猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

1922

2020-10-20 22:03:17 | 日記
2017年のアメリカ映画「1922」。

1922年。ウィルフレッド(トーマス・ジェーン)は妻アルレット(モリー・パーカー)
と14歳の息子ヘンリー(ディラン・シュミット)とネブラスカ州の田舎で広大な農場
を経営していた。だが、田舎暮らしが嫌で都会に憧れていたアルレットは、自分が
父親から相続した農場と家を売って都会に行くと言い出す。ウィルフレッドはこの
地を離れる気はなく、また隣家の娘シャノン(ケイトリン・バーナード)と交際して
いたヘンリーもやはり離れる気はなかった。ウィルフレッドはヘンリーを引き込み、
2人でアルレットを殺害し、死体を井戸に捨て、彼女が家出をしたかのように偽装
工作を行う。

スティーヴン・キング原作小説の映画化。Netflixオリジナル映画である。私はNe
tflixには加入していないが、観る機会があったので。ウィルフレッドは妻アルレッ
トと息子ヘンリーと農場を経営していた。その農場はアルレットが父親から相続し
たものだった。ウィルフレッドはいずれ農場をヘンリーに継がせようと考えていた
が、アルレットは田舎の生活を嫌い、農場と家を売って都会へ引っ越したいと言い
出す。そのことで夫婦は何度も揉めることになった。やがてアルレットは離婚して
ヘンリーと共に都会へ行くと言い出す。ヘンリーは隣家の娘シャノンと恋愛してお
り、引っ越したくはなかった。ウィルフレッドはヘンリーを説得して、2人でアル
レットを殺害することにした。
ちょっとホラーっぽいサスペンスという感じ。スティーブン・キング原作の映画は
当たり外れがあるが、これはおもしろかった。アルレットを殺して井戸に死体を捨
てたウィルフレッドとヘンリー。ウィルフレッドは妻の服や宝石を一部処分し、彼
女が家出をしたように見せかけた。ある日アルレットが農場を売るつもりで交渉し
ていた会社の弁護士がやって来る。アルレットは家出したと聞くが、高値で売れる
はずだったのに家出するのはおかしいと、弁護士は訝しむ。一旦帰った弁護士だっ
たが、今度は保安官がやって来る。保安官に色々聞かれるが、ウィルフレッドとヘ
ンリーは口裏を合わせ、切り抜ける。
しかしヘンリーは罪の意識で精神的に不安定になっていく。そんな時シャノンが妊
娠していることがわかり、シャノンの父親は激怒する。シャノンと引き離されそう
になったため、ヘンリーとシャノンは駆け落ちをしてしまう。1人きりになったウ
ィルフレッドはやがて精神も肉体も病んでいく。「もしあの時ああしていれば」と
思わせられる映画である。アルレットを殺すという選択は正しかったのだろうか。
完全犯罪は成功したものの、もし殺さなかったとしても、彼女の言う通りに農場を
売って都会へ引っ越して、この家族はうまくやっていけたのだろうか、と思う。
やたらネズミが出てくるので気持ちが悪いが、ネズミはウィルフレッドがしたこと
を象徴する存在になっている。ヘンリーの死体にもぎょっとしたが、何の罪もない
牛もかわいそうだった。ウィルフレッドは死んだ妻の姿を度々見るようになるが、
それが霊なのか幻覚なのかがはっきりわからなかった。あえてわからないように描
かれているのかもしれない。ラストシーンでウィルフレッドはある意味救われたの
だと思った。とても地味で陰惨な映画だがおもしろかった。この暗さがいい。トー
マス・ジェーンは「ディープ・ブルー」のイメージが強いのだが、年をとって渋く
なったなあ。



テーブルでゴシゴシ。

コメント (6)
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