またしてもすごい作家に巡り合った。
亮介、洋平、父、母、母X(エックス)、千絵ちゃん、細谷さん、美紗子、エミコ、私のアナタ、ヌスビトハギ・・・・
亮介は父の書斎の押入れの段ボール箱の中から殺人記ノート4冊を発見する。
これを読む、いったい誰が書いたのか想像する、父の不在を見計らってまた続きを読む、また推理する・・・
繰り返していくうちに、しだいに事実が明らかになっていくのだけれど、
ユリゴコロ、それは殺人記を書いた本人が幼児のころ、診察室で医師の語った
ヨリドコロという言葉を聞き間違えて心に刻んだものだけど、
そのユリゴコロを求めて殺人に喜びと興奮を感じるようになったのか、
ノートを読んでいると、淡々と描かれているのに、なんともねっとりとまとわりつくようで怖い。
その怖さは、思いもしないけどまたは思わないようにしているのかもしれないけど
きっと自分の中にもある感情で、これを事細かに露わにされるがゆえの怖さだと思う。
後半の予想を覆す展開には目を見張るものがあり、
それでいいのかと戸惑いながらも単に殺人イコール罪というくくりを超えた何かに到達するように思われた。
沼田さんという人はすごいと思う。
沼田さんの「猫鳴り」も素晴らしかった。近いうちにアップします。
沼田まほかる 1948年生まれ 女性
亮介、洋平、父、母、母X(エックス)、千絵ちゃん、細谷さん、美紗子、エミコ、私のアナタ、ヌスビトハギ・・・・
亮介は父の書斎の押入れの段ボール箱の中から殺人記ノート4冊を発見する。
これを読む、いったい誰が書いたのか想像する、父の不在を見計らってまた続きを読む、また推理する・・・
繰り返していくうちに、しだいに事実が明らかになっていくのだけれど、
ユリゴコロ、それは殺人記を書いた本人が幼児のころ、診察室で医師の語った
ヨリドコロという言葉を聞き間違えて心に刻んだものだけど、
そのユリゴコロを求めて殺人に喜びと興奮を感じるようになったのか、
ノートを読んでいると、淡々と描かれているのに、なんともねっとりとまとわりつくようで怖い。
その怖さは、思いもしないけどまたは思わないようにしているのかもしれないけど
きっと自分の中にもある感情で、これを事細かに露わにされるがゆえの怖さだと思う。
後半の予想を覆す展開には目を見張るものがあり、
それでいいのかと戸惑いながらも単に殺人イコール罪というくくりを超えた何かに到達するように思われた。
沼田さんという人はすごいと思う。
沼田さんの「猫鳴り」も素晴らしかった。近いうちにアップします。
沼田まほかる 1948年生まれ 女性
私も読もうと思うのですけど
なかなか読みたい本にぶつからないでいます。
本を選ぶって感性ですよね。
縁があると言うか、一冊を手に取った時
読みたいと思うか、すぐに棚に戻すかです。
心揺さぶられる作者の出会ったようですね。
この手記はインパクトありましたよね。
もうドロドロ。
それに比べると登場人物は”さわやか”でした(笑
その時の気分とか体調もあるし。
実は「ユリゴコロ」はこの表紙がなんだか怖くて避けていた1冊です。
だけど作者が60代後半の女性と知ってどんなミステリーを書くんだろうと、購入してみたものです。
文章の運びもうまいです。
ちなみに「猫鳴り」はたぶんpochikoさんにもおすすめ。
泣きました^^
下手な思わせぶりもないのに、本当にドロドロと迫ってきましたね。
沼田さんは50代から本をだしたのですが、どうしてこんなに隙のない文章が書けるのか、とにかく圧倒されました。