元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

中洲大洋映画劇場が閉館。

2024-04-01 06:08:31 | 映画周辺のネタ
 去る2024年3月31日をもって、福岡市博多区中洲にある映画館、大洋映画劇場が閉館した。当劇場は1946年4月にオープン。300人以上のキャパを持つ規模の劇場として長らく営業を続けていたが、建物の老朽化のため取り壊しが決まったものだ。

 最盛期には21館もあったらしい中洲地区の映画館も大半が姿を消し、唯一残っていた大洋劇場も今回終焉を迎えたということで、映画ファンとして感慨深いものがある。とはいえ、私は出身こそ福岡市だが幼少期から青年期までは福岡県以外に住んでいたため、リアルタイムで中洲の映画街の雰囲気を味わった時期はそれほど長くはない。特に2000年代以降はシネマコンプレックスの隆盛により、従来型の映画館は存在感が小さくなっていた。だから今回の大洋劇場の閉館も仕方がないとも言える。



 昔は映画館というものは歓楽街とセットになっていたようだ。中洲地区に映画館が多かったのも当然だろう。しかし、現在は映画館は主に繁華街やショッピングモールの中に存在する。映画という娯楽の在り方に関しては、今の方が的確だと思う。最近でも大洋劇場に足を運ぶことはあったのだが、朝一番の回を観る際に、徹夜で遊んだと思しきホスト連中や客たちが劇場の周囲で嬌声をあげている状況は、どう見ても映画鑑賞に相応しい環境ではない。

 確かに、大洋劇場は従来型の映画館ともシネコンとも、はたまたミニシアターとも違うエクステリアとインテリアを備えていた。バラエティに富んだスクリーンを4つも抱えていたのも異彩を放っていた。ただ、やっぱりあの場所ではこれ以上の映画館の営業は難しい。中洲は、あくまでも飲み屋街なのだ。



 取り壊し後の再開は未定だという。もちろん私もいずれは復活して欲しいと思う。しかし、同じ場所での開館は望んではいない。規模は小さくなってもいいから、映画館の立地に相応しいロケーションに移ってもらいたい。具体的に挙げるとすれば、中央区天神地区だろう。あのエリアも今では一館(TOHOシネマズ 天神・ソラリア館)しか営業していないが、人通りは途切れることは無い。番組編成を工夫すれば、ビジネス的に成功すると予想する。

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