東野圭吾著"眠りの森"を読みました。
加賀恭一郎シリーズの1冊です。
高柳バレエ団の葉瑠子が夜一人でいた団の事務所へ
押し入った男を花瓶で殴って死なせてしまいます。
全然面識のない男を殺す理由がない、当然に正当防衛だと
団の者は警察に言います。
本当に強盗に入ったのか何か団と関係があるのではないかと
警察は調べます。
未緒は葉瑠子の幼馴染で現在は同室で暮らしています。
加賀は以前未緒が白鳥の湖の黒鳥の役で踊っているのを
舞台で見ています。
加賀は未緒に惹かれていきます。
葉瑠子が警察に留め置かれている間に梶尾という演出,
振り付けをしている男がゲネ・プロ(同様の衣装をつけて
本番と同様の稽古)中にニコチンで毒殺されます。
前の事件と二度目の事件は何か関係があるのか。
徐々に解き明かされていきます。
今回のは前の"どちらかが彼女を殺した"よりはずっと
読みやすい本でした。
加賀は一貫して登場しています。
もっと個性的なあくの強い人を想像していましたが
ごく普通の人のようです。
バレエ団の人たちがどのように生きているかが詳しく
描かれています。
きっと本当のバレエダンサーの人たちも、この本に
登場する人たちと似たような考え方、生活をしている
のだろうと思わせられます。
人生をバレエに奉げて生きていくのはきびしい生き方
ですね。
何事でも好きになってそれ以外の生き方はできないと
なったら、はたから辛そうにみえても当人にしてみれば
喜びであるのかも知れないのですからとやかくいえは
しません。