玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*人生相談

2021年04月29日 | 捨て猫の独り言

 「人生経験豊かな高橋源一郎さんに、悩みごとを相談してみませんか」のコーナーが新聞に毎週掲載される。高橋源一郎の回答は含蓄に富み直截的な物言いで、なかなかの説得力がある。1950年の元旦生まれ、1970年学生運動に加わって凶器準備集合罪で逮捕され、半年間東京拘置所で過ごす。

 20代の10年間は土建会社などの肉体労働に従事。1981年「さよなら、ギャングたち」で作家デビュー。1988年「優雅で感傷的な日本野球」で得た三島由紀夫賞の賞金を競馬の日本ダービーに突っ込みすべて使い果たす。それを契機にしばらく競馬評論家など続ける。4度の離婚歴と5度の結婚歴がある。

 

 62歳の女性からの「生きていても楽しくありません。早く亡き父母のところへ行ってしまいたい」という相談があった。その回答「人生がすっかり楽しくなくなってしまった場合の処方箋、実はあります。効果があることは実証済みです。何もかもなくしてしまえばいいんです。まずは貯金を使い切る。ギャンブルやお酒はどうでしょう。宗教にはまってもいいです。できたらインチキくさいやつに。(中略)

 最後は路上で倒れ〈あのつまらないと思った日常こそ最高だった〉と死ぬほど後悔する。いまより、ずっと刺激的な生活を送れます。どうぞお試しください。そこから戻れたら、たぶん楽しい生活が待っています。戻れなくても、いいですよね。少しの間でも楽しめれば」また高橋源一郎はNHKラジオ金曜夜の「飛ぶ教室」でも活躍中だ。 

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*多摩湖&狭山湖

2021年04月26日 | 捨て猫の独り言

 自転車のタイヤを交換して、ついでにチェーンのたるみを修正してもらったところ、戦車のキャタピラが出すような金属音をたてるようになった。たるみを修正してくれたのは、その熟練の技術を私がいつも尊敬している自転車屋さんだ。タイヤ交換した直後なので、経済性の観点から当分は、カリカリと音を出しながら乗り回すことにした。

 年に一度だが新緑の季節に多摩湖へサイクリングに出かける。ある時から、多摩湖の堤体の横にある急傾斜の短い坂道を登り切ることができるかどうかを体力のバロメーターとすることにした。サイクリングは体力テストをかねるのである。今年も無事に堤体の上まで登ることができて、シンボルの取水塔が見える広場で一息ついた。

 

 遠くに遊園地の大観覧車、野球場の白い屋根、森に囲まれた湖面、広がる空の風景の中に自分が溶け込んでゆく。アトランタに住む孫娘二人を、一度もこの場所に連れて来てないことを思いだし、ちょっぴり悔やんだ。おそらく孫たちの滞在中は気温が高くて、出かける陽気でなかったのだろう。ここは新緑の頃が一番だ。

 最近になって多摩湖と狭山湖は地震対策の「堤体強化」工事が行なわれた。まず狭山湖が2002年に、多摩湖が2008年に完了した。現在は多摩湖を上と下に分ける湖中央にある堤体の強化工事が2023年完成を目指して進行中だった。特殊な工事である。下の湖の一部は鋼板矢板で「仮締め切り」され、水が抜かれ湖底が露出している。生活道路でもある堤体を強化盛土するために、湖底をダンプが行き交っていた。

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*夏野菜の植え付け

2021年04月22日 | 玉川上水の四季

 新聞の折り込みに「農協」の夏野菜苗の予約票があった。来客の蜜を避けるためである。書き込んで直接申し込めばその場で日時が指定され、後日受け取りに行くことになる。接木の苗は実生のそれより2倍の価格だ。例年より早く4月17日に植え付けた。(苗の記念写真と人気のキンラン)

 

 ところがカボチャ実生220円、小玉スイカ接木290円の、それぞれ数量1が申し込まれていた。これらは育てた経験のないものだし、狭い場所でツルが伸びて大変なことになりそうだ。深呼吸して新しい事態に対処してゆくしかない。

 便利なものでパソコンは、接木と実生のメリットとデメリットをすぐに教えてくれる。接木はそれなりの技術と手間が必要というから素人には苗づくりは無理のようだ。接木の場合は、台木から出てきた腋芽をすぐに取り除くことが肝要だという。

 夏野菜を育てる一番の楽しみは、孫たちが来て共に手入れしそして収穫することだった。それは失われた。ペットを慈しむ代わりに野菜作りにいそしむ。昨年の初めてのニンジンは収穫ゼロに終わった。6月半ばの収穫を予定している初めての玉ねぎはどうか。

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*ボビー・ジョーンズ

2021年04月19日 | 捨て猫の独り言

 生涯においてゴルフなるものに縁のない私が、マスターズトーナメントという男子ゴルフのメジャー大会が毎年4月にアメリカのジョージア州オーガスタで開かれていることを知ったのは1年以上前のことである。旅行前に娘の住むアトランタについての情報を収集している時に知った。

 オーガスタはアトランタから車で2時間ほどのところにあるジョージア州第2の都市である。大西洋のビーチに3泊4日の家族旅行のあとに、長いドライブの途中、オーガスタの静かな町を通って帰ったことが思い出される。マスターズの創設者ボビー・ジョーンズの墓がアトランタのオークランド墓地にある。今回の松山英樹のマスターズ優勝を契機に、創設者についてさらに調べてみた。

 ロバート・タイアー・ジョーンズ・ジュニア(1902~1921)はアトランタ生まれのゴルファー、弁護士で愛称はボビー。終生アマチュアを貫き、28歳の1930年に年間グランドスラム(4冠)達成の7週間後に競技生活から引退する。弁護士業務の傍らマスターズ・トーナメントの創設やそのマスターズが開催されるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブのコース設計にも携わる。1974年に最初に世界ゴルフ殿堂入り、「球聖」と呼ばれる。(右は競馬の桜花賞)

  

 アトランタの娘からつぎのようなメールが来た。「アガスタの松山選手について、雨で中断のときはクラブハウスで他の選手との会話を避けて自分の車の中で雨が上がるのを待つ。何億円稼いでもミニバンを運転し、コマーシャルの飛行機でアトランタ、シカゴ経由で日本に帰るなど彼のシャイでひけらかさないところを報道しています。また優勝の瞬間、松山選手のキャディがコースに帽子をとり一礼する場面を、リスペクトが素晴らしいと讃えています」

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*白日会展(2)

2021年04月15日 | 捨て猫の独り言

 出品数の少ない彫刻部門で、鹿児島の丸田多賀美の作品「昼寝の時間」があった。一般の部での初入選とある。これまで「日展」で二度ほど彼女のユーモラスでおおらかな印象の大型の作品を見てきた。それらにくらべると今回は小ぶりな彫刻である。右は同じく鹿児島で会員の美坂廣太郎の「distance」。

 

 いつものように気の向くままにいくつかの作品を撮影して回る。曇天の外へ出ると、幸いにも雨は落ちてきていない。せっかくのことだから近くの青山霊園の中央にある桜並木を見学して帰ることにした。通り沿いには大久保利通のどでかい墓所もある。

 

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*清明の頃

2021年04月12日 | 玉川上水の四季

 4月4日は二十四節気の清明でした。沖縄では清明に、先祖供養のシーミーが行なわれます。親戚が集まり墓の前で、重箱の料理をいただき、泡盛を飲み、三線を弾き、歌い踊って楽しむ行事です。聞いただけでも心が伸びやかになる祝祭です。

 清明の若葉の頃の玉川上水では、コナラやクヌギの長さ6~9㎝ほどの尾状の雄花があちこちに垂れ下がります。玉川上水でこの風景を初めて見上げた時には、命の息ぶきに感動したものです。そのうちぶら下がっていた無数の雄花は緑道に落ち、あたかもオリーブイエローの絨毯を敷きつめたような景観に変わります。

 つぎにコナラやクヌギの若葉に包まれたトンネルができ、玉川上水は日一日とその姿を変えていきます。しばらく後に踏みしだかれた雄花は毛玉のようなものになり、緑道のあちこちで風に吹かれてころがるのが見られます。(庭のヒメウツギ)

 

 昆虫がコナラなどの幹の中で菌を繁殖させ「ナラ枯れ」という病気が多数発生しているようです。幹から粉を噴き出しているコナラの木を緑道でも何度か見かけました。2014年には植物ウイルス感染で、青梅市の吉野梅郷ですべての梅の木が伐採されたことを思い出しました。

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*大相撲・明生25歳

2021年04月08日 | 捨て猫の独り言

 神社仏閣の建築修復の資金調達のための興行が「勧進」である。神社の祭礼に相撲が行なわれることが多く、いつしか営利目的で勧進相撲と称した興行が常態化する。私は大相撲の二つの聖地「回向院」と「富岡八幡宮」を訪れたことがある。旧両国国技館が建設されるまでは墨田区の回向院の境内で勧進相撲が興行されていたという。ここには力士の霊を祭る「力塚」が建てられている。また江東区にある富岡八幡宮は「江戸勧進相撲」発祥の神社と言われており、境内には「横綱力士碑」などがある

 大相撲春場所は29歳の関脇照ノ富士が優勝した。膝のけがで大関から陥落し、どん底まで番付を下げながらの大関復帰である。「痛いと言っても仕方ない。できることを精いっぱい、やるしかない」とこれからも膝に爆弾を抱えながらの土俵になる。36歳の白鵬は今年中に引退するだろう。つぎの横綱は膝に不安のある照ノ富士より、27歳の朝乃山というのが私の予想である。

 応援している郷土出身の力士「明生」が敢闘賞の活躍だった。私の期待していた以上の成績である。今場所は役力士がすべて勝ち越して空きがなく、来場所の明生の番付は西前頭筆頭と思われる。北の富士の相撲解説は自由闊達で面白いけれど、明生の評価が低いのは私にはいささか不満である。明生はまじめに稽古し、研究熱心と評価する親方衆は多い。

 

  25歳の明生から見た今後の大相撲勢力図を展望してみた。ライバルとなるのは28歳の翔猿、26歳の隆の勝、若隆景、輝、照強、24歳の貴景勝、阿武咲、霧馬山、翠富士、23歳の琴ノ若、21歳の豊昇龍、琴勝峰となる。明生には同じ立浪部屋で元横綱朝青龍を叔父にもつ豊昇龍との出世争いがいい刺激になっている。今場所明生が一瞬「外掛け」を見せた一番があった。これは豊昇龍の得意技である。 

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*白日会展(1)

2021年04月05日 | 捨て猫の独り言

 何だかんだで昨年は、3月の白日会展、10月末の武蔵美学園祭、11月初旬の日展のどの展覧会とも縁がなかった。そんな折、ありがたいことに白日会展の招待券が届いた。曇り空の3月最後の日曜日に、国立新美術館に出かけた。いくつかの作品を撮影するのが楽しみの一つだ。作品「桜島」が2点あった。一つは鹿児島の塩屋信敏さんで、もう一つは広島の方だった。どちらも白日会々員である。(左が塩屋さんの桜島)

  

 白日会は日展と異なり絵画と彫刻部門だけである。今回の展示作品数は、絵画部は会員238点、準会員110点、会友119点、遺作5点、一般応募入選178点の合計645点、彫刻部は合計62点の陳列だった。一般応募者数は絵画部の273点中入選は178点だという。入選率65%である。彫刻は9点中9点が入選。年毎に「会友」が「準会員」になったりの活性化が行なわれている。(下は何らかの賞を得た作品)

 

 

 

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*ヘイトクライム

2021年04月01日 | 捨て猫の独り言

 1973年生まれの私の娘はジョージア州の州都アトランタのあるフルトン郡に住んでいる。3月18日朝刊8面は、16日の夕刻に起きた(日本時間17日朝)アトランタ周辺での21歳の白人男性による8人射殺事件を報じていた。事件はマッサージ店で起きて、死者のうち6人はアジア系の女性で4人が韓国系だという。

 フルトン郡は人口の7.6%がアジア系という。容疑者の男が「性依存症」と供述していて、事件がヘイトクライム(憎悪犯罪)かどうかは捜査中のようだ。アジア系社会に動揺が広がる中、バイデン大統領とハリス副大統領はそろって19日にアトランタを訪れ、アジア系住民らと異例の面会を行ったようだ。

ここでアジア系とはどのような人たちのことだろうか。アジアの範囲は広大である。だが、トルコ人・アラブ人・ペルシア人・インド・アーリア人のようなコーカソイド(広義の白人)は除くのではないか。東アジアの中国を中心にモンゴル、朝鮮半島、日本のモンゴロイド(黄色人種)をさしているのだろう。

 上記8面の紙面だけでも、さまざまな記事で埋まっていた。「欧州ロックダウン1年・伊独仏〈第3波〉猛威」「新型コロナウイルス世界の死者267万1473人」「昨年トランプ氏再選望み、露が大統領選介入と米情報機関が断定」「香港区議も忠誠義務、民主派大量失職か」その後、フランス国内でもアジア系に対するヘイトクライムが起きているとの報道があった。

 

 

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