ときどき森へ・・・sora日和

~ by 小春 ~

本・角田光代 「何も持たず存在するということ」

2018-01-09 06:00:00 | 図書館本 読書備忘録 
何も持たず存在するということ

 内容(「BOOK」データベースより)
へらへらした大人になりたい。大仰さがまるでない大人に。切なく、おかしな、心の記録。最新エッセイ集。


               

 読書備忘録 

世界的受難
タバコのお話・・・昔はね、所かまわずって事だったけれど、徐々に徐々に肩身が狭くなり、今や喫煙場所を探すのも大変になっているみたいでね。

たましい
インコの寿命が尽きるとき・・・ぱたんと止まり木から落ちた。
お母さんの形見のようなインコだったって、眠りについた鳥の顔が亡くなったときのおかあさんによく似ていた。って・・・

見る、それだけでいい
いいんだ・・・よかった。
ごった返したエルミタージュ美術館では、みんなのあとをついて行くのに必死だった。あそこではぐれたら・・・角田さんよりずっと後に行っていますから。
無人のフロアのマティスの前で、角田さんは・・・見る、それだけでいいのだと、教えてくれたのはマティスだったって・・・

部屋の物語、物語の部屋
賃貸住宅運が悪かったってお話
通いの管理人が毎日訪ねてきて・・・わ、うるさい。
次のテラスハウスではのぞき男が出た。
次は階下にヤンキー夫妻。夫が暴力をふるう物音が週一で、挙句の果てに、深夜やってきて、足音がうるさいとすごまれた。って・・・
我が家も賃貸生活長かったから物件数だけいろいろ・・・どのつく田舎で一度も実がならないんだよこの木は!って言われていた梅の木があった。生ごみ回収がなかったところだったからせっせと根元に埋めていたらたわわに実った。おーと近所の友達と言っていたら、どこで聞いたのか、大家さんが軽トラに大きなバケツを乗っけて全部持って行った。お家賃払っているのだから、泥棒じゃない?なんて近所の方に言われたなんてこともあったし、洗濯物を合鍵で入ってとりこんでいてくれた大家さんもいたっけ・・・今思うと好意であってもぞっとする。

黒と色彩ー「対岸の彼女」直木賞受賞のことば
エレベーターの扉が開いたとき・・・なんか一緒に感動しちゃった。

変化と不変ー忌野清志郎
なつかし~い!今、一緒にいる人と日比谷公園デート中、日比谷の野音でライブ中だった。RCサクセション

愛と悔いー田中小実昌
おにぎりのバーは四谷の「英」でした。
たびたび登場していました。

そ・し・て いちばんおっどろいたのは・・・最後の最後
表題の「何も持たず存在するということ」で、なんと小中高にいた風変わりなおじさんがというよりおじいさんが、あの大野一雄さんだったって。体育の先生をしてらしたそうで、思わず、えー・・・っ!なんて声が出た。

2008年の本
年代を感じるところは、たばことか・・・少々あっただけだった。

とても楽しく読んだエッセイでした。

★★★★☆

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