杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

赤毛のアン 初恋

2018年10月15日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年10月5日公開 カナダ 90分

もうすぐ13歳になるアン・シャーリー(エラ・バレンタイン)は、クスバート家でのマシュウ(マーティン・シーン)とマリラ(サラ・ボッツフォード)との生活にすっかり慣れ、腹心の友ダイアナ・バーリー(ジュリア・ラロンド)との友情も深まるばかりだった。一緒にタフィーを作りながら、おしゃべりに夢中になり、焦がしてしまって笑うふたり。ダイアナの母、バーリー夫人から泊まりに来るよう招待されたアンは大喜びするが、子供扱いし「外泊は許さない」と厳しいマリラ。でもマシュウは常にアンの味方だ。ところが当日、オバケの想像をしすぎたアンは怖くなり、バーリー家で部屋を間違え、滞在中の老婦人、ジョセフィン伯母さん(ジョーン・グレッグソン)を死ぬほど驚かせてしまう。そのせいでダイアナが苦境に陥ったと知り、アンが謝りに行くと、ジョセフィン伯母さんはアンの話を面白がり、たちまち機嫌を直す。
学校では、アンは幾何学が苦手で劣等生扱いされていたが、しだいに成績を上げ、人気者のギルバート(ドゥルー・ヘイタオグルー)と熾烈なトップ争いを繰り広げるまでになった。2年前に赤毛をからかわれて以来、ギルバートを無視していたアン。しかし、ギルバートがアンに贈ろうとしたリンゴを巡って、教師が彼だけを厳しく罰しようとしたとき、アンは「不公平」だと抗議。それを機にギルバートと言葉を交わすようになる。(公式HPより)


ルーシー・モード・モンゴメリーの「赤毛のアン」を、モンゴメリーの孫娘ケイト・マクドナルド・バトラーが製作総指揮を務めて新たに実写化した3部作の第2部です。前作が去年5月公開でしたから約一年半ぶり。でも完結編も一緒のチラシなのであまり間を置かずに観られそう。

ダイアナの家にお泊りに行った夜、ジョセイフィン伯母さんの寝ているベッドに飛び乗ったのがアン一人だけだったり、川に流されたのが小舟ではなく筏だったり、細かな設定は微妙に変えていましたが、大筋では前回同様原作に忠実な作りになっています。

ダイアナと作ったタフィーといい、牧師夫妻をお茶会に招いた時の頭痛薬入ケーキといい、失敗ばかりのアンですが、このケーキ作りのシーンがとても素敵大きな鉢にクリームや小麦粉や砂糖をたっぷり入れてかき混ぜたり、粉をふるった台の上での作業など、観ているだけで楽しくなってきます。

リンド夫人(ケイト・ヘニッグ)は相変わらず辛辣な世話焼きおばさんでした。

小説で読んだ時、フィリップス先生はもっと厳しくて嫌な感じの教師に思えたのですが、映画ではそれなりに生徒のことを考える心ある人に描かれていました。それは子供時代に受ける大人への印象が、時を経て自分が大人になったことで変わったからかもしれません。新任のステイシー先生(ナタリー・リジンスカ)の型破りな、でも子供にとってワクワクする刺激を与えてくれる教育方法は現代にも通じるものがありますね。

マシューが森で道に迷うシーンはアンの心配より、マシューの立場で混乱と不安を感じてしまいました。

そう!ふと気付くとアンの目線ではなく、周囲の大人の目線で物語を追っている自分に気付きます。なんか・・・ショック

「初恋」というタイトルが付けられているように、今作では、アンのギルバートへの思いが変化していく様が見られます。13歳になって、ただ楽しいだけの子供時代がそろそろ終わりを迎えつつある、「自分が二人いるような」友情と淡い恋に揺れるアンの様子が何だか眩しかったです。


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