細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

練習、終了

2018-11-25 09:23:12 | 趣味のこと

いよいよ12月2日の港区シティハーフマラソンが一週間後に迫りました。

体力増強、趣味の一環でのハーフマラソンへの参加なので、準備も自分に合ったやり方で進めてきました。11月に入ってからはすべてロードでのランニングで、毎回1時間ちょうど。自分の感覚では時速11kmを少し上回っているくらいかな、と推測しています。11月に7回、1時間のランニングを行いました。負荷の大きい練習はこれで終了にしようと思います。

平日に走ることは無く、すべて休日でした。11月の最初のころは、二日連続で1時間走ると筋肉痛になっていましたが、一昨日・昨日の最後の1時間ランの後も、ほぼ筋肉痛はありません。多少なりとも、体力が向上しているのかと思います。

お酒も直前の5日間は止めて、前日の土曜日にカイロプラクティックにも予約を入れており、自分なりに万全の体制で臨むつもりです。土曜日の日中に軽く流すジョギングをして最後にしようと思います。体重も63.5kgで、ほぼベストの体重かと思います。

3年くらい前のひざ痛がきっかけで生活習慣の改善や運動を始めました。まさか走れるようになるとはその当時は思っていませんでしたが、ごく普通に走れるようになりました。今でもひざが痛くなる時はありますが、ランニングの際には、下半身はランニングスーツを着て、右膝にはランニング用のサポーターもしています。いざ、本格的に始めてみると、いろいろとグッズがあるものです。。。

1時間ランの練習を何度も重ねる間も、いろいろと感じました。あまり調子の良くないときは、1時間を走り切ることそのものがチャレンジで、もちろん一度も歩いたりしませんでしたが、完走を重ねるたびに自信が付いてきました。最期の方では、走れる、ということ自体が喜びだったり、体力が向上していることを実感することも喜びでした。

本番のハーフマラソンも天気はどうやら良さそうだし、苦しくはなるだろうけど、いろんなことを感じながら走りたいと思います。

今年は、5月の大槌のヒルクライム、7月の7kmの台場ナイトマラソン、そして、12月のハーフマラソンに参加しました。

来年の予定はこれからですが、2019年6月の鞆の浦でのトライアスロンを真剣に視野に入れて、あくまで趣味ではありますが、チャレンジを重ねたいと思います。


依頼原稿 「研究室環境の改善 -人が育つために-」

2018-11-19 05:00:14 | 職場のこと

以下,土木学会誌から「私の職場」として依頼され、先ほど提出した原稿です。

最初の執筆要領にあった「見出し」が無く、写真も入れられずにほぼ字数制限に至ったので、おそらく編集委員会から修正の依頼が入るかと思います。「私の職場」について、私が書きたかったことをとりあえず盛り込んだ下記の初稿が皆さんの目に触れる機会はないかと思い、ここに記録しておきます。。。

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私の職場である横浜国立大学のコンクリート研究室の紹介をする。2003年10月に着任して,15年が経過し,その間にスタッフも大きく入れ替わった。この原稿の執筆時点では前川宏一教授,小松怜史助教とともに研究室を運営している。

研究室も生き物なので,常に変化しているが,15年強の間,改善を重ねてきた。私たちの研究室は,教員・学生が自らを研鑽し,お互い学び合い,成長していくための場であり,研究・教育活動を通じて社会への貢献も求められる。その目的を高いレベルで達成するために,研究室の物理的な環境やシステムの改善を継続している。

新年度は4月にスタートする。クリエイティブな1年を皆で過ごしたい思いから,新しいものが生まれる雰囲気がする実験棟で新入生の歓迎会を実施する。

2006年の全国大会で琵琶湖にて開催されたコンクリートカヌー大会に初めて出場し,それ以降は毎年,関東支部の大会に出場している。2回目以降はほとんど学生だけで取組み,2011年の総合準優勝がこれまでの最高順位である。さらに,日本コンクリート工学会のキング・オブ・コンクリートにも2015年の初回から出場し1),学生たちの力で優勝,3位,優勝,2位と教員たちも驚く結果を残してきた。学生たちはぶつかり合いながら,葛藤もありながら,チームというものを学んでいくようである。毎年の8月最終土曜日のコンクリートカヌー大会の後の武蔵浦和での打ち上げでは,私も学生たちに交じって何とも言えない感動を味わう。

学部3年生の春学期の必修科目である学生実験の内容も2006年度から大幅に見直し,モルタル梁を作製してのコンテスト形式としている2)。断面寸法や使用材料などの制約条件の中で,最大荷重,梁の重さ,耐久性,コスト等の観点を総合的に数値化してのコンテストである。3年生たちは他の班の工夫もシェアでき,修士1年生を中心とするTAたちと学部3年生のコミュニケーションも活発のようで,元気と連帯意識のある新4年生が研究室に入ってくるきっかけとなっているようである。

夏合宿は研究室の看板行事でもある。私の赴任後の最初の夏である2004年から開始し,2007年の黒部ダムから2泊3日とし,毎年続けている。日中は一級の土木遺産や建設現場などを巡り,夜は懇親を深めて春学期を振り返る。企画は数か月かけて練り込む。訪れていない地方は私のルーツである山陰地方と沖縄くらいである。2018年は,神戸駅に集合し,明石大橋の主塔に登り,四国に渡って旧香川県立体育館と香川県庁東館(丹下健三の設計),青雲橋,満濃池,豊稔池,上吉野川橋,佐川町の廣井勇生誕碑,一斗俵沈下橋,黒潮町の津波防災対策を勉強して高知駅で解散した。一級のものを見て感じるだけでなく,お互いの感想を懇親会で共有することが重要と思う。

近年は,秋の入学生も多い。横浜国立大学の中で土木系は突出して留学生の数が多く,国籍も多様である。私の研究室は他に比べてまだ少ない方であるが,それでも10名前後の留学生が在籍しており,今後はさらに増える見込みである。私の赴任以降も様々な変化にさらされているが,在籍者数の増加に伴い,早速スペース不足の問題が顕在化してきた。

そこで2017年4月に,私は13年半住んだ個室を出て,教員・博士課程の学生・秘書が共住する大部屋を作った。2017年度は前川先生もその大部屋の小机で仕事された。大部屋のアイディアは前川先生に後押しされて実現した。コミュニケーションが活性化し,プラスの効果が大きいと思うし,個人のスペースが少ないことは無駄を抱え込まない習慣につながった。2018年度の完全移籍に伴い,前川先生は個室へ移動となったが,上記大部屋との通路はほぼ常に開けてあり,風通しの良い環境を目指している。

教員以外の部屋も小部屋ばかりであり,廊下の並びの中央付近にある私の以前の個室をミーティングルームとしてレンタルティーサーバーを置いた。私の私物の書籍を公開し,学会の書籍類,月刊誌等を閲覧できる部屋にし,活発に使われている。学生の部屋も半年に一回席替えする。個人机を少しずつ減らし,フリーアドレスの大机を試行的に導入し,在籍者数の増加に先手を打っている状況である。現時点では,その努力もあり,上記のミーティングルームと,解析PC群を置いた解析専用ルームを運用できている。

10年以上前から,学生の実験室係とPC係を置き,それぞれ修士2年を責任者,修士1年生を補佐に付けて謝金を支払って研究室の運営をサポートしてもらっている。月に一回のスタッフミーティングを教員全員も含めて行い,研究室運営の方針の確認と課題の共有を行っている。

冬合宿も行っている。これは2009年度に初めて三崎で行った。夏とは全く趣旨が異なり,一泊二日で,初日は朝から夕食前まで研究ゼミ。近年は2月初旬に行っており,最終審査が間近の修士2年生と学部4年生がそれぞれ研究発表を行い,みっちりと質疑も行う。なるべくOBOGに参加してもらえるよう休日開催としている。大ベテランのOBやOGも参加してくれ,研究を見ていただき貴重なアドバイスをいただける機会となっている。年度の最終盤に向かう直前の夜の懇親会も毎年激しい。

審査会も無事(?)終了し,卒業論文の審査会の夜に研究室の打ち上げを行っている。その場で,学生の研究室MVPを表彰している。研究活動,各種のイベントへの貢献,雰囲気作りへの貢献をすべて勘案して教員も含めて投票し,1位から3位の発表と,教員のポケットマネーからの副賞の図書券を贈呈して毎年盛り上がる。毎年のMVPは研究室HPに永年表彰である。

以上のサイクルを終え,一息付いている間に立派に育った(?)学生たちは卒業し,4月になりまた新たなサイクルが始まる。ご承知の通り,大学は激しい改革の嵐にいいように痛め付けられているが,何とか冒頭の研究室の目的を果たせるよう,今後も改善が必要なのは言うまでもない。

参考文献
1) 小松怜史,木下果穂,中川恵理,田島涼,田中洋人:キングオブコンクリートへの道 ~学生の主体的な取組みによる実践的教育の効果~,コンクリート工学,Vol.54,No.6,pp.648-651,2016.6
2) 林和彦,細田暁,椿龍哉:モルタル梁のコンテスト形式による学生実験の改善と教育効果,コンクリート工学,Vol.49,No.10,pp.37-42,2011.10


うれしい夕食

2018-11-07 14:15:44 | 家族のこと

2週前の日曜日に、私は釜石へ出張していたのですが、娘二人がケーキを自分たちで作り、その流れで夕食も自分たちで作った、とのことでした。月曜日に東北出張から帰ってきて、ケーキは残しておいてくれたものをいただきましたが、大変においしく、子どもたちも喜んでいました。

そして、先週の4日の日曜日、またまた子どもたちがティラミスを作り、夕食も作る、とのこと。ティラミスはお菓子の本を見ながら、材料も自分たちで購入し、自分たちで作っていました。中2と小3の娘たちです。ケースに入ったところの写真しか撮りませんでしたが、大変に美味で、奥さんと一緒に喜びながら味わいました。



夕食は、Oisixというシステムで奥さんが購入したキットでつくるのですが、私も何度か作りましたが、準備された材料と家にある調味料などでレシピに従いながら作っていきます。全部自分で作るのよりは楽ではありますが、しっかりとした料理です。



次女は、初めて包丁を使ったらしく、パセリのみじん切りが包丁デビュー戦でした。

夕食も極めておいしく、家族4人でワイワイいいながら、何度も拍手したり、おいしい、と言いながらのうれしい夕食でした。

私自身も料理が好きなので、料理をすることの意義、喜び、創造性などを子どもたちにも伝えてきたつもりではありますが、日曜日のスイーツや夕食を、自発的に娘たちが楽しそうに作ってくれている姿を見て、とてもうれしく思いました。

その後の皿洗いは私がやりましたが、いつもと違う気分でした。。。


2018年度の土木史の講義状況

2018-11-07 08:07:45 | 教育のこと

11月の初旬も早、終わろうとしています。土木史の講義も昨日で5回目が終わりました。東日本大震災の2011年に始めたこの講義も早、8年目です。今年は、学生以外のゲストも少なくなく、5回中4回を聴講いただいた、絵本の編集者の方もおられます。現在、コンクリートの絵本の執筆作業も進んでおり、昨日は講義後に絵本の打ち合わせも行い、ストーリーと文章が大分固まってきました。多くの子どもたちやその親の方々に読まれると思うので、ほとんどの人が知らないコンクリートが少しでも知られるよう、努力を続けたいと思います。

さて、ここ数年の恒例のパターンで、土木史の講義の初回(10月9日)には講義室があふれかえるので、最初はケンカを売ります。初回の講義で数回、衝撃を受けた学生もいたようです(レポートによると)。私は明確な?作戦をもって講義をコーディネートしていますので、ケンカ戦法ももちろん作戦のうちです。

初回はイントロダクション、2回目はトンネル、3回目は橋梁。4回目が都市の巨大化と環境問題。そして、昨日の5回目は高速道路と空港の発展、がテーマでした。毎年、第4回目の環境問題辺りから、当事者意識が芽生えだす学生が少なくありません。

経済を抜きにして社会を語ることはできないので、経済に関する情報、トピックも初回からふんだんに盛り込みます。

政治、経済、哲学、歴史、文学、工学、土木工学、等々、視野を広範に拡げて、でも土木史を核に据えて、講義を展開していきます。

きちんと数えていませんが、250名くらいの学生に毎回A4一枚のレポートを書いてもらい、すべてに目を通して翌週に返します。必ずタイトルを付けてもらって、論文を書いてもらっています。私との対話でもあるし、彼らの自分自身との誠実な対話でもあります。最初は私のことをなめていた人たちも、さすがに5回目辺りになると、私の本質も分かってくるようで、大半の方々は諦めてこの講義中だけでも「本来的人間」「非大衆」たろうと努力を始めます。

レポートの中の注目すべき記述や私への重要な質問等をPPT3枚に集約して、次回の講義の冒頭で紹介します。これを始めたのは数年前ですが、やはりこの効果が大きいようです。自分たちのレポートをこの教師は真剣に読んでくれている、と感じるのでしょうし、他の学生が何を考え、何を感じているのかを共有できる契機にもなっているようです。250名程度のマンモス教室でも、双方向の授業は成立しています。

毎年、私も経験を積んだり、勉強を重ねたりしてパワーアップしてこの講義に臨みますが、今年は、藤井編集長の「表現者クライテリオン」が創刊されたこともあり、私もさらに知識を増やして、俯瞰的に論じたり、講義をコーディネートできるので、講義のクオリティも上がっているかと思います。

我が国が根底からダメになっていっている根幹的原因の一つが実は消費税なのですが、可能な限り多くの方々にこちらも読んでいただくことが、この国が良い方向に変わる大きなきっかけになろうかと思います。私は通勤の合間に一日で読了し、昨日の土木史の講義でもエッセンスを紹介しました。すぐに読めますが、消費税のあまりのマイナスの影響の大きさに愕然とします。そして、本来の税制のあり方はどうあるべきかも論じられており、勇気づけられます。

来週の第6回目は、自然災害の克服、がテーマです。講義の骨格はできていますが、どのようにアレンジしようかしら、楽しみ。