田牧大和著"鯖猫長屋ふしぎ草紙"を読みました。
絵師の捨楽は猫を飼っています。
雄の三毛猫で鯖模様の部分があって名前はサバです。
いばっていて捨楽にご飯を作るよう命令します。
不思議な力があって長屋の住人の命を救ったことが
あったりで長屋の人たちはサバを大事にしています。
サバは長屋の名前も変えてしまって長屋は鯖猫長屋と
呼ばれています。
捨楽は十年前までは盗賊でした。
弟分の以吉は7年前に殺されました。
その時に飼い猫の三毛猫を手がかりに誰かが訪ねてきたら
巻き添えにしてすまないと謝って欲しいと言い残しました。
捨楽は以吉の住んでいた家に住んで訪れる人を待っています。
サバは同じ三毛猫ですが以吉の猫とは違います。
章の始めに誰かの独白があります。
過去に何があったのかが少しずつわかっていく形式に
なっています。
大工の恋のとばっちりで鯖猫長屋へお智が引っ越して
きました。
大道芸をしている武士も越してきます。
長屋にはしっかり者でおせっかいのおてるがいます。
まだ若いおはまはうんと年上でしがない絵描きの
捨楽に恋心を持っています。
おはまの兄の貫八がただのうちわを騙して高く
売る出来事がおきたり、サバを売れっと無理なことを
いってくる者が来たりと長屋ではいろんな事件が
起きます。
以吉は泥棒の仲間に入っていて商家に引き込みとして
入って働いていました。
お金を盗むのはともかくそれ以上店が困ることになるのを
避けようとある書付を盗んで姿を隠しました。
その途中で行き倒れになった所を助けてくれた夫婦がいました。
仲間は何か盗んで逃げたことは知りましたがそれが
何なのかは知りません。
それでも仲間は追ってきました。
その夫婦が殺されています。
何年か経って夫婦の敵を取りたいと夫婦の子供が
追ってきました。
捨楽の過去を知っている同心も絡んできました。
猫のサバが物事を見通す超能力を持っていて、どこか
人間くさいところがあっておもしろいです。
長屋の人たちは助け合って暮らしています。
捨楽の危機にも駆けつけてきてくれます。
過去の出来事を小出しにしていく手法にはどうも
なじめません。
早いうちにどういうことが起ったのか見当はつくので
こういう手法でもいいようなものですが、めんどう
くさくていらいらしてしました。