細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・教育者のブログです。

12年目の終わり

2015-09-30 13:15:12 | 職場のこと

今日で、今の職場に来てから12年が終わります。明日から、13年目です。

あっという間のような気もしますが、やはり長かったです。いろんなことがありました。

12年前の10月1日には、赴任した当日に講義(「構造の力学Ⅲ」)もありました。 とてつもなく緊張していたかと思います。

明日も、講義があります。「構造系力学演習Ⅱ」です。緊張はしませんが、新学期の当初、学生たちの前に立つと、もちろん気が引き締まります。

昨年度の秋学期は、家族をパリに残した状態で、私自身は実家に身を置いてバックアップしてもらいながら、かなりタフなスケジュールを乗り切りました。

私は秋学期に講義が集中しているので、今年度もかなりタフな状況になるかと思いますが、今年は家族と一緒に暮らしながらのチャレンジになります。

毎年、状況も異なるので、新たなチャレンジです。

私自身の人生においては、いわゆる脂の乗る時期に入ってきたと思いますので、日々を大切に、明るく元気に参りたいと思います。 

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中国地方6泊出張中の論考(3) 土砂災害と先人たちのご努力

2015-09-25 07:43:24 | 研究のこと

9月13日は、鞆の浦(とものうら)を出発して、西へ向かいました。土砂災害について実地で学んだ一日となりました。前日の12日には、鞆の浦塾の防災学習で、鞆町の土砂災害のリスクを塾生たちと一緒に勉強していたのですが、13日の西への移動中にはかなり偶然にも引き寄せられ、土砂災害について現地で体験的に学ぶ一日となりました。もっと土砂災害について勉強しなさい、という天の声なのだと理解します。

福山でレンタカーをして、西へ向かいました。当初は、この日は移動日の予定で、宮島で弥山をできれば健康のためにも登山し、錦帯橋にたどり着けばいいや、くらいの軽い気持ちでした。

高速道路で西へ向かう途中、これまで何度か車の中から見たことのある、H26年8月の広島市の土砂災害の現場が見えました。一瞬の判断で、高速道路を降り、現地へ向かいました。日曜日ということもあり、閑静でしたが、恐ろしい土砂災害の爪痕が色濃く残っており、1時間ほど、言葉を失いながら視察しました。報道等でもすでに多く報じられているので、あまり多くは書きませんが、まさにリスクと隣り合わせで日々の生活を営む日本人の難しさと、そうは言ってもその現実に対して少しでも対策を打とうとする土木行政の重要性、を肌で感じながら歩いていました。







一路、宮島へ。秋の日曜日、ということで渋滞も懸念されましたが、運よくフェリー乗り場のすぐ近くの駐車場に入れることができました。

宮島へは十数年ぶりに来ました。大変な観光客の数に驚きましたが、いろいろと迷ったあげく、紅葉谷川ルートで弥山を登ることにしました。これが偶然、土砂災害の勉強になりました。何かの縁を感じずにはいられませんでした。



以下の説明の通りですが、終戦直後の枕崎台風で甚大な土砂災害が発生し、その復旧・復興工事において、庭園風の砂防工事が行われた、とのことです。ウィーン大学の砂防専門家も絶賛したそうです。とても有名な事業のようですが、私は知りませんでした。










堰堤の上でたたずむ親子の姿もありました。



写真は十三号堰堤。この辺りまで登ると、川もかなり小さくなっています。堰堤の中にはかなり土砂が溜まっている箇所もありました。また相当な巨石があちこちに転がっており、この川のリスクの高さが容易に想像できます。10を超える砂防堰堤が厳島神社を含む下流の重要なエリアを護っている、ことをどれだけの人が知っているでしょうか。もっともっと知られるべき事実だと思いました。



山頂へ近づいたところにも、H17年の台風による土石流の痕跡が残っていました。



久しぶりの山登りでしたが、順調に登り切り、有名なお堂も見学。









枕崎台風による土砂災害の歴史も知り、非常に高邁な精神で庭園風の砂防工事に取組んだ先人たちのご努力も知った上での、厳島神社の大鳥居は、さらに壮観に見えました。

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コンクリート構造物の品質確保物語

2015-09-23 15:56:59 | 研究のこと

道路構造物ジャーナルNETに、連載「コンクリート構造物の品質確保物語」が始まりました。コーディネートは私が務めております。第一回目は、田村先生による、コンクリートよろず研究会、です。

第二回目は、山口県のひび割れ抑制システムの構築、についてです。お楽しみに。

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中国地方6泊出張中の論考(2) 鞆の浦塾

2015-09-18 13:47:04 | 研究のこと

9月11日、12日と鞆の浦塾(とものうら塾)で、講師を務めました。

鞆町を舞台に、地域づくり、地域共生、地域を育てる介護、を実践的に学べる、さくらホームのプロジェクトです。

私の担当は以下のポスターに示されています。鞆の浦塾の女子塾生たちが作ってくれたそうです。



初日の夜の講義は、「世界から見た日本の問題点」というお題をいただき、なかなか難しかったですが、今の私に提供できるベストの講義をしたつもりです。

キーワードは、東京一極集中、と、全体主義、でした。日本の各地で素晴らしい取組みが行われ始め、連鎖もし始めていますが、やはり国の大きな方向性が正しくなければ、この国は続きません。国の進むべき正しい方向はあるので、それをなるべく多くの国民が認識し、その方向に進むため戦う人たちも必要だし、その大きな流れの中で、各地域の素晴らしい取組みが連鎖していく必要があります。国全体の大きな方向が変わるためにも、草の根の連鎖が必要である、と私は思っています。

夜の講義は楽しんでいただけたようでよかったです。

翌日の12日は、国も個人も進むべき方向は分かったとして、どのように実践するか、を防災をテーマに勉強しました。

とにかく一歩です。一歩進めるようになれば、いつのまにか十歩も百歩も進めるようになります。

鞆の防災力を高めていくためにできることは無数にありますが、その中でも自分たちにもできる「家具固定」がテーマの一つ。もう一つは、鞆でリスクの極めて高い「土砂災害」です。

下は、実際の民家で実施した家具固定です。壁の強度が十分ではないので、この固定では十分ではないので、今度の5連休の間に補強します。



2時間の講義の終盤には、実際に鞆のまちを歩きました。土砂災害の危険個所をいくつか一緒に回り、現在の避難場所がどのような条件のところにあり、決して安全ではないことも現地で確認してもらいました。



鞆で最も有名な沼名前(ぬなくま)神社のすぐそばにも、砂防堰堤があり、現実に昭和47年に土石流が発生し、大被害が出ています。地域をまもってくれるインフラの状況も皆で確認しました。土砂が溜まっている砂防堰堤もあり、皆で土砂をさらおうか、という話も出始めています。



二日間の講義は私にとってもややハードルの高いものでしたが、楽しかったです。夜は、さくらホームの羽田冨美江さん、家具固定を手伝ってくれた二人の若者と一緒に懇親会。大変に楽しいおしゃべりでした。この国、地域を良くしていきたい、と心から思っている方々との語らいほど楽しいものはありません。





このような、みんなで地域をよくしていく場を創りつづけるさくらホームは本当にすごいと思います。鞆の浦塾は今年が初年度で、もうすぐ今年度の塾は終了しますが、来年以降も続くことを願っています。塾のマネジメントをしている羽田知世さんもすごく楽しそうで、19日から21日の秋祭りの準備を地域の方々と一緒に進めていました。私も、鞆のような素晴らしいまちの仲間に入れていただき、本当に感謝しています。単純に楽しいから通うのですが、土木工学に携わる大学の人間として、私にできることもたくさんありますので、今後も粘り強く参加し続けたいと思います。






 

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中国地方6泊出張中の論考(1) 全部やろうとすること

2015-09-17 10:15:45 | 勉強のこと

本日が、中国地方の6泊での出張の最終日です。鞆の浦から始まり、広島、山口、岡山と渡り歩いています。とても多くの方々とコミュニケーションし、新たな出会いもあり、多くのことを感じ、考えています。高揚感を覚えることも多ければ、現状のままではよくない、と反省することも多いです。今回の出張中に考えたことを、一つずつまとめていきます。まず一つ目は、先ほど、考えていたことですが、短く、以下のようにまとめます。

人間は、特に日本人は頑張り屋さんで、何でも自分でやろうと頑張ってしまいます。

でも、やっぱり、人間は一人でできることは限られています。自分で全部やろうとすると、周囲に本当は連携できる人がいても、その人の力を活用もできないし、コミュニケーションも疎になってしまいます。全部やろうとする人が破たんするかもしれないし、本来持っている力を活用されない人も輝かないし不満がたまるかもしれない。

全部やろうとしないこと。頼る勇気を持つこと。それは、自分自身に謙虚になること、でもあります。

人に頼るいうことは、決して安易に依存する、という意味ではないのだけど、自分のやるべきことはしっかりとやって、適切に人に頼る、ということです。連携すること、と言った方が正しいかもしれない。

これは、仕事だけでなく、家庭においてももちろんそうです。

もっともっと自分の周りで、適切に頼り合い、素敵な連携が広がるように、私自身にできることを小さなことから始めよう、と思った朝でした。

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青山俊樹さん

2015-09-08 15:07:14 | 研究のこと

昨日は、少し特別な日でした。

国土交通省の元事務次官の青山俊樹さん(建設業技術者センター理事長)、その同級生の元土木学会長の阪田憲次先生と、我々、熱血ドボ研の意見交換会でした。私たちの取り組んでいる、コンクリート構造物の品質確保・耐久性確保の取組みをご説明しました。青山さんは「感動しながら聴いていました」とおっしゃいました。

「よいくにを創る」という単純な目的のために、みんなが力を合わせるのは素晴らしいことだ、と言われました。

現場と一緒になって進んでいるのがよい、システムを作るとすぐに思考停止に陥るが、現場で改善を続けているのが素晴らしい、と言われました。阪田先生からも、コンクリート委員会の歴史の中で、これほど現場と密着した活動はほとんど無いかごくわずかである、と褒めていただきました。

その後の懇親会でも青山さんは大変に喜んでおられ、全員にワインをついで回られました。

私たちの取組みの原点である山口県の品質確保の立役者である二宮さんも、青山さん、阪田先生からお褒めの言葉が続き、さぞかしうれしかったことと思います。

青山さんからいただいたキーワードは、「くに」「人」「志」「愛」でした。本当に短い言葉で的確に本質を射抜いておられ、すべての言葉が私の心に強く残りました。

本物の人物に応援していただき、心の底から勇気が湧いてきました。本物の人物のあたたかい眼差しが強く強く心に残りました。

 

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研究室夏合宿(北陸地方)

2015-09-05 08:05:53 | 職場のこと

9月2日から4日の二泊三日で、2015年の研究室夏合宿が終わりました。研究室のイベントの中でも全員が参加するものの中では最大級のイベントでもあります。私は昨年はフランス滞在で参加できなかったので、2年ぶりの参加になりますが、とても楽しみにしていました。結果的には超絶に充実した内容で、大いに勉強になり、研究室内のコミュニケーションの活性化にも多大な貢献をする場になったかと思います。

私も日本各地を出張等で飛び回ってはいますが、北陸新幹線に乗るのは初めてでした。始発のかがやきで、金沢駅に8:46に到着でした。



最初の見学先は、小松市にあるKOMATSUの粟津製作所。1938年に建設された歴史のある工場ですが、最新の組立て工場も2014年に建設され、そこを見学させてもらいました。建設現場で大活躍する建設機械の組立てラインを見せてもらい、改めて日本のトップ企業の底力を見て感激しました。

 

昼食後、山中温泉付近にある「あやとり橋」へ。川田工業が建設した、1992年竣工のトラス橋です。三弦構造という非常にユニークな構造で、うねる曲線構造のため、下弦の断面内の位置が場所ごとに異なります。構造の美しさが景観にとけ込んでおり、皆が息を飲んでいました。



初日の最後は北陸新幹線の建設現場。私は無数に建設現場に出ていますが、研究テーマによってはあまりそのような機会のない学生も少なくないようで、学生にとっては貴重な体験になったようです。私の目には、構造物の「品質」がやや気になりました。




氷見温泉に宿泊した後、二日目の行程スタート。富山のLRTも活用したコンパクトシティーの見学です。岩瀬浜までバスで行き、LRTも体験しました。岩瀬浜駅でのフィーダーバスとLRTの同じホームでの接続もタイミング良く見れ、短時間でしたが、いろいろと勉強できました。



LRT等の見学後、中村副市長からコンパクトシティーについて、交通に重点を置いた形でレクチャーいただきました。40分のレクチャーの後、質疑が25分程度で、大いに勉強させていただきました。今回は中心市街地をゆっくり見学する時間は取れませんでしたが、ぜひ休日にもう一度訪れてみたい、と皆が強く思ったことでしょう。



昼食後、親不知高架橋へ。私はかなり久しぶりに訪れましたが、劣化したPC桁を抱き込む形でボックスカルバートで再構築された部分も見ることができ、勉強になりました。この現場から研究室OBの大先輩も一名参加され、その再構築部分等についても解説をいただきました。



二日目の最後は、フォッサマグナの博物館でした。想像していたよりもはるかに面白く、フォッサマグナ、地震、石灰岩についての講義を受けた後、博物館もじっくりと見学でき、化石にも興奮しました。今後の防災授業もさらにパワーアップできそうです。



これだけ膨大に消費されているセメントの主原料である石灰石は、膨大な生物の生きた証である化石から成り立っています。すごいことですよね。



二日目の夜は民宿に泊まりましたが、深夜まで大盛り上がりで、腕相撲大会や騎馬戦まで始まり、宿の皆さんには大変にご迷惑をおかけしましたが、若さ、ということでご容赦ください。。。



三日目は大河津分水の見学です。私も土木史の講義で時間をかけて説明していますが、私自身、訪れるのは初めてでした。計画は江戸時代から、実際の工事が始まったのは明治に入ってから、その後は有名な陥没事故による自在堰の撤去と、青山士、宮本武之輔による可動堰の建設、等を経て現在の雄大な姿につながっています。


 
現場見学でつねに感じることですが、特にこの信濃川の分水路は、現地で見ないとそのスケール感は分かりません。すさまじいプロジェクトであり、日本人の執念を感じました。



今回の夏合宿の最終目的地が大河津分水であったことも、何かを感じます。青山士の有名な碑です。人類のため、国のため。


 
私も微力ではありますが、人類のため、国のため、に自分の人生を捧げたいと決意を新たにいたしました!


 

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小学1年生

2015-09-02 07:34:32 | 家族のこと

次女が小学生になりました。

インターナショナルスクールに通っているため、8月31日の月曜日から、小学校に通い始めました。

もちろん英語で授業をしていると思うのですが、どんな授業なのか私は把握できておらず、9月1日に次女を学校に送っていくときにいろいろとヒアリングして、把握しようとしました。1日の夜に次女と会話する時間が取れて、翌日に1~10の数字を英語で書くことになると聞いたので、一緒に予習しました。fourとか、eightなど、発音とスペルが結びつきにくいものを集中的に練習しました。

入学式、というと4月という感覚が私には染み付いていますし、次女は同じ学校で進級する形で小学生になったので、唐突な感じはしたのですが、次女もついに小学生です。大きくなったものです。フランス滞在を契機に、次女も様々な体験、経験をしているので、精神年齢はかなり高いように感じます。人の気持ちを推察する能力や、周囲に配慮する能力も、以前より格段に向上しているように思います。

私の8月もあっという間に終わりました。特にお盆休み明けからの10日間は怒涛のようで、九州、東北への出張も何度か重ね、私が取り仕切るいくつかの大事なイベントも無事に終了し、ほっとしています。

次女の通学が始まってから、お弁当作りも再開しました。今日は研究室夏合宿で始発の北陸新幹線に乗っていますので、4時に起床して次女のサンドイッチを作りました。宮本輝の小説「水のかたち」で学んだ、塩もみキュウリのサンドイッチも作りました。これ、おいしいんです。

日常が極めて大事。お弁当を作ることには慣れてはいますが、夏休み中は作る必要がなかったので、かなり久しぶりに再開しました。

そして、昨日、1日は小学生になった次女と初めて通学。小雨の中、傘を差しながら歩きましたが、会話しながらの通学は非常に非常に楽しい時間でした。日常が楽しい、とこの朝は心から思いました。

1日は、朝は入国管理局で来日する留学生のための手続き、午後は土木学会で示方書の改訂の委員会、18時過ぎに大学に戻って新学部設置のための会議。会議と移動、雑用ばかりの一日でしたが、合間を縫ってできうることをやり、充実した一日だったと思います。示方書の委員会の前に、次女のサンドイッチ用のパンを買ったりもしました。

私の本当の日常は10月から始まりますが、9月は各所への出張が続きます。今日からの二泊三日での研究室夏合宿(北陸方面)も私の仕事のメインフィールドにとって極めて重要なイベントです。充実したイベントとなるよう、私もベストを尽くします。

9月には、今年度あまり通えていない、鞆の浦へも2回行きますし、山口県にも出張します。10月からの日常を、パワーアップした状態で迎えられるよう、9月を大切に過ごします。

【参考】 しおもみキュウリサンドイッチの作り方 (宮本輝の小説を参考に)
キュウリを薄くスライスして、しおもみにする。塩加減は適当でよい。これ以上の力で絞れない、というくらいの力(男の握力が望ましい)で絞る。冷蔵庫に入れて、しばらくしてもう一度絞る。翌日、もう一回絞る。サンドイッチ用のパンに薄くマヨネーズを塗る。絞ったキュウリを適当に並べて挟む。それだけ。



 

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