猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

招かれざる隣人

2024-02-15 21:45:49 | 日記
2015年のイギリス映画「招かれざれざる隣人」。

もうすぐ第1子が生まれる予定のケイト(クレマンス・ポエジー)とジャス
ティン(スティーヴン・キャンベル・ムーア)夫妻が暮らすアパートの1階
に、同じく第1子を妊娠中のテレサ(ラウラ・ビルン)とジョン(デヴィッ
ド・モリッシー)夫妻が引っ越してくる。ところがケイトたちの飼い猫が
原因でテレサが階段で転倒し、子供は死産となってしまう。傷心のテレサ
とジョンはドイツに引っ越していくが、ケイトが出産した頃アパートに戻
ってくる。

ある事故をきっかけに身ごもっていた子供を亡くした夫婦が、同じアパー
トに住むもう1組の妊娠中の夫婦に恐るべき罠を仕掛けるサイコ・サスペ
ンス。雰囲気が昔のアメリカ映画「ゆりかごを揺らす手」に似ている。物
語の細かいところは違うのだが、「逆恨み」と「復讐」がテーマであるこ
とは共通している。
アパートの2階に住むケイトは妊娠中でもうすぐ出産予定。夫のジャステ
ィンと仲良く暮らしている。ある日同じく妊娠中のテレサとジョン夫妻が
1階に引っ越してくる。ケイトとテレサは同じ境遇であることから親しみ
を覚える。親交を深めるためにケイトたちはテレサたちをディナーに招待
するが、その席でケイトたちはずっと子供を望んでいなかったが決心して
すぐに妊娠したこと、一方のテレサたちは苦労の末にようやく妊娠したこ
とを互いに打ち明ける。ところがその晩、ケイトたちの飼い猫が原因でテ
レサが階段で転倒し、死産となってしまう。
猫だけでなく廊下の電気をジャスティンが取り換えておらず、暗かったこ
とも原因であり、偶然が重なったとはいえジョンはケイトとジャスティン
に激怒する。しかしこの時ジョンが救急車を呼ばなかったのが変である。
ジャスティンが救急車を呼ぼうとしても「呼ばなくていい!」と怒鳴った。
呼んでいれば子供は助かったかもしれないのに。ジョンはディナーの時か
ら感じが良くなかった。私はもしかしてテレサは本当は妊娠していなかっ
たのでは?と思ったが、プールでのシャワーのシーンがあるのでやはり妊
娠していたようだ。
猫と廊下の電気のせいだけではなく、テレサはジョンに禁酒を言われてい
たのに、ジョンの目を盗んでワインをたくさん飲んでいた。ケイトは妊娠
中なのによくお酒を飲んでいるな、という目で見ていた。だからテレサは
酔っていたことも転倒した原因の1つであるはずだ。だがテレサは飲酒し
ていたことを認めず、ケイトたちだけのせいにしようとする。そして「あ
んたが子供を生むことは許さない」と暴言を吐く。やがてテレサとジョン
はドイツに引っ越していくが、ケイトとジャスティンは心のモヤモヤが取
れないでいた。
そしてケイトが出産した頃、テレサとジョンはアパートに戻ってくる。こ
れもおかしい。嫌な記憶のあるアパートに戻って来ようと思うだろうか。
そしてケイトも、テレサに不信感を持っているはずなのに何故テレサに子
守を頼むのか。テレサが「私が子供を見ててあげるから」と言っても普通
は彼女に預けないと思う。ケイトはNOが言えないお人好しなのだろうか。
プールも、ケイトは用事があると断っているのに、テレサが強引に誘って
連れて行っていた。こういう強引な人とは私だったら付き合いたくない。
そしてケイトとジャスティンの周囲では不審な出来事が続き、ジャスティ
ンはケイトの育児疲れによる妄想だと思ってしまう。
全編に不穏な空気が漂っており、怖い。ジャスティンもマヌケだし、頼り
にならない。わからないところもあった。ケイトは実母と不仲なのだが、
何故不仲なのかわからない。ケイトの昔亡くなった弟も、どうして亡くな
ったのかが描かれていない。墓参りのシーンで、ケイトは弟と仲が良かっ
たであろうことは察せられるのだが。そしてケイトの家系は精神を病みや
すいようだ。おもしろい映画だったが、猫がかわいそうだった。



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2 コメント

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やや逆恨みですね。 (ウラジーミル・アスポン)
2024-02-23 21:37:34
猫に人間を突き飛ばす力は無いと思いますし、テレサは、勝手に自分でコケただけではないですか?!
もちろん💡電球が取り換えていなくて危ないのもあるにしても……。
しかも、テレサは妊婦なのにお酒🍷も飲んでいたのもあって足元がふらついたのに、
それなのにケイトとジョンの夫妻をとことん恨むんですね。逆恨みも混じっています。

テレサの夫のジョンは、妻が階段で転倒した時に、救急車を呼ぼうとしたジャスティンを止めてますね。
テレサ・ジョン夫妻は苦労の末にやっと妊娠出来た筈なのにおかしいですね。
すぐに救急車に乗って病院に行けば助かる可能性もあるのに…。

又、テレサは、飲酒していた事実は認めず、ケイトとジョン夫妻のせいだけにしたんですね。
テレサとジョンの2人は一旦、ドイツに去った後、
そんなに間を置かずに帰ってきますね。
ケイトの出産した頃なら、そんなに時が経ってませんね。

ケイトが「あんたが子供を生むことは許さない」という暴言を過去に吐いたテレサに子供を預けるのはビックリですΣ(・ω・ノ)ノ!
もしも、子供を失ったテレサが現在は子供がいる場合は、過去の事は恨んでいない可能性はあります。
でも、この時に子供もいないし妊娠もしていないテレサは、しつこく根に持っている可能性が高いのです。

しつこく復讐にやってきたテレサとジョン夫妻のせいで、
ケイトとジャスティン夫妻の周りでは不信な事が多いんですね。

ところで、ケイトと実母の不仲の理由は描かれていないけど、
弟の死と関係ありそうですね。
弟とケイトが遊びに行った時に弟が事故にあったのかもしれません。
ケイトが十分に弟を見ていなかったという事で、母がケイトを恨むのかもしれません。
Unknown (杏子)
2024-02-24 18:54:37
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。ややというより完全に逆恨みです。
猫が飛び出してきて驚いたのはたまたまだし、廊下の電球が切れてて暗かったのもたまたま。
それに飲酒(しかも夫の目をぬすんで)で足元がふらついていて、不運が重なっただけです。
ケイトとジャスティン夫婦を恨むのは筋違いです。

ジョンが何故救急車を呼ぶのをやめさせたのかが謎です。
ジョンは何だか最初から感じが悪いです。

ジョンとテレサはケイトが出産した頃アパートに戻ってきますが、
ケイトがテレサに子守りを頼むのも納得できません。
テレサの方から「私が赤ちゃんを見ててあげるから、少し寝たら?」と言って
子守りをやたらしたがるのですが、「あんたが子供を生むのは許さない」なんて
言われた相手にケイトはよく預けるなあと思いました。
ケイトはよっぽど断れない性格なんですかね〜。

ケイトと母との関係、ケイトと弟との関係は最後までわからないままです。
救急車のこともですが、アメリカ映画だとこういった謎は最後にはわかるものですが、
やはりヨーロッパ映画は違いますね。
怖くておもしろかったです。

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