仙台クラシックフェスティバル2017《第12回》〜第2日
2017年9月30日(土)仙台市内4会場6ホール
昨日に続いて「せんくら2017」の第2日。仙台市内の勾当台公園駅から徒歩5〜6分のところにあるホテルに宿泊、今日は朝一番のコンサートから聴き始めるので、午前7時に起床し、ホテルで朝食を摂って早めにホテルを出、地下鉄の1日乗車券を買って最初の会場に向かう。いざ出陣、という感じに気合いを入れる、これでは観光旅行のイメージではなく、完全に出張の気分だ。何しろ1日ビッシリのスケジュールを組んでいて、コンサートと地下鉄で移動の繰り返し。しかもコンサート後のサイン会や出演者との面談の時間や、自由席の場合の並ぶ時間まで計算に入れての綿密なスケジュールを作ったため、分刻みの行動をすることになってしまった。食事や休憩の時間を入れていなかったので、大変なことになってしまった。今日は7公演を聴く予定していたが、最後のひとつはキャンセルして知人に譲ることにしたため、6公演を聴いた。
今回は3日間、友人の仙台出身のRさんと同行したのだが、東京から来ていた音楽仲間のHさんとも合流、仕事を兼ねてきていたSさんとも顔を合わせた。友人のYさんは今日だけの参戦で日帰りであった。
■公演番号50《世界が認めたチャイコフスキー・コンクール覇者2人のオール・ブラームス・プログラム!》
10:30〜11:15 仙台銀行ホール イズミティ21/小ホール 指定席 1列 13番 1,000円
ヴァイオリン:川久保賜紀
ピアノ:上原彩子
【曲目】
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 作品76「雨の歌」
ブラームス:「F.A.Eソナタ」より 第3楽章 スケルツォ
ブラームス:「ハンガリー舞曲集」より 第1番 ト短調
ブラームス:「ハンガリー舞曲集」より 第2番 ニ短調
2日目も川久保賜紀さんのコンサートから始まるというのが実に嬉しい。今日は上原彩子さんとのデュオで、オール・ブラームス。2002年のチャイコフスキー国際コンクールの最高位を獲得した二人だが、考えてみればもう15年も経つわけで、お二人ともかなりの進化を遂げている。十分に成熟した音楽を創り出していると思う。もう10年以上前になるが、賜紀さんのヴァイオリンを私は「流麗」と表現していた。最近になってなぜ「流麗」に聞こえるのかがやっと分かってきたような気がする。彼女の演奏は、旋律がしなやかに歌う。ひとつひとつの音にもパッセージにも、息継ぎをして呼吸しながら歌うような息づかいが感じられるのである。それはつまり器楽的というよりは歌謡的ということで、その辺りが彼女の音楽性の特徴になっている。だからどんなに技巧的なパッセージであっても、技巧の見事さよりも音楽の豊かさが聞こえてくるのだ。今日、優しくエレガントに歌うブラームスを聴きながら、そんなことを思い起こしていた。
■公演番号29《シューマンの名作、歌曲「女の愛と生涯」歌とピアノの真髄》
12:00〜12:45 日立システムズホール仙台/シアターホール 指定席 1階 D列 21番(最前列)1,000円
メゾ・ソプラノ:林 美智子
ピアノ:横山幸雄
【曲目】
シューマン:歌曲集『ミルテの花』より第1曲「献呈」
シューマン:歌曲集『ミルテの花』より第7曲「はすの花」
シューマン:歌曲集『リーダークライス』より第5曲「月夜」
シューマン:歌曲集『リーダークライス』より第12曲「春の夜」
シューマン:歌曲集『詩人の恋』より第1曲「美しい五月に」
シューマン:歌曲集『詩人の恋』より第7曲「僕は恨まない」
シューマン:歌曲集『女の愛と生涯』
シューマンこそ、ロマン派をそのまま体現した人だと思う。ピアノの曲でも管弦楽でも、そのロマンティックな心情そのものが音楽になっている。それが歌曲ともなれば歌詞があるのでより鮮明になる。そうしたシューマンの歌曲集『ミルテの花』『リーダークライス』『詩人の恋』からそれぞれ2曲ずつと『女の愛と生涯』が、メゾ・ソプラノの林美智子さんによって歌われた。これらの曲はピアノ・パートも単なる伴奏ではなく充実した芸術性を主張するもので、それを横山幸雄さんが弾くという贅沢なプログラムである。横山さんのキレのある鮮やかなピアノに乗せて、林さんの柔らかな歌唱が情感豊かな世界を描き出している。
■公演番号34《旬のデュオで聴くドビュッシー最後の作品》
13:30〜14:15 日立システムズホール仙台/交流ホール 自由席 1列 左ブロック 1,000円
ヴァイオリン:郷古 廉*
ピアノ:田村 響**
【曲目】
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ト長調 作品27-5*
ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31**
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
昨日に続いて郷古 廉さんを聴く。今日もフランス系の音楽だ。イザイの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番」は超絶的な技巧が駆使されているだけでなく、音色にも濃厚な質感があって、表現力の豊かな演奏だ。男性的な力感とピーンと張り詰めた緊張感のバランスが良い。田村 響さんのソロによるショパンの「スケルツォ第2番」は、どういうわけか妙に力が入っていないような感じで、誰かが「モーツァルトみたい」と言っていた。デュオによるドビュッシーの「ヴァイオリン・ソナタ」は、やはりピアノが弱いため思いの外色彩感が出て来ないような印象となってしまったのが惜しい。
■公演番号42《白鳥、妖精の踊り、夢のあとに・・・心に響くチェロの音色》
15:45〜16:30 エル・パーク仙台/スタジオホール 自由席 1列中央 1,000円
チェロ:上村文乃
ピアノ:三又瑛子
【曲目】
サン=サーンス:組曲『動物の謝肉祭』より「白鳥」
フォーレ:夢のあとに
フォーレ:エレジー
ポッパー:妖精の踊り
倉田 高:日本人形の踊り
レスピーギ:アダージョと変奏
ヒナステラ:パンペアーナ~大草原風~
チェロの上村文乃さんは今回が「せんくら」デビュー。120席ほどの小さな会場で自由席だったが、タイムスケジュールが絶妙でうまく並ぶことができ、いつもサロンコンサートで聴いているように最前列・目の前の席を確保できた。「白鳥」や「夢のあとに」などお馴染みのチェロの小品が並ぶ。上村さんのチェロは、大らかで豊かな響きと明るい音色ょ持ち、その意味では大変分かりやすくチェロの魅力を発揮していたと思う。「妖精の踊り」ではハイポジションの超絶技巧!! 高度なテクニックと伸びやかな表現力を併せ持つ上村さんである。サイン会などが予定されていなかったので楽屋に突撃してご挨拶。仙台まで遠征してきて、何人もの親しい演奏家に会えるというのも、出演者と聴衆の距離感が小さい「せんくら」ならではのことだ。
■公演番号39《THE エンタテイナー! ジョップリンとピアソラ ラグタイムからタンゴまで》
17:15〜18:00 エル・パーク仙台/ギャラリーホール 自由席 1列 中央 1,000円
ピアノ:三舩優子
【曲目】
ジョップリン:ピーチェリン・ラグ
ジョップリン:メイプル・リーフ・ラグ
ジョップリン:エンタテイナー
モートン:映画『海の上のピアニスト』より「クレイヴ」
ピアソラ:ピアノのための組曲 第1番 作品2 より「プレリュード」「シシリアーナ」「トッカータ」
ピアソラ:ピアノのための3つの前奏曲 より「レイヒアのゲーム」(ピアノのためのタンゴ前奏曲)
ピアソラ:ピアノのための3つの前奏曲 より「サニーのゲーム」(ピアノのためのワルツ前奏曲)
ピアソラ:天使のミロンガ
ピアソラ:リベルタンゴ
この前の上村さんとは隣の部屋で、こちらも248席の自由席で三舩優子さんのリサイタル。昨年の公演でジョップリンが好評だったということで、再演が望まれたのだとか。確かに、ラグタイムのピアノを本格的に採り上げるピアニストは少なそうだから、三舩さんクラスの本格派がこの手の曲を軽快に演奏してくれるのは楽しい。後半は、これもまたちょっと珍しいピアソラのピアノ曲。完全なタンゴの曲ではなくても、そこはピアソラ。ラテン・アメリカの旋律線とリズム感は特有のものだ。ピアノで聴くのもなかなか良いものである。
■公演番号25《一夜だけのドリームチーム。名曲で聴く弦楽アンサンブルの極致!》
19:00〜20:00 日立システムズホール仙台/コンサートホール 指定席 B列 19番(最前列)1,500円
〈せんくら・フェスティバル・ソロイスツ〉
ヴァイオリン:川久保賜紀、成田達輝、スヴェトリン・ルセフ、神谷未穂、礒絵里子、青木尚佳
ヴィオラ:井野邉大輔、飯川直美
チェロ:三宅 進、原田哲男
コントラバス:助川 龍
チェンバロ:梅津樹子
【曲目】
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
(コンサートマスター:神谷美穂)
ヴィヴァルディ:合奏協奏曲集『調和の霊感』より「2つのヴァイオリンのための協奏曲」
(ヴァイオリン独奏:川久保賜紀、成田達輝/コンサートマスター:スヴェトリン・ルセフ)
グリーグ:ホルベルク組曲
(コンサートマスター:スヴェトリン・ルセフ)
この公演こそ、今回の仙台遠征の大きな目的のひとつであった。フェスティバルのために仙台に集ったソリスト達の夢の饗宴である。とくにヴァイオリンの6名の名を見れば、この名手達が一夜限りの弦楽アンサンブルを組むというのを、東京から聴きに来る価値もあろうかというものだ。川久保賜紀さんや礒絵里子さんという一流のソリストに、成田達輝さんと青木尚佳さんという新進気鋭のソリストが加わる。スヴェトリン・ルセフさんは第1回仙台国際音楽コンクールの優勝者、神谷未穂さんは仙台フィルのコンサートマスターである。一方、ヴィオラの井野邉大輔さんは仙台フィルの首席、チェロの三宅 進さんも仙台フィルの首席、原田哲男さんは同元首席のソリスト、コントラバスの助川 龍さんも仙台フィルの首席である。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」では神谷さんがコンマス、賜紀さんがトップサイドで礒さんが2列目という豪華な布陣。第2ヴィオラはルセフさんが首席でトップサイドに成田さん、2列目に尚佳さんというもったいないくらいの陣容だ。そこから繰り出される音楽の何と豊潤な響きか!
「2つのヴァイオリンのための協奏曲」ではヴァイオリン独奏を賜紀さんと成田さんが受け持つという、さらに豪華なコンチェルト。曲の方が負けてしまいそうなくらい、艶やかで華やかな演奏だ。
「ホルベルク組曲」ではルセフさんと神谷さんが交替。さすがにこのクラスの人たちが集まると、アンサンブルが一糸乱れぬどころか、分厚くエネルギーが満ちて、まるで光り輝くよう。圧倒的な質感である。この曲は在京のオーケストラなどでも時々聴く機会があるが、それらを遥かに凌駕した演奏であった。これはBravo!!間違いなし。
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2017年9月30日(土)仙台市内4会場6ホール
昨日に続いて「せんくら2017」の第2日。仙台市内の勾当台公園駅から徒歩5〜6分のところにあるホテルに宿泊、今日は朝一番のコンサートから聴き始めるので、午前7時に起床し、ホテルで朝食を摂って早めにホテルを出、地下鉄の1日乗車券を買って最初の会場に向かう。いざ出陣、という感じに気合いを入れる、これでは観光旅行のイメージではなく、完全に出張の気分だ。何しろ1日ビッシリのスケジュールを組んでいて、コンサートと地下鉄で移動の繰り返し。しかもコンサート後のサイン会や出演者との面談の時間や、自由席の場合の並ぶ時間まで計算に入れての綿密なスケジュールを作ったため、分刻みの行動をすることになってしまった。食事や休憩の時間を入れていなかったので、大変なことになってしまった。今日は7公演を聴く予定していたが、最後のひとつはキャンセルして知人に譲ることにしたため、6公演を聴いた。
今回は3日間、友人の仙台出身のRさんと同行したのだが、東京から来ていた音楽仲間のHさんとも合流、仕事を兼ねてきていたSさんとも顔を合わせた。友人のYさんは今日だけの参戦で日帰りであった。
■公演番号50《世界が認めたチャイコフスキー・コンクール覇者2人のオール・ブラームス・プログラム!》
10:30〜11:15 仙台銀行ホール イズミティ21/小ホール 指定席 1列 13番 1,000円
ヴァイオリン:川久保賜紀
ピアノ:上原彩子
【曲目】
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 作品76「雨の歌」
ブラームス:「F.A.Eソナタ」より 第3楽章 スケルツォ
ブラームス:「ハンガリー舞曲集」より 第1番 ト短調
ブラームス:「ハンガリー舞曲集」より 第2番 ニ短調
2日目も川久保賜紀さんのコンサートから始まるというのが実に嬉しい。今日は上原彩子さんとのデュオで、オール・ブラームス。2002年のチャイコフスキー国際コンクールの最高位を獲得した二人だが、考えてみればもう15年も経つわけで、お二人ともかなりの進化を遂げている。十分に成熟した音楽を創り出していると思う。もう10年以上前になるが、賜紀さんのヴァイオリンを私は「流麗」と表現していた。最近になってなぜ「流麗」に聞こえるのかがやっと分かってきたような気がする。彼女の演奏は、旋律がしなやかに歌う。ひとつひとつの音にもパッセージにも、息継ぎをして呼吸しながら歌うような息づかいが感じられるのである。それはつまり器楽的というよりは歌謡的ということで、その辺りが彼女の音楽性の特徴になっている。だからどんなに技巧的なパッセージであっても、技巧の見事さよりも音楽の豊かさが聞こえてくるのだ。今日、優しくエレガントに歌うブラームスを聴きながら、そんなことを思い起こしていた。
■公演番号29《シューマンの名作、歌曲「女の愛と生涯」歌とピアノの真髄》
12:00〜12:45 日立システムズホール仙台/シアターホール 指定席 1階 D列 21番(最前列)1,000円
メゾ・ソプラノ:林 美智子
ピアノ:横山幸雄
【曲目】
シューマン:歌曲集『ミルテの花』より第1曲「献呈」
シューマン:歌曲集『ミルテの花』より第7曲「はすの花」
シューマン:歌曲集『リーダークライス』より第5曲「月夜」
シューマン:歌曲集『リーダークライス』より第12曲「春の夜」
シューマン:歌曲集『詩人の恋』より第1曲「美しい五月に」
シューマン:歌曲集『詩人の恋』より第7曲「僕は恨まない」
シューマン:歌曲集『女の愛と生涯』
シューマンこそ、ロマン派をそのまま体現した人だと思う。ピアノの曲でも管弦楽でも、そのロマンティックな心情そのものが音楽になっている。それが歌曲ともなれば歌詞があるのでより鮮明になる。そうしたシューマンの歌曲集『ミルテの花』『リーダークライス』『詩人の恋』からそれぞれ2曲ずつと『女の愛と生涯』が、メゾ・ソプラノの林美智子さんによって歌われた。これらの曲はピアノ・パートも単なる伴奏ではなく充実した芸術性を主張するもので、それを横山幸雄さんが弾くという贅沢なプログラムである。横山さんのキレのある鮮やかなピアノに乗せて、林さんの柔らかな歌唱が情感豊かな世界を描き出している。
■公演番号34《旬のデュオで聴くドビュッシー最後の作品》
13:30〜14:15 日立システムズホール仙台/交流ホール 自由席 1列 左ブロック 1,000円
ヴァイオリン:郷古 廉*
ピアノ:田村 響**
【曲目】
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ト長調 作品27-5*
ショパン:スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31**
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
昨日に続いて郷古 廉さんを聴く。今日もフランス系の音楽だ。イザイの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番」は超絶的な技巧が駆使されているだけでなく、音色にも濃厚な質感があって、表現力の豊かな演奏だ。男性的な力感とピーンと張り詰めた緊張感のバランスが良い。田村 響さんのソロによるショパンの「スケルツォ第2番」は、どういうわけか妙に力が入っていないような感じで、誰かが「モーツァルトみたい」と言っていた。デュオによるドビュッシーの「ヴァイオリン・ソナタ」は、やはりピアノが弱いため思いの外色彩感が出て来ないような印象となってしまったのが惜しい。
■公演番号42《白鳥、妖精の踊り、夢のあとに・・・心に響くチェロの音色》
15:45〜16:30 エル・パーク仙台/スタジオホール 自由席 1列中央 1,000円
チェロ:上村文乃
ピアノ:三又瑛子
【曲目】
サン=サーンス:組曲『動物の謝肉祭』より「白鳥」
フォーレ:夢のあとに
フォーレ:エレジー
ポッパー:妖精の踊り
倉田 高:日本人形の踊り
レスピーギ:アダージョと変奏
ヒナステラ:パンペアーナ~大草原風~
チェロの上村文乃さんは今回が「せんくら」デビュー。120席ほどの小さな会場で自由席だったが、タイムスケジュールが絶妙でうまく並ぶことができ、いつもサロンコンサートで聴いているように最前列・目の前の席を確保できた。「白鳥」や「夢のあとに」などお馴染みのチェロの小品が並ぶ。上村さんのチェロは、大らかで豊かな響きと明るい音色ょ持ち、その意味では大変分かりやすくチェロの魅力を発揮していたと思う。「妖精の踊り」ではハイポジションの超絶技巧!! 高度なテクニックと伸びやかな表現力を併せ持つ上村さんである。サイン会などが予定されていなかったので楽屋に突撃してご挨拶。仙台まで遠征してきて、何人もの親しい演奏家に会えるというのも、出演者と聴衆の距離感が小さい「せんくら」ならではのことだ。
■公演番号39《THE エンタテイナー! ジョップリンとピアソラ ラグタイムからタンゴまで》
17:15〜18:00 エル・パーク仙台/ギャラリーホール 自由席 1列 中央 1,000円
ピアノ:三舩優子
【曲目】
ジョップリン:ピーチェリン・ラグ
ジョップリン:メイプル・リーフ・ラグ
ジョップリン:エンタテイナー
モートン:映画『海の上のピアニスト』より「クレイヴ」
ピアソラ:ピアノのための組曲 第1番 作品2 より「プレリュード」「シシリアーナ」「トッカータ」
ピアソラ:ピアノのための3つの前奏曲 より「レイヒアのゲーム」(ピアノのためのタンゴ前奏曲)
ピアソラ:ピアノのための3つの前奏曲 より「サニーのゲーム」(ピアノのためのワルツ前奏曲)
ピアソラ:天使のミロンガ
ピアソラ:リベルタンゴ
この前の上村さんとは隣の部屋で、こちらも248席の自由席で三舩優子さんのリサイタル。昨年の公演でジョップリンが好評だったということで、再演が望まれたのだとか。確かに、ラグタイムのピアノを本格的に採り上げるピアニストは少なそうだから、三舩さんクラスの本格派がこの手の曲を軽快に演奏してくれるのは楽しい。後半は、これもまたちょっと珍しいピアソラのピアノ曲。完全なタンゴの曲ではなくても、そこはピアソラ。ラテン・アメリカの旋律線とリズム感は特有のものだ。ピアノで聴くのもなかなか良いものである。
■公演番号25《一夜だけのドリームチーム。名曲で聴く弦楽アンサンブルの極致!》
19:00〜20:00 日立システムズホール仙台/コンサートホール 指定席 B列 19番(最前列)1,500円
〈せんくら・フェスティバル・ソロイスツ〉
ヴァイオリン:川久保賜紀、成田達輝、スヴェトリン・ルセフ、神谷未穂、礒絵里子、青木尚佳
ヴィオラ:井野邉大輔、飯川直美
チェロ:三宅 進、原田哲男
コントラバス:助川 龍
チェンバロ:梅津樹子
【曲目】
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
(コンサートマスター:神谷美穂)
ヴィヴァルディ:合奏協奏曲集『調和の霊感』より「2つのヴァイオリンのための協奏曲」
(ヴァイオリン独奏:川久保賜紀、成田達輝/コンサートマスター:スヴェトリン・ルセフ)
グリーグ:ホルベルク組曲
(コンサートマスター:スヴェトリン・ルセフ)
この公演こそ、今回の仙台遠征の大きな目的のひとつであった。フェスティバルのために仙台に集ったソリスト達の夢の饗宴である。とくにヴァイオリンの6名の名を見れば、この名手達が一夜限りの弦楽アンサンブルを組むというのを、東京から聴きに来る価値もあろうかというものだ。川久保賜紀さんや礒絵里子さんという一流のソリストに、成田達輝さんと青木尚佳さんという新進気鋭のソリストが加わる。スヴェトリン・ルセフさんは第1回仙台国際音楽コンクールの優勝者、神谷未穂さんは仙台フィルのコンサートマスターである。一方、ヴィオラの井野邉大輔さんは仙台フィルの首席、チェロの三宅 進さんも仙台フィルの首席、原田哲男さんは同元首席のソリスト、コントラバスの助川 龍さんも仙台フィルの首席である。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」では神谷さんがコンマス、賜紀さんがトップサイドで礒さんが2列目という豪華な布陣。第2ヴィオラはルセフさんが首席でトップサイドに成田さん、2列目に尚佳さんというもったいないくらいの陣容だ。そこから繰り出される音楽の何と豊潤な響きか!
「2つのヴァイオリンのための協奏曲」ではヴァイオリン独奏を賜紀さんと成田さんが受け持つという、さらに豪華なコンチェルト。曲の方が負けてしまいそうなくらい、艶やかで華やかな演奏だ。
「ホルベルク組曲」ではルセフさんと神谷さんが交替。さすがにこのクラスの人たちが集まると、アンサンブルが一糸乱れぬどころか、分厚くエネルギーが満ちて、まるで光り輝くよう。圧倒的な質感である。この曲は在京のオーケストラなどでも時々聴く機会があるが、それらを遥かに凌駕した演奏であった。これはBravo!!間違いなし。
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