漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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何を食べるか2・低体温

2010-09-24 | 薬膳・食育
博多での講演会内容(何を食べるか・皮、生長点、タネ)の続きです。

低体温の人が増えている。体温が36.0度に満たないと、
消化酵素の働きをはじめ様々な生理反応がスローになるので
体の動きが鈍くなります。集中力や意欲の低下の原因にもなります。

低体温の原因として言われているのが
ミネラル不足(微量ミネラル不足および多量ミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)のアンバランス)
運動不足

の対策:旬の野菜や海藻類を食べること
同じ野菜でも旬と旬でない時期では栄養量が数倍も違うのだそうです。
そして元気な土(前述)で自然に育てられた旬野菜はさらに中身が濃いそう。
の対策:日々の運動量アップして新陳代謝を高める

ところが現代は難問が山積しているらしい

佐藤弘さん(西日本新聞編集委員)の講演から)『食卓の向こう側』シリーズで有名

大学生数十人に朝昼晩の食事を写真に撮り提出させデータをとったところ、
朝抜き、昼コンビニ、夜外食
朝甘いお菓子、昼ポテトチップス、夜コンビニ弁当
朝コンビニおにぎりとコーラ 昼同じく 夜ちょっと手作り
などなど、唖然とする食生活が『フツー』になっているそうだ。
しかも、一人暮らしでも親と同居でもその差はあまりないのが現状。

自分で調理しない、または同居していても親と食事時間がずれれば
『コンビニ暮らし』で済ます若者。

思うに、
若者たちの親世代もすでに、かなり危うい食生活になっているのでは?
親の食生活が『豊か』なら、その子供は何を食べようとか何を作ろうとかの
発想内容がこれ↑にはならないんじゃないだろうか。
(たとえコンビニがそばにあったとしても)
食習慣も『三つ子の魂』として植えつけられる確立が高いので、
ほっとけば、これからもそんな食生活を続けることになりかねない。

そしてスーパーに行けば年中、同じような野菜が並び、
いつが旬かと問われても分からない。

こんな状況で、『ワタシ、低体温なのよね~』となよっとされた場合、
体質改善するには相当の意識改革が必要だ。

『手に入らん季節があるからこそ、『初物』は仏さんにお供えして、手を合わせて有り難く食べたんでしょうが
吉田俊道さんの声がまた頭の中に響いた。
彼が幼い子供たちを相手に、土づくりと野菜づくりを教えている理由の
ひとつがここにあるんだろう。


関門海峡を渡る関門橋 手前が北九州の門司、向こう側が山口県下関


そうは言っても大人だってあきらめるわけにはいかない。
体の悩みを改善するために、楽しくやってみましょう、食の改革。
せめて1カ月、まずは期限付きで。
そして運動、まずは散歩から。
きっと漢方薬の効きもグンとアップするはず。
漢方の空間ファインエンドー薬局