スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

スペイン語の敬称

2014-05-16 09:15:09 | スペイン語
 señor (señora, señorita)は姓の前につけるもので、個人名の前ではない。個人名の前につける敬称は男なら don、女なら doña(ドーニャ)というのがある(prima donna の donna と語源は同じ)が、don は señor 同様、既婚・未婚を問わない。一方、doña は既婚女性のみである(昔は未婚女性にも用いられていたらしい)。doñita という形はあるが、これは親愛の意味合いを示す縮小辞-ita がついただけのことであり、未婚の女性に対する形は欠けているのである(señorita も形の上では señora に縮小辞がついたものだが、「親愛なる奥様」ではなく「未婚女性」に意味が変わってしまった)。señorita は本来、姓の前につけられるのだが、ペルーでは個人名の前につけるケースもあった。未婚女性に対する敬意を示す形が他にないため、señorita を使ったのだろう。 
 さて、Juan Fernández(「フアン・フェルナンデス」、世界中に何万人、何十万人もいそうな名前)という人がいれば、敬称をつければ、Sr. (señor) Fernández または、Don Juan(あの「ドンフアン」)となるのである。
 筆者も、コスタリカ時代には don をつけて呼ばれたことがあるのだが、最近はだれも don をつけて呼んでくれない。

【私の友人の永井鉄郎氏がこのたび以下の著作を出版されました。中国語に興味のある方はどうぞ】。

はじめて学ぶ中国語文法
ポチッとクリックすると、何かが起きる(かも)。
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
 はじめてのスペイン語 (講談社現代新書)

コスタリカの歴史 (世界の教科書シリーズ) 
 人名の世界地図 (文春新書)







最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。