漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

伊坂幸太郎の作品覚書「重力ピエロ」ほか

2006-09-14 | 
普通じゃない世界、それもありかも。

えっ、殴っちゃうの
えっ、放火しちゃうの
えっ、殺しちゃうの
ふうつはそれ、正しくないでしょっていうことがすんなり行われて
しまう不思議な世界。

さらに、こちらの小説の登場人物があちらの小説にも登場したり
するので、また彼の作品を買い求めてしまうという小賢しい技も
あり。


重力ピエロ
母親がレイプされて生まれた弟と、その兄と父親の不思議な関係。
次々と起こる壁の落書きと放火、その展開はサスペンス。
でも、じわ~と家族の愛情にあふれてるんだよね。
自分の中の遺伝子との葛藤が心に痛い。

ラッシュライフ
知的な泥棒、金に物言わせる画商、リストラされて世間からはじき
出された中年男、野良犬・・・
それぞれの物語が絡み合いながら、ぐるぐると進行する。
はまると、とめどなく読み続けてしまう。
だから結局どうなんだといいたい気分だけれど、抜け出られない。

オーデュボンの祈り
まさに「現実味と常識」から外れた世界。
未来がわかる案山子(かかし)がいるその島は、日本本土から
さほど離れていないのに、何百年もの間、外からほとんど人が
来たことがない。ずっと島民だけで暮らしてきた島。
生活様式はふつうの日本とほとんど変わらない穏やかな農村なのに、
「常識」がかなりちがう。
だからって、殺していいってことは、やっぱりnならないよね。
その感覚、その判断ってちょっと怖いよ。

伊坂幸太郎:1971年 千葉県生まれ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。