悠歩の管理人室

歩くことは、道具を使わずにできるので好きだ。ゆったりと、迷いながら、心ときめかせ、私の前に広がる道を歩いていきたい

落語家への注文はありか~雪の瀬川(その3)

2017-07-05 21:36:39 | 雑記

柳家さん喬演じる落語「雪の瀬川」がたいへん気に入り、毎日のように聴いている。
若旦那の出身地が「古河」であり、太鼓持ちの名前が「崋山」というのも面白い。
描いている時代がいつかわからないが、雪が大きな役割を持って演じられている。
雪の殿さま「土井大炊頭利位」に掛けているのだろうか。
もしそうだとすれば、雪華のデザインは「大炊紋」とも呼ばれていたので、
最後の場面で、瀬川の肩や髪に雪片が落ちるところで、雪の結晶に触れたらどうか。

1つ気になるところがある。若旦那を居候させる元奉公人の言葉遣い。
基本的には、丁寧な対応、言葉遣いをするのだが、演じるとき(舞台)によって、
若干横柄な口調になったり、愚弄するような口調に傾くことがある。
私が最初に聴いたCDでは、あくまで控えめな元奉公人のそれであり、若旦那を
馬鹿にするような口調は現れない。
番頭の口調も、立場が悪くなると、小馬鹿にしたような口調が強くなる。

これらは、みな「さん喬師」が演じるものであるのに、時とところによって変わる。
いつの噺でも変わらないのが「瀬川」の扱いである。立派な花魁への向かい方は、
少しの狂いもない。にもかかわらず、番頭や元奉公人の態度は、微妙に変わる。

これはある意味で手抜きではないかとさえ、思うことがある。
あるいは、噺の進め方と時間との勝負でもあるので、時間を引き延ばそうとすると、
どうしても言わずもがなの口調になってしまうものだろうか。

総合公園の大賀蓮は見頃に