の写真が沢山です。
  レンガみたいなブロック状の、どこかで買えないかなあ 

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ハワイのキアウェ蜂蜜 Kiawe honey

2014-05-20 | +蜂蜜・砂糖

母方の叔母が、ハワイに行ってきたということで、母におみやげを下さいました。
蜂蜜好きの母に、何やらよさげな蜂蜜。

珍しいものなので、写真を撮って、味見もさせてもらいました。
 

kiawe_honey

化粧品のボトルのようなものに、まさに真っ白なクリーム状の蜂蜜が入っています。
kiawe キアウェ の蜂蜜だとか。 

kiawe_honey

開けてみると、液体状の部分はまったくなく、傾けても流れないくらい、完全に固まっています。

スプーンですくってみると、思ったよりも柔らかいです。
室温になったバターのような固さ。

そして舐めてみると、ちょっと予想外!

こういう見かけならば、いくらかはショリっとした食感を予想しますよね?
でもこれは、結晶のツブ感が全くなく、ものすごく滑らかなのです。
固さも滑らかさもバターのよう!!!

ニュージーランドのマヌカ蜂蜜も、とろみを残しつつ、結晶してきますよね。
あちらは、口に入れると、わずかにひんやりしたような結晶の粒を感じ、それがすっと溶けます。

先日買ったトウモロコシ蜂蜜は、キアウェ同様完全にクリーム状に結晶化していましたが、食感は、かすかな粒を感じた気がします。

キアウェ蜂蜜は、私が食べたことのある結晶蜂蜜のなかでは一番のなめらかさ。
(ここまで結晶が細かいと、むしろ結晶蜂蜜の食感ではないといえるかも?)
ねっとりとろりとしつつ、さっと口の中で溶けるような感じ。
あまりに滑らかなので、マスカルポーネチーズに蜂蜜を混ぜたスプレッドのような感じかも?

味は、マヌカハニーに比べると、全然くせがなくあっさりしています。
とても美味しいです。
ブドウ糖が多い蜂蜜は結晶しやすいとどこかで読みましたが、キアウェ蜂蜜もそうなのかも。

喉にもいいそうで、美味しくてオススメの蜂蜜です。
(かなり高価ですが)


=====

ちょっと調べてみました。
この蜂蜜は、ペルー原産のキアウェ(又はキアヴェ)kiawe という植物の花からとれるものです。

マメ科ネムノキ亜科 の木本で、 Prosopis属 の Prosopis pallida という種。
枝には大きなトゲがあります。

ハワイにあるものは、もとは1本の木だったものが殖えていった子孫だそうです。
かなり殖えていて、在来種を駆逐するほどだとか。
Prosopis属の植物は、他の植物を侵略的に生育していくため、世界各国で問題になっているのだそうです。
(おいしい蜂蜜が採れて貴重な植物なのかと思ったら、意外な側面も・・)

木材は、家庭用電動工具で加工するにはキビシイ程、非常に固くて重いようです。
燃やすと特徴的ないい香りがするため、バーベキュー用の薪燃料または木炭として重用されているそうです(どんな香りがするんでしょう?)。
グリルのお店では、「キアウェの薪で焼いてます」的な宣伝文句が掲げられたりする程です。
この薪(炭)の香りを移した、「キアヴェ風味のスモークソルト」という商品もあります。
また、あまり真っ直ぐな材はとれないものの、建築材料にもなるとか。

花は、ぽわぽわした細かい花が、試験管洗いのような細長い房状に集まった形状で、色は黄色。
(↓参考サイトに花の写真があります)
実は、長さ20cm弱くらいの豆が沢山つきます。
これは栄養豊富なので飼料になります。

蜂蜜は、巣から取り出したときは、サラダオイルのような明るい色で、透明な液体です。
これを瓶詰めすると、自然に結晶するのだとか。
(人工的に攪拌して結晶させる蜂蜜もあります。これはこれでいいと思いますが)
抗菌作用も期待されていて、喉が痛いときにこの蜂蜜をなめるという人もいるようです。


■参考情報
KIWAE蜂蜜について (日本の販売代理店によるサイト・ネットショップあり) 検索すると他のネットショップもあります。

wiki キアベ 

wiki メスキート mesquite
Prosopis属の植物のいくつかの種をまとめて呼ぶ俗称(?)のようです。

mesquiteのさやと豆を粉末に加工したものは、mesquite flour といって、ほんのり甘みがある粉となり、製菓・製パンなどに使われるのだとか。
(なお、豆には微量のタンパク質分解酵素阻害成分(トリプシンインヒビター)を含むため、生食は不可。加熱後は無害)
とても固いサヤ・豆だそうですが、拾ってきて自力で粉末加工にトライしている人がいました。採集マニアがここにも・・・。 

ハワイのキアウェ蜂蜜はブランド化に成功してとても高価ですが、米国南西部、メキシコ、アルゼンチンなどに生えているメスキートの蜂蜜 mesquite honey はまだメジャーではないかもしれません。
メスキートというのは、キアウェも含まれるProsopis属の植物の総称。
ハワイのものほどの品質ではないかもしれませんが、味も似ているのではないかと想像しています。
南米系の食材店には、メスキート蜂蜜がお手頃価格であるかも?
例えばこちらはアリゾナ州南部産メスキート蜂蜜 

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トウモロコシの蜂蜜

2014-01-06 | +蜂蜜・砂糖

さて、しばらくご無沙汰しておりました。
皆さん年末年始は如何お過ごしでしたか?
私は、ほぼ昨年同様のパターン。
28日から実家に行って、スモークサーモンの大量仕込みや、おせち料理のお手伝いをしてきました。
例年は電車で移動するのですが、今年はカーナビのついたダンナサマの車を借りて、自力走行!
殺気だっている首都高を避けてのんびり移動して、無事着くことができました。

色々ブログのネタはあるのですが、久しくパソコンから離れてぼーっとしており、また写真の整理がまだ出来ていないので、お正月と関係ない小さめのネタからリハビリします。

=================

12月に、熊本に1泊旅行に行ってきました。
立ち寄った「華ほたる」という温泉の物産館で、美味しそうな蜂蜜を発見。

家の食料庫を整理しようと、コツコツ在庫を減らしているところではありますが、ちょっと変わった蜂蜜なので買ってしまいました。 

熊本産トウモロコシ蜂蜜

何と上までびっしり白く結晶しているのです。

最近、こういうクリーミーに結晶しているタイプの蜂蜜に凝っているので、買わないわけにはいきません・・・。ぐぐぐ。
(パンにマスカルポーネを塗り、クリーミーな蜂蜜を少し載せて食べると美味!)

どうやらこれは2012年産の蜂蜜だそうで、時間が経つと多かれ少なかれ結晶してくるようですが、それにしてもこの蜂蜜は、うまく全体が結晶した珍しい例だとか。 

 

熊本産トウモロコシ蜂蜜

一番変わっていると思ったのは、蜜源。

とうもろこし

ですって。初めて見ました。 

熊本産トウモロコシ蜂蜜

生産者さんは緒方ミツバチ研究所というところ。
600g入りで1500円でした。(うろ覚え。後で確認します。) 

一匙味見してみたところ、結晶はとても細かくなめらかでクリーミー。
(見た目結構白っぽくても、食べてみるとジャリジャリしたものもありますよね)
クリーミーさがすごく好みで、大当たりでした! 


買ったあとで「トウモロコシ蜂蜜」について調べてみると、あまり情報がありません。ヒットするのは「蜂蜜のように甘いトウモロコシ」という情報ばかり。
「蜜源植物 トウモロコシ」で検索すると辛うじていくつか・・・。
が。

 風媒花であるトウモロコシは、昆虫を呼び寄せる必要がないため、蜜はつくりません。
 ミツバチは、沢山つくられる花粉を集めるため、花粉源植物となります。

という記載。
うむむむむ?

花粉がいっぱい含まれているのだろうか? と再度味見してみましたが、日本蜜蜂の蜂蜜だとたまにあるような花粉のまじったザラッとした感じはほとんどなし。
(花粉のサイズによるのかな?)



不思議に思ったため、緒方ミツバチ研究所に電話して伺ってみました。
親切に教えて下さった内容を要約すると・・

・トウモロコシにもいろいろ品種があり、蜜を出すものもあるのではないか。
・蜜源は、厳密に蜂を追いかけて調べている訳ではないので不明。
・巣箱は、許可を得た場所にしか置けないので、トウモロコシ畑の横に置きに行く訳ではない。
・巣箱から2キロ以内にある植物の蜜を集めてきているはず。
・何の蜜かは、近所の養蜂家からの情報や、自社・他社の蜂蜜の成分の分析結果を参考にしている。 

とのこと。
結晶については

・このトウモロコシ蜂蜜は、2012年に採蜜されたもの。
 巣箱から出したときはトロリとしているが、その後瓶詰めしてしばらくすると、結晶化してくる。
 色々な条件で結晶したりしなかったりするが、今回のトウモロコシ蜂蜜は、時間が経過した上、たまたまびっしり結晶した。 

だそうです。なるほどー。
(市販品には、種となる結晶蜂蜜と液体の蜂蜜を人工的に攪拌して結晶化を促進しているものもあるようです)


で、もうちょっと調べてみると、コーンフラワー(ヤグルマギク)蜂蜜というものの断片的な情報にゆきあたりました。
これはブドウ糖成分を多く含み、クリーム状に結晶しやすいのだそうです。
てことは、今回のこれも・・・・・・?

「分析の結果、コーンフラワーの蜂蜜だって」
「へー、コーンの花ね。」
「こないだのあれ、コーンの花の蜂蜜だってよ」
「ふーん、トウモロコシか~」

などという伝言ゲームがあったのでは・・・。

でもこれは私の勝手な妄想です。
日本で、蜂蜜がどっさりとれる程ヤグルマギクを栽培しているということは考えにくいので、やっぱトウモロコシなのかな。

トウモロコシ蜂蜜について、何かご存知の方、是非とも教えて下さいませ。


養蜂業というのは基本的にローカルなもので、製品も地元で少しずつ売られているだけの場合が多いようです。
iタウンページで数えてみたら、全国の養蜂業は681件。
でもネットで探すことが出来る蜂蜜の種類(メーカー)はそんなにはない気がします。
出かけた先の産直で蜂蜜を買うのは、一期一会の貴重なチャンスなのかもしれません。
今回の蜂蜜もあたりだったし、我慢せず買っちゃっていいのかも!(←コラコラ)




■参考情報
(1)緒方ミツバチ研究所

(2)華ほたる
立ち寄り湯。
今回これを購入した産直が併設されています。

(3)トウモロコシは蜜はないが花粉源となるという情報
(他にもいくつか)

(4)ヤグルマギク蜂蜜
ポーランドで採蜜されるとか。
ブドウ糖成分が多くクリーム状に結晶しやすいそうです。 

(5)鳥取県境港市のとあるお菓子屋さんのHP
製菓材料として使っている蜂蜜は、「奥出雲の養蜂家さんが、夏の蜜源植物であるクリ、ハゼの木、トウモロコシ、サルスベリなどから採取したもの」だそうです。 

(6)結晶して固形になった蜂蜜をハンドミキサーで攪拌すれば、とろりとしたクリーム状になるそうです。 

コメント (3)
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椰子砂糖

2013-12-04 | +蜂蜜・砂糖

しばらく前、ダンナサマがインドネシアに行った際におみやげに椰子砂糖を頼みました。
ダンナサマは同行の後輩(インドネシアに結構詳しい方。男性)に買い物を頼んだようで、

えっへん

という感じで持って帰ってきてくれたものがこちら。
 

椰子砂糖

ラベルにはGula Aren とあります。
とても黒っぽい塊。
上から見ると丸いです。
(下がぎざぎざしているのは、囓って味見したため) 

椰子砂糖

横から見るとこんな風になっています。
まあるいココナツの殻に流し込んで固めるため、こんな形になります。

値段は100gで3910ルピーのようです。 

 
固そうに見えて、歯で簡単にかじれる柔らかさ。
結晶は細かく、口溶けはいいです。例えるならば、ファッジのような、もしくは、細かく結晶した蜂蜜を、更に固く固形化したような食感です。

で、味は。

なんと、みたらしダンゴのタレの味。
塩は入っていないはずなのですが、醤油のような風味がします。

にゃに?

お菓子に使おうと思っていたのに・・・。
しょうゆ味だなんて・・・・。

頼まれモノをゲットして鼻高々のダンナサマでしたが、頭の中が ??? だったため、褒め忘れてしまいました。
(ダンナサマは褒めて育てないといけないですよね)


そういえば、昔私もインドネシアに行った際に、2種類のヤシ砂糖を見かけたのを思い出しました
(うそ。ほんとはグーグル検索したら自分の写真がヒットして、手の形であれ何か見たことがあるかも?と確かめてみた)。 

2010/03/08インドネシアスーパー

一つは色の濃い方。
今回と同じGula Aren。
100g2050ルピー。

味からして、以前おみやげに貰ったインドネシアのチャーハンのもと にもおそらくこれが使われています。

2010/03/08インドネシアスーパー

もうひとつはこちら、薄茶色のGula Merah。
値段はこちらの方が安め。
このお砂糖は、売り場にあるカケラをこっそり味見して、(醤油味はせず)普通に甘くて美味しい味というのを確認済み。

欲しかったのはこちらでした。

 


私が用途や種類を指定せずにお願いしたのも迂闊でした。
インドネシアでより一般的な方を選んだのかなあ。
でもきっと、男の人だし、高い方ならば間違いなかろう、と売り場で一番高いものを買ってきてくれたような気がします。

改めて、ダンナサマとS原さんに感謝せねば。



この、グラ・アレン(焦げ茶醤油味。おそらく料理用)とグラ・メラ(薄茶キャラメル味。お菓子用)、どう違うのか知りたくて調べてみましたが、結局まだよく分かりません。
(ご存知の方、是非教えて下さい)
→(2020/08追記)グラ・アレンはサトウヤシ、グラ・メラはココヤシの、どちらも花序部分から樹液を採取して煮詰めて作るもののようです。


それ以前の問題で、パームシュガーとココナツシュガーという用語ですら、情報が錯綜しています。
あちこち読んで、多分こうだろう、というところをまとめてみました。



====

■■椰子砂糖について(Fujikaによるつまみぐい要約)(2020/08/05追記あり)

●椰子砂糖を作るヤシ
・インドネシアでは伝統的に、ヤシ花茎から樹液が採取され、それから黒糖が作られる。
砂糖ヤシ(Arenga pinnata Merr.), パルミラヤシ(オウギヤシ/ウチワヤシ/サトウヤシ)(Borassus flabellifer L.), ニッパヤシ(Nypa fruticans Wurmb.)およびココヤシ(Cocos nucifera L.) (6)。

・(2020/08/05追記)ヤシ砂糖にはグラ・メラ、グラ・アレン、グラ・レンペンがある。それぞれ次の通り(15)。

名前 材料 色・かたち 地域性
グラ・メラ/Gula Merah ココヤシ 薄いブラウン。
円筒形。
最も定番のヤシ砂糖で、インドネシア、特に中部ジャワの料理には欠かせない。
ジャワの砂糖、グラ・ジャワ/Gula Jawaと呼ばれる場合もある。
3つの中で一番明るい甘さ。爽やかで酸味と塩気に近い旨味も若干感じる
グラ・アレン/Gula Aren サトウヤシ(アレン)

こげ茶色。
アレンの木の葉で包まれていて、円筒形
西ジャワでよく見かける。
アレンの木は、ある程度標高が高く湿度が高い土地の森の中に生えている
ずっと重さのある甘み。そして、製造工程を反映してか、煙の風味がとても強い
グラ・レンペン(ロンタル)/Gula Lempeng パルミラヤシ(オウギヤシ こげ茶色。
ロンタルの葉で作った輪っか状の型にはめて作るため、平たい円盤型
インドネシアでは東ヌサトゥンガラ及び南スラウェシに多く、乾燥が強い土地でよく育つため、石灰質の島にも沢山植えられている。
ロテ島やサブ島でロンタル椰子はよく利活用されている。
固形の砂糖のほか、液糖状態のものや、樹液のまま発酵させたお酒、酢もある。
インドネシア語のロンタルは、ジャワ語のRon(葉)+Tal(パルミラヤシ)から来ている。ジャワからバリにかけてはシワラン/Siwalanとも呼ばれる。
一番日本の黒糖の味に近い



・バリ島ではPUNYAN NYUHから砂糖をつくる。 酒を取る木(PUNYAN JAKA)とは違う種類 (1)。

・インドネシア サブ島 ではロンタール椰子 lontar (パルミラヤシ/オウギヤシ)というものから樹液を採取する。(8)

・ヤシには雌雄異株のものと雌雄同株のものがある。
 雌雄同株・・ヤシ科ココヤシ ヤシ科ニッパヤシ
 雌雄異株・・ヤシ科シュロ ヤシ科ナツメヤシ ヤシ科パルミラヤシ(オウギヤシ/ウチワヤシ/サトウヤシ) 

・雌雄同種のヤシの花の構造は、同一花茎の根元付近に雄花の花序(座敷箒のようにもさもさ)がつき、先端に雌花の花序がつく。
(ココヤシの雌花は割とつけ根の方にある(10) )
なお開花は雄花が先に咲いて散るので、同一花序内で受粉が起こることは少ないらしい。

・スリランカでは、孔雀椰子(キトゥル)から椰子蜜(キトゥル・パニ)や椰子砂糖(キトゥル・ハクル)を作る。
 クジャクヤシの木は、遠目に見ると竹のように、割と葉っぱが細かい。近くで見ると、葉の形状は魚の尾のようなかたち。(16)


●製法 (1)(ロンタルヤシ砂糖作り方:15)
・木に登り、ヤシの雄花の花序を包む皮を剥がし、ひもで束ねておく。その先端をカットし、1,2日日に当てる。
その後、1日2回、先端をカットする作業を、2,3日間ほど続ける。(この時はまだ樹液はとらない)

・地域によって違うが、ココナツ製の壺または葉っぱ製のバケツ、竹筒などを準備する。

・最初に皮をはいでから4、5日目くらいから、花茎の切り口を壺にすっぽりはまるようにセットする。
この壺は1日2回交換する。一人あたり、1日につき10~15本の木に登るそうです。
樹液採取は男性の仕事だとか。

・毎回、先端を少しずつ短くしていき、一つの花から約1ヶ月間樹液を採取する。

・木の上から持ち帰った水のような液体は、放っておくと自然発酵してしまうため、なるべく早く鍋に移し、4時間程度加熱する。

・煮詰まってきたら、かなり力を入れて攪拌する。(2)
(口溶けのよいファッジも練りが大事というし、椰子砂糖のきめ細かい口溶けも、練ることからきているのかも)

・出来上がった椰子砂糖は、ヤシの殻、竹筒などに入れて固める。

・もしくは鍋の中でお玉をこすりつけながらほぐし、粒~粉状にする。
これをふるいで振るって、粗い粒は更に細かくし、粉状の椰子砂糖にする。

※砂糖として使うには粉末状が便利だと思いますが、固形椰子砂糖を囓って、きめ細かい結晶がするっと溶ける、ファッジのような美味しさを一度味わってみるのも強くおすすめします。


●各地の椰子砂糖
・インドネシア サブ島  Gula Sabu (8 動画)
ここではロンタール椰子 lontar というものから樹液を採取する。

・インドネシア バリ島 Gula Bali 

・マレーシアのマラッカのグラ・マラッカ
インドネシア製ヤシ砂糖、白砂糖、ココナツミルクを混ぜて煮詰め、竹筒製の型に入れて固めたもの。ヤシ由来100%ではない。(7

●栄養
・椰子砂糖は血糖値の上昇がゆるやかであり、GI値が低い(資料3)
ブドウ糖はGI100 であるが、椰子砂糖はGI35 。



=======
■椰子砂糖についての異説 
(おそらくwiki英語版(だいぶ怪しい)をソースにしてあちこちに同じようなことが書いてあります。本当なんでしょうか?)

・パームシュガーはアブラ椰子が原料。 ココナッツシュガーは ナツメヤシ、ココヤシ、サゴヤシからとれるお砂糖。(資料3)

・ココナッツシューガーの原料は花もしくは花蕾から採集した花蜜。それに対してパームシュガーは木の幹にキズをつけて採集する樹液。
当然、樹液の方が容易に大量の採集が出来ますので価格はかなり安くなりますがココナッツシューガーのような細かな粉末にしにくいことや味の点で格下に見られている(4)。

・ココナッツシューガーの原料はミンダナオ島のみに育つドワーフ種のヤシの樹からしか採取出来ない。パームシュガーはナツメヤシ、ココヤシ、サゴヤシ、オオギヤシなどからいろいろな樹から採集される(4)

・ココナツヤシとは、ココナツヤシの花芽の樹液から作られる砂糖である。
主にタイでは、ココナツシュガーとパームシュガーは入り交じって使われる。しかしながら、これらふたつは味や質感、製法が異なる。パームシュガーはパルミラヤシ、デーツヤシ(date palm)、シュガーデーツヤシ、サゴヤシ、砂糖ヤシ(sugar palm)の幹の樹液から作られる。 (5 wiki英語版 ココナツシュガー)

※椰子砂糖についていろいろ検索してみましたが、ヤシの幹から樹液をとりそれを砂糖にするというのはウラがとれませんでした。
詳しいことご存知の方、ご教授下さい。



■参考情報
(1)椰子砂糖の製造工程
バリグッズの輸入代行をしている会社.椰子砂糖は50kgから輸入代行してくれるそうです.
テンペ菌は小分け販売しています. 

(2)煮詰まった椰子砂糖を練り上げている様子

(3)粉末椰子砂糖販売サイト 

(4)ココナツシュガーについてのサイト  

(5)英語版Wikipedia coconut sugar  
2013年時点ではなんだか怪しいことが沢山書いてありました。
2020年、再度読んでみると、比較的妥当な内容に書き換えられています。

(6)インドネシアのヤシ樹液とそれから作られる黒糖の成分分析 (論文抄録) 

(7)マレーシアのグラ・マラッカについて
  (ヤシ砂糖100%ではない)

(8)インドネシア サブ島のグラ・サブ 製造工程動画 

(9)ココナツシュガー専門店ハニココ屋
ホームページココナツシュガー製造工程
ショッピングページ
フェイスブック
製法についても詳しく解説してあります。
現地とふかく繋がって製品の製造支援・販売をしていらっしゃるようで、応援したいです。
ただ、こちらでは椰子砂糖のことを ハニココ という名前で呼んでおり、全く一般的ではない名称はあまり効果的ではないように思ってしまいます。

(10)ココヤシの花の写真 

(11)gula merah 画像検索結果 
やや色薄めか。
お菓子の写真も沢山ヒットするので、こちらがお菓子の材料だと思われます。

(12)gula aren 画像検索結果
やや色濃いめか。 

(13)やしの花蜜糖
パルミラ椰子からつくられた椰子砂糖の製法と購入先など 

(14)スワヒリ農村ボンデイ社会におけるココヤシ文化(PDFをダウンロード)
アフリカ東岸のタンザニア(赤道のちょっと南、マダガスカル島の対岸よりちょっと北)でのココヤシの葉、実、樹液利用についてまとめてあります。
樹液利用は砂糖にやしないようで、もっぱら酒ですが、樹液採取方法は砂糖の場合でも同様かと思います。
花序からの樹液採集方法・手順が詳しく書いてあります。
葉を編んでかごや紡錘型の綺麗なシートにしたりなど興味深いです。

一点、序論p6の図で、ナツメヤシが結実性一回(生涯一回だけ実をつける)というのは解せないかなあ。
(この著者の見解ではなく、別資料からの引用のようですが)
樹齢100年のナツメヤシがあるとか、wikiで読んだ気がするのですが(wikiの内容も必ずしもですが)。 
中近東のような乾燥地帯で、しょっちゅうナツメヤシを植えているとは考えにくい・・。

(15)ブログ ヌサンタラ・キッチン
インドネシア在住の方(研究者?)のブログ。食材や地方の郷土料理など大変詳しいです。
ヤシ砂糖については、こちら(ブンブ/各種調味料)と、こちら(ロンタル)の記事に。

(16)スリランカカレー店のブログ カラピンチャ
スリランカの孔雀椰子(キトゥル)から作る椰子蜜(キトゥル・パニ)と椰子砂糖(キトゥル・ハクル)の製造過程。
孔雀椰子の葉っぱは、細かく分かれた複葉で、竹の葉っぱっぽく見えます。

コメント (11)
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