玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*終業式の頃

2013年07月25日 | 捨て猫の独り言

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 大暑になるとクヌギの樹液の甘酸っぱい香りに出会うことが多くなる。玉川上水の樹液酒場にはいろいろな昆虫が集まる。甲虫ではカブトムシ、クワガタ、カナブン、蝶ではルリタテハ、ゴマダラチョウ、蜂ではスズメバチなどである。二か月前に生垣のスズメバチの初期の巣を撤去したことが思い出された。二か月だけ仲間に入れてもらった小学校の終業式の日に孫娘は私の予想していなかったものを持ち帰った。担任の先生の心遣いに感謝した。それは「すみれちゃんへ 1ねん1くみ みんなより」とマジックで表紙一杯に書かれた冊子だった。

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 最初のページには黒板を背にしたクラスの集合写真がありつぎのページには「すみれちゃんへ いつも かわいい えがおを みせて くれて ありがとう。また げんきに あいましょうね。 ○○○せんせい」とある。そのあと28名全員のメッセージが14ページ続いている。「だいすきだよ。またあいたいね。いもうとつれてきてね。おぼえているよ。きをつけてね。あめりかにいきたいな」これは妹連れでたがいの家で遊んだ女の子が書いた。「あんまりはなしてないからこんどあそぼうね」これは学童に通う男の子が書いた。

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 6月中旬に成績評価表「あゆみ」についての打診があり、記念になるからと作成をお願いした。それの担任所見の欄はつぎのように書かれていた。「一年生の中で一番成長したのは、誰が見てもすみれさんです。国語の教科書を複写したり、算数の計算を素早くしたりと意欲的でした。黒板の字を消すときは、他の子が届かないところまで手が届き、皆に「すごい」と言われていました。音楽の時間、英語の歌を取り入れるとうれしそうな顔で歌っていました」黒板係であることは知らなかった。一つの区切りを迎えたが、ひらがなはまだ半分ほどしか読めていないようだ。書くとなればさらに難しいことである。

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 終業式から7月31日の帰国までの一週間に鹿児島と長野へそれぞれ2泊3日の旅行を計画している。曾祖母(ひいばば)のいる鹿児島には爺と2人で飛行機に乗り、婆の仲間が集まる長野には婆と2人で特急あずさ号で行く。週の前半の鹿児島では吹上浜の潮干狩りが楽しかった。鹿児島市から山を越えて薩摩半島の西海岸の吹上町入来の浜でナンゲ(石貝)と呼ばれるいろいろな模様の小さな貝を採った。春先から秋にかけて潮干狩りはできるという。この日は潮干狩りをする人はほとんどいない。南の坊津方向に見える姿のいい山は野間岳だという。場所を移動して海水浴もした。ナンゲは砂を吐かせる必要もなくお澄しでいただくのがいい。ほんとうに澄みきった味がした。

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*ほっとしています

2013年07月19日 | 捨て猫の独り言

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 上水のヤマユリが咲いて梅雨が明け、そのあと猛暑が続いてまもなくヤマユリはその華麗な姿を消した。現在は大人の背たけより高く伸びた庭のユリが平凡につぼみを開き始めた。海の日の連休に大阪のおじちゃんが訪ねてきた。遊び相手になったり、朝早く起こされたりで疲れがとれない様子だった。子供は無限のエネルギーに満ち溢れていると言い残して2泊して帰った。帰るときにはほっとした顔になっていた。

 6月中旬に始まった学校のプールは七夕の梅雨明けまではほとんど中止が続いた。水温もぐんぐん上がり水の中が気持ちよくなると毎日のように体育館のプールに出かけた。顔なじみになった受付のおじさんに皆勤賞ですねと声をかけられた。プールには爺と2人で行くのが多かったけれど、学校で隣の席のAちゃんと爺の3人で行くこともあった。婆とはプールに一度、スケートに一度一緒に行った。スケートの時は冬服を取りに家に帰ってからもう一度出かけた。スケートは婆より上手に滑れるようになった。

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 毎朝学校に行く時に付き添ってくれる6年生のS君はしっかりしていて学校の人気者だ。1年生の女の子もSのことをみんな知っている。だからすみれちゃんはいつもSと一緒でいいなとうらやましがられている。海の日の午後からSとその5才の弟と爺の4人で西東京市にある多摩六都科学館に遊びに出かけた。婆が仕掛けて、爺が場所を決めた。この科学館はSのお気に入りの場所でこれまでなんども通ったことがあるという。案内はSに任せておけばまちがいなかった。兄ちゃんでなくSと呼び捨てにする弟は、プラネタリウムで上映中におしっこのため係りの人の誘導で爺と一緒に外に出てまた戻った。

 在籍期間中の給食費について7月16日に請求があった。5月28日~7月18日分の給食費  226×37回の8362円で、納入期限は7月19日とある。なんともうれしい請求書だ。母親が不在の小学1年生の8週間の体験入学が終わろうとしている。当初受け入れの学校長も母親不在を気にかけていたものだ。終業式前日のれんらくノート「市内の19の小学校でいっせいにカレーとは楽しいですね。最後の給食を食べることができてほっとしています」返信には「私もほっとしています。すみれちゃんがんばりましたね」とあった。

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*映画とプールと

2013年07月13日 | 捨て猫の独り言

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 立川の映画館では「THE GREAT GATSBY」の上映が終わっていた。昭島にその上映館があることを知り土曜日の朝から孫娘と2人で出かけた。昭島駅は立川駅から4駅めで拝島駅の一つ手前である。昭島は私には馴染みの少ない町である。「華麗なるギャツビー」はフィッジェラルドの名作小説の5度目の映画化だという。上映中の中では一番見たい映画だった。しかし孫娘が2時間近くの映画の鑑賞に耐えられるかどうか心配だった。途中退出も覚悟の上だった。吹き替えではないから、なんとか孫娘にも分かるところがあるだろうと期待した。北口の大型ショッピングモールの中に昭島MOVIXがあった。

 土曜日といえども観客はまばらである。数多くの予告編のあとでいよいよ始まった。すると間もなく「ポップコーンが欲しい」と言う。近くで若いカップルが食べている気配に気付いたようだ。あとでねと約束して持参していたキャンデーですませた。しばらくしてもう一度催促してきたがどうやら本気ではない。肘かけに背をもたれて首をひねって見たりしていた。キスシーンになって、こちらの視野を両手で遮ってきたりする。一番高いうしろの席に行ってくるねと姿を消したりする。しかしとうとう最後まで映画を見続けた。予想以上のできである。結局この日はポップコーンを買うことはなかった。

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 翌日の日曜日にはいつも遊んでいる中央公園の総合体育館の中にあるプールに出かけた。スクール水着とは異なり、セパレート型のピンクの水着である。私がプールサイドに出てみると水しぶきの中に孫娘の姿が見えない。家から水着を着こんできたのですぐに現れてもよさそうなものだった。少し焦って受付に戻ると係りの方が受話器を取りそのそばに孫娘が不安気な顔で立っている。初めてのロッカールームだからカーテンにかこまれたプールサイドへの出入り口が判断できなかったらしい。それで受付に引き返したということらしい。猛暑続きの最中のプールは快適だった。そして孫娘は水着のまま自転車で帰っらせた。緑道で先を行く孫娘が急に停止して泣き出しそうにしている。セパレートの濡れた水着をみて中学生の男の子が笑ったと言う。

 小学校の時間割はつぎのようになっている。一コマは45分である。8:40分に1時間目が始まり5分の休み時間で2時間目が終わると中休みが20分ある。4時間目が12:10に終わるとそのまま40分の楽しい給食の時間となる。そのあと昼休みは20分で5時間目は13:10から13:55までとなる。給食は教育の一環として位置づけられ、ほぼ5人で順番に給食当番を一週間勤める。白の給食着にマスク姿の当番にみんなで協力して配膳、食事、後片づけをする。一学期最後の給食は終業式前日の18日だ。この日は市内のすべての学校(19校)で昨年度に引き続いていっせいに「小平夏野菜カレー」のメニューが実施されるという。(写真 おいらん草とたいまつ草・オープンギャラリーにて)

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*早い梅雨明け

2013年07月08日 | 捨て猫の独り言

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 関東地方は中旬を待たずに早い梅雨明けとなった。あちこちにネムの花が咲いている。視力の低下かネムの花は遠くにおぼろげに見える。もっと鮮やかなピンク色に見えるはずなのにと思う。近くの玉川上水の土手にヤマユリの花が3個咲いていた。この場所に咲くヤマユリの存在に初めて気付いた。昔は日あたりがよかったからヤマユリは1本に十数個の花が咲きその重さで下に垂れていたものだった。今は1本に一または二個の花をつけて細々と咲いているという話を聞かされた。少し心配していた庭のおいらん草が白い花を咲かせた。やはり園芸種の紅いおいらん草より心静かに見ることができる。

 譲り受けて間もない孫娘の自転車がパンクした。サドルを上げるだけ上げて窮屈そうに乗っていた小さな自転車である。家具や自転車のリサイクル商品を扱う市の施設に出かけた。子供用はなかなか出ないよと言われて諦めることにした。せっかくだからと展示された家具などを見学して帰ろうとしていたときに掲示板に一枚の印刷物を発見した。「22インチの女の子用の自転車を譲ります」とある。鉛筆をお借りして電話番号を控えた。自転車を発展させたのがイギリスだから、自転車の車輪のサイズはインチである。22インチは車輪の直径が56cmとなりパンクした自転車と直径にして15cmの差がある。

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 信頼しているわが町の自転車屋さんによると小学1年生なら20インチが適当という。ともかく隣町まで車で譲り受けに出かけた。小学校1年から6年生まで利用した自転車で、中学生になり手放すことにして市役所に届けて2ヶ月になるが連絡が来たのは初めてだという。たしかに1年生の体力ではコントロールするには多少の無理がある大きさだ。サドルを下げるだけ下げてやっと両足が地面に届いた。それでも本人は乗る気満々で果敢に挑戦して今では安心して見ていられるまでになった。中央公園での周回道路を友だちと1周することがあった。当然のことだが車輪の大きさに比例したスピードで戻ってくる。得意気である。車との接触がないようにと心配の種は尽きない。

 孫娘の下の前歯は乳歯である。その後方に重なるように2個の永久歯が顔を見せていた。祖母はその処置についてアメリカの母親と連絡を取りあっていた。日本で診察を受けて医師の意見を聞くことになり、週末に学校まで迎えに行き、そのまま歯科医院に連れて行った。抜歯ということに即決したという。抜歯した2個の小さな歯をビニール袋に入れて持ち帰り高々と持ち上げて私に見せてくれた。麻酔のとき一粒の涙が出たが、声は出さなかったと上気した顔で報告する。祖母はこともなげに「私の予想した通りの展開」と言う。母親には事後報告となった。義務教育就学児医療費助成制度により費用は200円である。アメリカならかなり多額の出費となるところではなかろうか。本人もなにやらさっぱりしたようだ。その日はいつもは頑強に拒否する昼寝を2時間ほどした。そして夕食前に起こした。

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*七月(文月)

2013年07月01日 | 捨て猫の独り言

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 畑のキュウリ3本、トマト3本、ミニトマト2本から収穫がはじまり、孫娘はそれらのチェックが朝の仕事(ジョブ)の一つになっている。収穫するという行為には喜びと同時に敬虔な思いが生じるようだ。畑のかたすみにハーブ系の白い「たいまつ草」が咲き始めた。すぐとなりには「おいらん草」もあったはずだと目を凝らす。たいまつ草にかこまれるように、おいらん草がわずかばかり残っている。はたしてこれから無事に花を咲かせることができるだろうか。たいまつ草の勢いに負けて息も絶え絶えの風情である。白いおいらん草だった。隣の家の庭に5、6本さいている紅い花は園芸種のおいらん草だという。

 孫娘の朝の仕事はほかに、ブラインドやシャッターを開けること、メールボックスの朝刊を取ること、急須にお湯を注ぐことがある。毎朝の登校に付き添ってくれている6年生の男の子の誕生日は6月中旬だった。客を招いての誕生会は日本では少ない。そこで登校する二人の写真2枚に手紙を添えて渡すことになった。下書きを見ながら習いたてのひらがなで「○○くん おたんじょうび おめでとう なんさいになりましたか すみれより」と書き自分の考えで「I love you.? I will come back again.」と書き添えた。その日の夕食の前に自分で玄関のチャイムを押して届けた。

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 孫娘は近所の5才の男の子の自転車(バイク)を乗り回していた。それを見ていた近所の方が知り合いから譲り受けたというバイクを届けてくれた。あいにくこれも孫娘の体には小さいバイクである。サドルを上げてみたが、背中を丸めて窮屈そうだ。それでも専用のバイクが手に入り満足そうである。クラスメートの2人と一緒に中央公園に出かけることができるようになった。最近よく口ずさんでいる歌がある。調べてみると合唱曲で有名な「夢の世界を」であることが分かった。私には気恥しくなるような歌詞が並んでいる。「ことりのさえずり ききながら はるかなゆうひを ながめたね おがわのながれも すみわたり いつかもぼくらを うつしだしたね」これに続いて「さあ でかけよう~」と高揚するところがいいらしい。

 昨晩おばちゃんが約束どおり沖縄のバナナを届けてくれた。3年ぶりの再会である。おばちゃんのことはすこしばかり覚えていた。パソコンを自分でクリックして「夢の世界を」を歌った。三角折りして端をカットして折り紙のお花をプレゼントした。今朝になってパソコンに、おばちゃんからの便りが届いた。おばちゃんにあげたお花の折り紙の上には花瓶があり、それに一輪のバラの花をいけた写真が添えられていた。七月になった。六月のカレンダーを切り離すとき、いつもとは違う感慨を覚えた。孫娘は母親と妹のスカイプに今では平常心で対応している。「今週は給食当番になりますからマスクを用意してください」とれんらくノートにあった。

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