団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

ミサイルと水族館

2017年05月15日 | Weblog

①    クラゲ             

②    マンタ ジンベイザメ 

③    イワシ マグロ

①    クラゲ:母の日の14日日曜日、妻が数日前に「クラゲが見たい」と言った。クラゲと言えば水族館である。近所に水族館はない。家から数時間の水族館へドライブをかねて行くことにした。連休明けのせいか道路も水族館も混んでいなかった。妻はクラゲの水槽の前で目を凝らしてクラゲの動きを見ていた。「綺麗だね。不思議だね」を連発した。クラゲの展示室は照明が落とされ、水槽の中の淡い照明だけ。そしてなにやら音楽が、聴けるような聴けないような音量でかけられていた。ストレスを軽減するアロバランスの香りが出ているとパンフレットに書かれていた。妻は日頃相当なストレスを仕事から受けている。私にそれを訴えても、聞いてあげることしかできない。水族館のクラゲはいとも簡単に妻の願いを叶えてくれている。クラゲには適わない。そう思って私もクラゲに見入った。見れば見るほど神秘である。こんなに小さいのに発光する。生命が地球に発生してから、おそらく人間が誕生す前の生命体は、クラゲのようなものであったのだろう。そう考えるだけで私には追い付くことができない目が回るような生命の神秘に飲み込まれそうになった。私は居た堪れなくなって、クラゲの部屋から出た。普通の魚の展示を見てやっと現実の世界に戻れた。妻の海外赴任地に水族館がある国はひとつもなかった。水族館は日本にはたくさんある。帰国してから数年に一度はこうして水族館へ行く。日本に帰って来たな~と思える瞬間である。

②    マンタ ジンベイザメ:沖縄の美ら海水族館で大きなマンタとジンベイザメが泳いでいる姿を見た。まるで大きなビルの壁が一枚のガラスにされたような水槽の中にたくさんの魚が泳いでいた。中でもマンタとジンベイザメに目を奪われた。沖縄の海はきれいだ。だからと言って海の中で私自身がこれだけたくさんの魚を見ることはできない。水族館といういくら大規模な設備であれ、海洋生物が海にいるのとは違う。自然でない狭い場所に閉じ込められた展示生物には申し訳ない。それでも普段なら見られない世界を見せてもらえることは、喜びである。

③    イワシ マグロ:宮城県の松島にマリンピア松島水族館でイワシの大群を見た。また東京の葛西臨海水族園ではマグロの群れを見た。マリンピア松島水族館は東日本大震災の津波の被害に遭い閉館した。しかしあの水族館で見たイワシの群れが泳ぐ姿には感動した。また葛西臨海水族園のマグロは、マグロが次々に死んでしまい一時展示をやめていた。試験的に再びマグロの飼育を始めたようだが、前の事故の原因は解明されていないらしい。

私は水族館が好きだ。日本という海に囲まれ、水族館がたくさんある国に生まれ良かった。北朝鮮がまたミサイルを発射した。菅官房長官は日本の船舶に被害はなかったと発表した。発表を聞きながら、私はミサイルの落下地点の海でまた多くの生物が殺されたに違いないと見てきたばかりの多くの魚を思い出しながら悲しくなった。


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