スパニッシュ・オデッセイ

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太陽の金の林檎(2)

2015-01-04 18:34:49 | スペイン語
 「太陽の金の林檎」は、かつて愛読したレイ・ブラッドベリの短編のタイトルにもなっている。原題は“Golden Apples of the Sun”で、これは W.B.Yeats(1865-1939)の“The Song of Wandering Aengus”「さまようイーンガスの歌」の一節から取られているとか。
 幻想的な詩で、最後の一節に“silvery apples of the moon”という語句と“golden apples of the sun”という語句が現れる。
 読んでみると、“golden apples” はやっぱり、オレンジやトマトよりリンゴの方がイメージに合っているような気がする。
 ところで、「黄金の林檎」は古くから言い伝えられている言葉で、ギリシアの昔からある。ドイツ語やヘブライ語、ロシア語などでは「黄金の林檎」は「オレンジ」を意味するとか。筆者もブラッドベリの「太陽の黄金の林檎」は最初は「オレンジ」のことかと思った。
 また、「一日に一個の林檎は医者知らず」というようなことわざがヨーロッパにはあるように、林檎は特別な果物のようだ。
 一方、トマトの学名は“Solanum lycopersicum”というが、前半の“Solanum”はラテン語の“sol”(「太陽」の意。スペイン語も同じ)に由来するという有力な説がある。そうなると、「太陽の黄金の林檎」はますます「トマト」になってしまうのであった。

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