風野真知男著"穴屋佐平難題始末"を読みました。
夜鳴長屋に住む佐平治は穴屋をやっています。
<どんな穴でも開けます。明けぬのは財布の底の穴だけ>と
いう看板を出しています。
連作短編集です。
同じ長屋に住む蛇屋をやっているお巳よには仕事の手伝いを
たびたびしてもらっています。
絵師の北斎に囲われている女が風呂に入るのを除きたいと
隣の家からトンネルを掘ることを頼まれます。
猫に鼻輪をつけて欲しいとの依頼をうけます。
ある魂胆がありました。
若き日の遠山金四郎が関わっています。
笛をつくるのに、手に入れることが難しい煤竹があります。
笛作りの名人が亡くなってしまいました。
笛に穴を開けて欲しいとの依頼です。
参考にする笛を持っている女性は大奥で働くことになり
簡単には会うことができません。
ある家とある家の間にトンネルを掘って欲しいと依頼が
あります。
両家の合意のもとの仕事です。
近所には首切り役人の首切り浅右衛門がいます。
蜀山人またの名を大田南畝から自分の墓を掘って欲しいと
依頼があります。
蜀山人はねた帳を盗まれました。
生きたまま埋められ、犯人をおびき寄せようとします。
川を氾濫させるため土手に穴を開けるよう依頼がありました。
佐平次は泥棒などの犯罪には手を貸さないという信念でやって
きました。
この仕事は断ります。
別の人物が引き受けたらしいことを知り現場まで様子を
見に行きます。
佐平次の過去と、佐平次の恋が最後の話で語られます。
変わった仕事の話です。
おもしろかったです。