Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

4/12(金)東京・春・音楽祭/15周年ガラコンサート/一夜限りの豪華スター歌手たちの饗宴/やはりピーター・ザイフェルトが圧倒的な存在感

2019年04月12日 23時00分00秒 | クラシックコンサート
東京・春・音楽祭 2019
The 15th Anniversary Gala Concert


2019年4月12日(金)18:30〜 東京文化会館・大ホール A席 1階 3列 20番 12,900円
指揮:フィリップ・オーギャン
ソプラノ:ミーガン・ミラー
メゾ・ソプラノ:エリーザベト・クールマン
テノール:ペーター・ザイフェルト
バリトン:ジョン・ルンドグレン
バス:イェンス=エリック・オースボー
管弦楽:読売日本交響楽団
【曲目】
チャイコフスキー:歌劇『エフゲニー・オネーギン』第3幕より「ポロネーズ」(管弦楽のみ)
チャイコフスキー:歌劇『エフゲニー・オネーギン』第3幕よりグレーミンのアリア「恋は年齢を問わぬもの」(オースボー)
ハイドン:オラトリオ『天地創造』 第2部より第22曲「今や天はこの上なく輝き」(ルンドグレン)
R.シュトラウス:歌劇 『エレクトラ』より 「ひとりだ!なんと悲しいこと」(ミラー)
ワーグナー:舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』第3日『神々の黄昏』第1幕より「私の言うことをよく聞いてください!」(クールマン)
ヴェルディ:歌劇 『オテロ』第2幕 より オテロとイアーゴの二重唱「神にかけて誓う」(ザイフェルト、ルンドグレン)

ワーグナー:楽劇 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲(管弦楽)
ワーグナー:歌劇 『さまよえるオランダ人』第2幕より ダーラントのアリア「我が子よ、いらっしゃいをお言い」(オースボー)
ワーグナー:歌劇 『タンホイザー』第2幕 より 歌の殿堂のアリア「おごそかなこの広間よ」(ミラー)
ワーグナー:歌劇 『ローエングリン』第3幕 より グラール語り「はるかな国に」(ザイフェルト)
ワーグナー:舞台神聖祝典劇 『パルジファル』第3幕より「その通り!ああ!哀しくもつらいこの身」(ルンドグレン)
ワーグナー:舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』第1日『ワルキューレ』第2幕より「それならば、永遠の神々はもうお仕舞なのですか」(クールマン)
ワーグナー:舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』第1日『ワルキューレ』第1幕より「寝ているのですか?客人よ」〜「ジークムント、ヴェルゼの子よ!」(ミラー、ザイフェルト)

 「東京・春・音楽祭」は今年2019年の開催で第15回を迎える。本日はそれを記念するガラ・コンサートだ。この音楽祭でメインに採り上げて来たワーグナー・シリーズも10回目を迎え、先週4月5日と7日に初期のオペラ『さまよえるオランダ人』を演奏会形式で上演した。そして本日のガラ・コンサートでは、ワーグナー作品のオペラ・アリアを中心としたプログラムで、世界クラスの一流のオペラ歌手たちが、自慢の歌唱を披露することになった。
 その歌手たちとは、ソプラノがミーガン・ミラーさん、メゾ・ソプラノはエリーザベト・クールマンさん、テノールがペーター・ザイフェルトさん、バリトンはジョン・ルンドグレンさん、バスがイェンス=エリック・オースボーさんという顔ぶれだ。先週の『さまよえるオランダ人』に出演した中からは、ザイフェルトさんとオースボーさんが登場した。
 歌唱の方は、皆さん世界のトップクラスの人たちだけあって、見事な歌唱が次々と続く。最初のチャイコフスキーは意外なプログラムのようにも思えたが、後はヴェルディの『オテロ』を除いてすべてがドイツもので占められ、とくに後半はワーグナー三昧となった。出演者がほぼ均等にアリアを歌うというプログラム構成で、ザイフェルトさんは前半・後半に1曲ずつ二重唱も歌った。
 5名の歌手は皆素晴らしい実力の持ち主で、ドイツ・オペラ、とくにワーグナーを歌うにあたっては、まあとにかくスゴイ。力感、質感とも抜群で、やはり経験の深さと慣れを感じる。日本人歌手にはなかなかこういった地力を感じさせる人は見当たらないような気がした。とくに、ザイフェルトさんの歌唱力は圧倒的で、『さまよえるオランダ人』では主役でなかった分だけ、あるいは3曲だけだったためか、圧倒的な存在感があり、その迫力には痺れるような感動(あるいは快感)に貫かれた思いだ。オペラは何だかんだといっても、主役の歌手次第で最終的にはすべてが決まる。ザイフェルトさんのような逸材がいるだけで、その場の空気感が全然違ってくるのだ。今回の音楽祭で2つのコンサートを聴いて、すっかりファンになってしまった。
 ワーグナー作品は独立したアリアであっても曲が途切れないので、始まりも終わらせ方もちょっと難しい。指揮のフィリップ・オーギャンさんは、そのような切れ切れのワーグナー作品をうまくまとめていた。管弦楽は読売日本交響楽団がステージに上がった。最近はオペラのピットに入る機会も多くなって来ているだけあって、オペラ的な歌唱に会わせる柔軟性を身に付けている。爆音を轟かせる時の読響は非常にノリがよくなるので、ワーグナー作品を中心に中々素晴らしい演奏を展開した。いざという時に馬力を発揮できる読響ならではの、迫力と色彩美に包まれた良い演奏だったと思う。
 全体を通してみれば、それはもう贅沢な、夢のようなガラ・コンサートだつたといえる。これだけのメンバーと楽曲によるコンサートは、本国のドイツでも中々できないのではないだろうか。至福の一夜であった。


今年の「東京・春・音楽祭」では各会場に音楽祭のロゴ入りの酒樽が置かれていた。


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