ときどき森へ・・・sora日和

~ by 小春 ~

本・西加奈子 「サラバ! 上・下」

2015-03-09 19:27:39 | 図書館本 読書備忘録 
 読書備忘録 

サラバ! 上

 内容(「BOOK」データベースより)
1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに―。

第一章 猟奇的な姉と、僕の幼少時代
第二章 エジプト、カイロ、ザマレク
第三章 サトラコヲモンサマ誕生


               

分厚い本だけれど、全然飽きないで読み終えた。

圷家の長男、歩!といっても、姉の貴子がいるだけだけれど、その長男がお話しています。
世界に対して示す反応が、歩の場合は「恐怖}貴子は「怒り」・・・なるほどね。これはすごいお姉さんであります。

「上」は、歩が生まれてから私立の男子校までのお話。

あの手紙が来なかったらどうだったのだろう?

背中に弁天様が彫られていた大家さんの矢田のおばちゃんのサトラコヲモンサマの話も・・・

「下」が楽しみ!!!

カイロの空港のトイレのくだりで、思わずニタっとしてロシアを思い出した。
入り口でお金を払って入ったトイレの汚かったこと。初めに開けたドアの中がおぞましく、やだ!3つしかない扉、隣を開けても、やだ!ってやっていたら、何してんの!早くお入り!と、言葉はわからなかったけれど、仕草と口調で叱られたことがわかった。
お金とってお掃除しないの?圷家の母娘と同じ感想を持ったことを思い出した。

エジプトはイスラム教だと思っていたけれど、たくさんの人がいるわけでヤコブはコプト教徒だった。ヤコブとの合言葉、サラバ!


サラバ! 下

 内容(「BOOK」データベースより)
父の出家。母の再婚。サトラコヲモンサマ解体後、世間の耳目を集めてしまった姉の問題行動。大人になった歩にも、異変は起こり続けた。甘え、嫉妬、狡猾さと自己愛の檻に囚われていた彼は、心のなかで叫んだ。お前は、いったい、誰なんだ。


第四章 圷家の、あるいは今橋家の、完全なる崩壊
第五章 残酷な未来
第六章 「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」


               

気になっていた須玖が登場したときには、おー!と、声が出た。
よかったよかった・・・よかったのだけれど・・・ま!いろいろあります。

「大切なのは、人が、ひとりひとり違うことをみとめることだ。」
ヤコブ言った。・・・そうヤコブのところに・・・

「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
お姉さんの言葉ね・・・
そっか、物語を書く人に。

生まれた場所に左足から踏み出す。そうそう左足から出てきたからね。


若い人が読んだら力をもらえるかも?と、もう若くはない人は思ったのでした。


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