キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

昭和30年代の銀座

2017年06月23日 | Weblog
朝、ヤオマサまで買い物がてらの散歩に出る。
途中の農家で、トマト、隠元、ピーマン、胡瓜を買う。
ヤオマサでは、顔見知りの担当者が「高橋さんが気に入るのがあります」といって江の浦に上がった釣り鯵を勧めてくれた。
とれる量が少ないので高かったが、金色に輝いていかにも新鮮で美味そうだったのでいただいた。

昼、先ずはトマトを食べたが、さっきまで木にあったやつなので青くてかたいが瑞々しい甘さで実に美味かった。
鰺はなめろうにしてバケットとカンパーニュに塗って食べた。
メロン、落花生、牛乳。

石原裕次郎の二日目、「嵐を呼ぶ男」を観る。
昨日の「狂った果実」の北原三枝とは全く違いショートカットで綾瀬はるかが似ていると云われているが、これを観るとうなずける。
昨日の北原も綺麗だったが、この北原もちょっとボーイッシュで魅力的だ。
役柄は初めての女性芸能マネージャー渡辺美佐子がモデルだと云われている。
ジャズジャーナリストの金子信男はこの頃から蝙蝠の役柄なんだな、男優の中では一番印象的であった。
昭和30年代前半の銀座には、生の楽団が入ったキャバレーのようなものがあったのだろうか、そこで繰り広げられるヤクザと酒と女と暴力はやっぱり魅力的だ。


夕刻通夜があり家人と出掛けた。
96才での大往生なので悲惨な雰囲気は感じられない通夜であった。
中国では70を越えると葬式はお祝い事になるらしいが、楽団を雇い極楽浄土へ送り出すらしい。
前回は父の通夜にご近所が集まったから4年振りになるが、隣組もこのような機会にしか集まらなくなってしまった。
昔は時折集まって酒を飲んだり、お嫁さんが来るとお茶振舞いしたものだが、地縁もだんだん薄れて行く。
隣の二郎に会い、話をしたが、同い年で中学時代に陸上を一緒にやり、小田原高校でも彼は陸上を続け、筑波大では4年の時に箱根の7区を走った。
小田高時代の同級生で早稲田に行き、3区、5区、9区を走った内野が10日前に喉頭癌で死んだと聞いた。
同じ年頃のやつが死んでゆくのは辛いものだ。

寿司と煮物をつまみ、土佐鶴貯蔵生酒を飲み、故人を偲び話をした。
先日佐藤優の宗教論で飲食を共にすることが重要だとあったが、コミュニュケーションがそれによって深まるのは間違いない、また酒は元々神事の折りに飲んだものが日常に広まったものなのだろう。
うちでも昔は父と祖父が1日と15日に神棚に榊とお神酒、灯明を上げ、お下がりを呑んでいたと云う。

家に帰り、オールフリーを飲み、焼き鳥、春雨炒め、落花生、アイスクリームを食べた。

昼に観た映画の北原美枝の姿と金子信雄の声が耳に残っている。
石原裕次郎は時代が要請しスターになったが、あまり印象に残っていない。
テレビドラマをやり出してからは肥ってしまい、いいところがなかったが、若い頃も背は高いが丸顔で今のセンスから云うと好男子ではない。
戦中派の池辺良や鶴田浩二とは異なった価値観をもった新しい日本人として受けたのだろうか。
コメント
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