森沢明夫著"ヒカルの卵"を読みました。
山奥の限界集落に住む人が村を活性化しようとする話です。
登場する人々がやさしくて気持ちがいい本です。
いろんな人が語る形式ですが主人公は二郎、ムーミンに
似ていると言われムーさんと呼ばれています。
同級生の直ちゃんはお母さんのトミ子婆の居酒屋を
手伝っています。
やはり同級生の大吉は中学生の娘の奈々がいます。
人が少なくなっていく村に活気を取り戻そうとムーさんは
たまごかけご飯専門店を開くことを計画します。
ムーさんは養鶏をしています。
自分のところの卵の味には自信があります。
作っている米の夢気分にも自信があります。
山の中のつり橋を渡った先に店を作り無料で食べて
もらおうと計画します。
村の人々の反対にあいます。
でも養鶏場を担保に銀行からお金を借りて実行に
移します。
元寿司職人の源三を雇って350円で開店します。
なかなか食べに来てくれる人はありません。
そのうちにテレビ取材が訪れ食べに来てくれる人が
多くなります。
店がうまくいくようになってムーさんは第二段の
計画を実行します。
野菜の直販店です。
建物を作って村の女性たちに販売を任せます。
ムーさんの計画には第三段もあります。
彼の計画を影から助けてくれる人たちがいます。
跡を継げという父親と不仲になって村で陶芸をしている
ワカメと呼ばれる若部は店の丼を作ることになり
仕事が展開しました。
ムーさんが始めたことで村が元気になります。
現実に何か始めればこんな風に変わっていくことも
あるのでしょうね。
読んでいて気持ちがいい本でした。