原宏一著"星をつける女"を読みました。
牧村紗英は大学時代から食べることに興味を
持っていました。
卒業後パリで飲食店のランクの星をつける仕事を
していました。
日本へ帰って投資家から依頼されて飲食店の味や
経営状態などの全てを知らべて星をつける仕事を
請け負っています。
大学時代の先輩の真山幸太郎を相棒にしています。
彼は劇団を主宰していますが貧乏でアルバイトとして
手伝っています。
最初の店は高級なフランス料理の店のグランメゾンです。
智也はスーシェフとして抜擢されたばかりです。
出された肉はブルゴーニュ産のシャロレー牛だと説明
されます。
紗英は説明と違うと判断します。
智也は客に違うのではないかと言われ調査をはじめます。
やがてオーナーシェフが関わっている不正に気付き
悩みます。
次の調査はラーメンのチェーンの麵屋勝秀です。
真山は劇団を解散して本格的に紗瑛の仕事を手伝い
始めます。
池袋店の店長の七海は勝秀の味に魅せられて休みもなく
働いてきました。
新規プロジェクトの案を出すため自腹を切って
オーストラリアへ調査に行ったりと、店の仕事と別の
仕事まで押し付けられています。
ブラック企業です。
社長は職人気質で経営は梶原専務まかせです。
鬱病となり自殺未遂をはかる店長まで現れています。
七海も、紗瑛たちも梶原の陰謀に気づきます。
最初の店に出てきた智也が仕事を手伝うようになっています。
次の仕事は南紀白浜のホテル紀州ノ庵です。
高級志向を目指しています。
紗瑛は娘の杏奈と真山と三人で家族を装ってホテルに
宿泊してホテル内のレストランで料理を味わいました。
ホテルもレストランも申し分ありません。
このホテルには銀座に銀座別邸というレストランが
あります。
南紀とは反対に銀座の店はまったくなっていません。
南紀は信二という双子の弟が経営し、銀座は兄の孝一が
経営しています。
銀座は赤字です。
孝一は南紀の店に口出しするようになりました。
社長となっているのは二人の母親ですが、認知症が
疑われます。
紗瑛はラーメン店店長で退職して故郷に戻った
七海と共にホテルの人たちと関わっていきます。
七海も東京へ戻って紗瑛たちと仕事をすることに
なります。
紗瑛、真山、智也、七海と四人になりました。
最初の話と次の話の店は最初の店が成功したあとは
次々に店を展開していきます。
質を落としてしまったりブラック企業となったりと
店を広げてもいいことありません。
なぜ広げたいのかなあぁと思います。
手の届く範囲で働いたらいいのではないですか。
ラーメンチェーンの社長は経営に興味はなく、
なぜチェーン展開したのか不思議です。
調査のはずが店に関わってしまって状況を変えています。
仕事の範囲を超えている気はしますが、関わる
ことでいい方に変化しています。
おもしろかったです。
続編がありそうな気配がします。