片島麦子"銀杏アパート"を読みました。
大きな銀杏の木がアパートのすぐ前に立っている
10年間ぐらいの間のその時々に銀杏アパートに
住んでいた人を描いた話です。
この話のこの人と別の話のあの人がどこかで繋がって
いたりします。
独立している話もあります。
最初の話と最後の話は長い年月が経って繋がっています。
二階に引越してきた学生と、その上の階に住んでいる
母娘、特に10歳の女の子と交流があります、
女の子のチサの父親は本妻のある人です。
父にもらった靴とサイズまで同じものを履かされています。
母親は成長する娘にはサイズが合わないことに
気づきません。
足の指が変形してしまっています。
学生は母親に現実を見るよう抗議します。
彼女とチサとの関係は最後にわかります。
スズコは仕事先で知り合った男のハルトが部屋に来る
ようになりました。
ハルトはDV男で理由もなく暴力を振るいます。
スズコは吹っ切れてアパートを出ていきます。
チサは中学になって体の不調に苦しみます。
養護教諭の水海先生は彼女の不調の原因に気づきます。
脊柱側弯症で体の歪みが不調を引き起こしています。
その元々の原因は足の歪みです。
犬や猫の思っていることがわかる女性がアパートに
住んでいます。
ペットを飼っている人たちの集まりにさそわれました。
猫を数匹飼っているアパートに住むお婆さんが倒れました。
猫が騒ぎました。
隣の女性が気づきました。
看護学生になっていたチサとペットの考えがわかる女性が
駆けつけてきてくれました。
最後の話は父親のお墓の前で父の本妻と出会う話です。
チサちゃんが成長してしっかり生きていてほっとします。