雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

確率捜査官御子柴岳人 ゲームマスター

2019-01-30 16:16:31 | 



神永学著"確率捜査官御子柴岳人 ゲームマスター"
を読みました。
ミステリーの中で御子柴さんて、とてもよく
出てくるような気がします。
探偵役に向いた苗字というわけかな。
今まで御子柴という苗字の方には会ったことが
ありません。

この本の御子柴は大学で数学を研究している准教授です。
警察の特殊取締対策班のオブザーバーをしています。
毒舌家で気に障ることばかり言う人です。

太田慶一郎という国会議員の屋敷に泥棒が入りました。
犯人は山田という無職の若者で盗んだものはUSB
メモリーだけです。
山田は公園でメモリーを捨てたあと捕まりました。
しかし太田はUSBメモリーなど知らない、
盗まれていないと言います。

誰かにコントロールされて起こった事件です。
御子柴は数学の知識からゲーム理論を使った
事件だと見抜きます。

前半は話しがゆっくりでまだるっこしい感じがします。
最終段階でスピードが早く進みます。
昔の犯罪に端を発した事件です。
一番の悪人は身近な人達に見放されて残念な
人生です。

それにしてもややこしい話です。

ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン

2019-01-27 21:00:00 | 

小路幸也著"ヘイ・ジュード 東京バンドワゴン"を
読みました。
このシリーズも13巻目になりました。
1年に1冊のお楽しみです。
東京バンドワゴンという古本屋と喫茶店の
大世帯の家族とその友人たちの、冬から始まって
秋までの1年間のできごとが描かれます。

お隣のIT会社社長の藤島さんの、書道家の
お父さんが亡くなりました。
記念館を開く計画や様々な片付けで忙しくしています。
研人のバンド仲間の渡辺君のお父さんはリストラ
されて再就職探しはうまくいっていません。
研人の後輩の中学生は素晴らしい写真を取ります。
隣の小学生の少女の写真は人々を驚かせました。
そしてそのモデルの少女は数年前に東京バンドワゴンの
人々と知りあったのぞみでした。

花陽は医者をなることを目指しています。
医学部への入試の時がきました。
結果はもちろん合格です。
花陽の母の藍子と夫のマードックはロンドンの
マードックの両親をしばらく暮らすために日本を
離れることになります。
家と隣の藤島の藤島ハウスとで家族の部屋替えが
行われました。
小学生の少女ののぞみは家族とかみあいません。
家に居たくなさそうにしています。

買い取った本の中に青の実母の池沢百合枝の
ヌード写真が挟まっていて驚きです。
しかし我南人は冷静に写真の意味することを
見抜きました。
研人のガールフレンドの芽莉依の父親が
転勤になり、両親は単身赴任しようと決めています。
若い二人は別の提案をします。

近所に住む増谷裕太野島真央は結婚することに
しました。
我南人のバンド仲間のボンは病気です。
ボンの息子の鱗太郎は花陽と付き合っています。

あいかわらず賑やかな家族です。
話し手はおばあちゃんのサチの幽霊です。

すべてがFになる

2019-01-26 10:14:07 | 

森博嗣著"すべてがFになる"を読みました。
面白かったです。
でも設定がこんなこと犯罪でしょうって
思ってしまって。
まあ小説って現実ではないんですけどね。
真賀田四季は天才的な頭脳の持ち主で博士です。
14歳の時に両親を殺したとしてその後の15年間
三河湾にある妃真加島の研究所に幽閉されています。
ほんの数人しかこの間、直に彼女に会ったことが
ありません。
彼女はコンピュータのシステム開発をしています。
研究所の人たちとはテレビ電話で交流します。
島には研究所しかありません。
50人ほどいる所員はそれぞれの部屋で仕事も
生活もするという形態です。

大学生の西之園萌絵は同じ大学の助教授の儀同創平と
子供のころからの古い知り合いです。
夏休みに創平の教え子たちと妃真加島でキャンプを
するという許可を得ました。
西之園と創平は二人で研究所を訪れました。

そこで二人は四季博士が殺され手足を切り取られ
ロボットに括りつけられドアから出てくるのを
見ました。
システムは壊され警察へ連絡もできません。
ヘリコプターで外出から戻ってきて屋上へ
着陸した所長が刺されて殺されます。

四季は両親を殺したのは自分ではなく人形だと
言っていました。
所長は父の弟で叔父です。

部屋の入り口には常時二人が監視しています。
ビデオにも出入りする人は写っていません。

この状態でどうやって犯人は殺人を犯したのでしょう。
もう一人副所長が部屋で殺されて見つかります。

題名の"すべてがFになる"ってFってなんだろうと
思いました。
最後の方でその答えがあっと頭に浮かびました。
なんだ、どうしてわからなかったのだろうと
くやしかったです。
コンピュータの世界でFといえば…
すべてがFになった状態が頭に浮かびました。

1996年が第一刷発行だそうです。
コンピュータの話がなんか古臭いなと思う部分と
入室管理などの仕組みなど近未来の話かと
思う部分とがあって変な気分になります。

子供を面倒をみる人もなくたった一人で暮らさせる
なんてもし本人がそれがいいと言ったとしても
虐待ではないかと思ってしまいます。
この研究所の仕事の仕方、人との交流がほとんど
なくそれぞれが部屋で過ごすなんて辛くはない
のかと思います。
せっかく同じ仕事をするのなら、わいわいと
言いながら過ごせばいいのに。

ずいぶんひどい犯罪です。
すべてがFになるまで待つまでもなく、人を
殺すまでもなく他の方法があるでしょうと
言いたくなりますが、それでは小説が出来上がり
ませんね。

ようこそ夢屋へ 南蛮おたね 夢料理"

2019-01-11 21:00:00 | 

倉阪鬼一郎著"ようこそ夢屋へ 南蛮おたね
夢料理"を読みました。
おたねと誠一郎は安政の大地震で三つの娘の
おゆめを失いました。
炊き出しを行っていた時に知り合ったおりきと
夢屋という店を始めることになりました。
誠一郎は西洋の学問を学んでいます。
店で南蛮料理を出したいと思っています。
手に入り難い材料を探し出し店で使ってもらって
います。
おりきの息子の太助は別の店で修行中です。

薬種問屋の長生堂の跡取り息子の忠吉が思い
病になりました。
おたねの両親は医者です。
父親の玄斎が請われて往診に行きました。
もう手の施しようがない状態です。
夢屋の者たちが少しでも忠吉に食べてもらおうと
南蛮料理めいたものを考えだしては運びました。
忠吉は西洋の学問を学びたいと思っています。
病の床で西洋の医学書の翻訳に取り組んでいます。

いろんな料理が試されます。
卵を使ったものが多いように思います。
キャベツだとかトマトが試験的に栽培され始めた
次期です。
まだまだいいものが育ちませんし、食べ方も
手探り状態の時代です。
時代が変わろうとしている時です。

凜の弦音

2019-01-10 21:00:00 | 

我孫子武丸著"凜の弦音"を読みました。
弓道部の女子高校生を描いたものです。
若干ちょっとした謎解きがあります。
著者の奥様が弓道を十年やっていて5段で
ご本人も初段までやっていたそうです。
なるほど弓道について詳しく書かれています。

凜は中高一貫校で中学から弓道部で頑張って
います。
凜は棚橋千佐子という先生の指導を受けて
いました。
先生は高齢で病気のため引退しました。
先生の家には道場があります。
凜は土曜日に練習に通っていました。
道場で人が死んでいました。
凜は弓道家としての観点から警察にアドバイス
します。

弓道部の部長の綾乃には最初厳しく意見される
ことがありましたがしだいに打ち解けて弓道に
ついて語り合う中になりました。
1年上級の新聞放送部の男子の中田は凜を
追っかけて写真や動画を取っています。
凜はうるさいと思いつつ色々頼みごとをしたり
話しを聞いてもらったりするようになります。
弓道をやっている仲間には凜や綾乃のように
何かを極めようと真剣な者と、学生時代を
弓道で楽しく過ごしたいと思っている者が
います。

中田がネット上に上げた動画で凜は多くの人に
知られるようになりました。

うんと若い芳村先生が指導者になりました。
棚橋先生とはちょっと違う指導方法ですが
弓道に対するにもいろいろあるのだと
理解してきます。

竹製の弓が無くなったという出来事があり
犯人は部員の内にいるのではと疑われました。
この話しはちょっと理解できません。
こんなこと絶対やっちゃいけないことだと
思うのですけど。
私だったらこの人たちとは二度と信頼関係は
結べないと思います。

それはともかく何かに集中している学生たちの
生活はすがすがしいです。

妃は船を沈める

2019-01-09 11:22:23 | 

有栖川有栖著"妃は船を沈める"を読みました。
"第一部猿の左手"と"第二部残酷な揺り籠"から
なってますが二部は二年後に一部の後日談を
思いついて書かれたものだそうです。

"猿の左手"
盆野和憲は夜の埠頭で車に乗ったまま海へ
突っ込み亡くなりました。
自殺のように見えますが殺人ではと疑います。
彼には一億円の保険金が掛けられていました。
借金は五千万ほどあります。
彼の妻の古都美は睡眠ダイエットで成功して
います。

古都美の友人に美松妃沙子がいます。
保険セールスから投資家となり成功しています。
和憲に3900万ほど貸しています。

妃沙子は若者たちを見直に集めてわいわいやる
ことに喜びを見出しています。
その一人の潤一を養子にしています。
数年前に取り巻きの一人が潤一を殺そうとして
間違って別の男を殺し自殺する事件が起きて
います。

妻か妃沙子か潤一が殺したのか調べられました。

"残酷な揺り籠"
前の登場人物の妃沙子が引き続き登場します。
大阪で地震が起きた時間に設楽家の離れで加藤廉が
銃で殺されました。
知り合いの日下部が連絡のないことを心配して
家に行き見つけました。
事件の起きた時、設楽夫妻は送られたワインに
入れられていた睡眠薬で眠らされていました。
設楽夫人は妃沙子でした。
彼女は車椅子生活をするようになっていましたが
幸せな生活を送っていました。
廉は以前は離れで暮らしていましたが、現在は
出ています。

妃沙子は前半と後半とでは生き方が変わっています。
若者を侍らせて楽しんでいた彼女ですが夫との
生活に幸せを感じています。
事件はこのことを契機にして起きました。

月琴亭の殺人 ダブル・ミステリー

2019-01-05 21:00:00 | 

芦辺拓著"月琴亭の殺人 ダブル・ミステリー"を
読みました。
二つの話が最後に繋がります。
本の前から"月琴亭の殺人"、後ろから"ダブル・
ミステリー"が描かれ真中に解決編がはさまれて
います。
後ろからって、左から右に読むの?それつらい
よねって思っていたら横書きになっていました。

"月琴亭の殺人"
森江は幻の映画の上映会を、島に建つ月琴亭という
ホテルで開くという招待状をもらって出かけました。
島は潮が引いた時だけ通れる道で行くことが
できます。
堂ヶ芝は珍盤のレコードがあると、青塚は絶滅した
海蘭の群生地があると、門脇は婚活パーティの
サクラとして呼び集められました。
しかし全部嘘でした。
もう一人連れてこられていたのは首吊り判事と
言われている千々岩という判事です。
4人の人たちは皆千々岩に対して激しい恨みを
もっています。

月琴亭は潮が満ち帰れられなくなり、5人だけが
残されました。
その中で千々岩が殺されました。

"ダブル・ミステリー"
ある女性の手記の形式です。
磯島健太が事故で死にました。
お腹の子の父親です。
さまざまな映像をあつかうファンタスコープという
会社で働いていました。
女性クリエーターの美崎が電車の中で男に
絡まれた直後に亡くなりました。
その男のせいではなかったのですが男も
追い詰められ自殺したように見えます。

二つの事件は繋がりがあり解決編へと続きます。

判事という仕事がここに書かれているようなもの
だったとしたらなんと虚しい仕事なんでしょう。
人として生きている価値がないでしょうと
思ってしまいます。
現実の判事さんがそうだとは言いません。