福田和代著"碧空のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊
ノート"を読みました。
福田さんの本はコンピュータ関連のアクション小説と
思っていましたのにこの本はまったくジャンルが違います。
音楽と仕事とロマンスと身近なことの謎解きのふんわりと
やさしい話です。
鳴瀬佳音が主人公です。
音楽大学を卒業し自衛隊の音楽隊でアルトサックスを
吹いています。
あかるくちょっとドジで怪我、病気など問題を呼びこむ
人です。
同室なのは安西夫人と独身でありながら夫人と呼ばれる
しっかり者です。
いろんな出来事が起きます。
"ギルガメッシュ交響曲"
ふれあいコンサートで演奏するギルガメッシュ交響曲の
アルトサックスの第二パートの楽譜が行方不明になりました。
前回演奏したのは10年近く前です。
前回の奏者は突然定年退職しています。
"ある愛のうた"
カノンは音楽大学の時にユニットを組んでいたメンバーと
クリスマス近くに貸しスタジオに集まって演奏したり
飲んだり食べたりしてきました。
学生時代に起きた不思議な出来事を思い出します。
誰から誰宛だかわからず"愛の賛歌"が鳴り出す時計が
送られてきました。
夜に練習棟の窓が開けられたり旗が立っていたり灯が点いて
いたりした、いたずらがありました。
何を表していたかわかりません。
数日後出席しなかったミドリから大学に来るよう他の
3人に連絡がありました。
練習棟には学生の時とは別の窓が開いていました。
"文明開化の鐘"
音楽隊は鳥取に演奏に行きました。
一日は中学の吹奏楽をやっている子たちの指導です。
去年コンクールで金賞を取った中学の1年生の男子が
いなくなりました。
"インビジフル・メッセージ"
戦場カメラマンの狩野が隊員の写真を撮りに来ることに
なりました。
安西夫人は数日前から機嫌が悪いです。
狩野は7年前にイランで行方不明になった友人が最後に
送ってきた何も書いてない絵葉書の謎に悩んでいます。
その謎をカノン達に解いて欲しいと依頼します。
"遠き山に日は落ちて 度会俊彦の場合"
渡会はカノンと高校の同級生でいっしょに吹奏楽を
していました。
渡会はカノンが好きで法学部に受かったのに翌年に
音楽大学を受けなおしました。
カノンを追って自衛隊の音楽隊にも入りました。
しかしカノンは彼の気持ちにはまるで気づいていません。
"ラッパ吹きの休日"
安西夫人は結婚して内務班(寮)を出ました。
カノンの同室は澄川理彩です。
カノン以上の明るい女性です。
彼女が3階の男性内務班に入り込んでいると聞かされます。
杉の木に登ろうとして落ちて捻挫します。
創立五十周年記念演奏会が開かれようとしています。
彼女はどうして不思議な行動を取ったのでしょう。
カノンが渡会の気持ちに気づくのかと思っていましたが
ぜんぜん進展していません。
あとがきで音楽隊に取材して書かれたとあります。
音楽隊の様子はこの本のようなんでしょうね。