元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ターミネーター4」

2009-07-05 07:14:34 | 映画の感想(た行)

 (原題:Terminator Salvation)予想通り、つまらない。監督が「チャーリーズ・エンジェル」などを撮った“外見的な派手さ”だけが身上のマックGだと聞いた時点で、結果が分かっていた。ならば観なければ良かったじゃないかと言われそうだが、そこは前作までシリーズを追った関係上、単なる“惰性”というやつである(笑)。最近は個人的事情により映画館に足を運べる時間が限られてきたので、明らかに低調な出来映えが予想されるシャシンは鑑賞リストから除外しようと考えている今日この頃だ。

 まず何がダメかというと、当シリーズの特徴であるタイムスリップをネタにしたSF色が完全に払拭され、単なる賑々しいドンパチ映画に終わっていることだ。いや、正確に言うと素材としてのタイムリープは一応挿入はされている。でも、この“過去からやってきた男”であるというサム・ワーシントン扮するマーカスの位置付けが最後まで分からない。

 彼は元・死刑囚だったが、何かの実験に参加させられるために“改造”された後に別の時間軸へ送られる。ところがその意図に合理性はない。一応ラスト近くで説明らしきものが示されるが、辻褄は合わないままだ。終わってみれば作劇上で“ちょっと変わった戦闘能力を持つキャラクター”として扱われるのみである。それならば最初からタイムスリップなんて扱わない方が数段マシだった。

 他にも筋書きには突っ込み所は散見されるが、いちいち指摘する気にもならない(爆)。それでも戦闘場面が優れているならばあまり文句は出ないところだが、これがどうも気勢が上がらない。最終戦争後の荒涼とした地上で展開するバトルは、明らかに「マッドマックス」シリーズのエピゴーネンであり新鮮味はない。彩度を落とした画調もワザとらしく思える。CGを多用した映像はハデだが、それほど驚くようなアクションの段取りは見当たらない。ガチャガチャとうるさいだけの一本調子な展開は、しばらく見ているといい加減飽きてくる。

 だいたい劇中にはスカイ・ネットの本拠地はサンフランシスコにあるという設定ながら、実態はただの“新型ターミネーター製造工場”でしかなく、そいつを潰しても果たして大勢に影響が出てくるのか不明だ。相手方の基本的スタイルと人類側の体制を詳説することから始めた方が良かったのではないだろうか。

 クリスチャン・ベールやブライス・ダラス・ハワードなどのキャストも魅力無し。ならばということで終盤には“あの人”まで引っ張り出してくるが、これも“何を今さら”という感じだ。ハッキリ言ってこのシリーズは二作目で完結している。あとは蛇足であり、今後続編が作られるとしても観なければならない理由はなさそうだ。

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